孫共育・家事融合のプラン

ご紹介するのは、共働きの娘夫婦同居を想定し、両世帯が夕食を一緒の場所でする融合二世帯のプランで、洗濯も一緒にすることを想定しています。

【1階のプラン:図4】
【図4】孫共育・家事融合のプラン(1階)

【図4】孫共育・家事融合のプラン(1階)
※クリックすると拡大します

1階の左側が共用のLDK、右側が親世帯寝室のゾーンになっており、2階は左側が孫共育ゾーン、右側が子世帯専用ゾーンといった区分けになっています。中央に玄関、階段、水回りといった両世帯共用で使う空間が設けられています。

1階のキッチンは親世帯子世帯共用で、皆で囲んで作業ができるペニンシュラ型のキッチンになっています。このタイプは流しの前に立つ人だけでなく、周りを囲んで複数の人が同時に作業できるため、多人数で使うのに向いています。孫の調理参加を自然に促すことができるのもペニンシュラキッチンのメリットといえるでしょう。

ダイニングテーブルは親子両世帯の人数分の大きさが必要で、6人掛けのビッグテーブルとなっています。リビングに当たる一番南のスペースは床上げタタミコーナーとして、畳に腰掛けて使うカウンターを設け、孫の勉強コーナーや親世帯母の居場所としています。床上げタタミの下は多人数で使うと不足がちになる収納を増やす効果も持っています。

1階の玄関周りには、子世帯用のコートクロークが設けられ、孫ロッカーも設置されています。生活の中心であるLDKが1階にあり、子世帯の個室は2階、というケースではどうしても帰宅してすぐ向かうLDK回りに外出時に着ていたもの、持っていたものが散らかってしまうことが多いので、1階に収納スペースを設けることで出しっぱなし掛けっぱなしを防ぐ効果が期待できます。水回りは車椅子に対応して3枚引き戸を開ければワンルーム化できるもので、トイレ空間は壁を除去すれば親世帯寝室と直結できるようにも考えられています。

1階の親世帯寝室には、南側に父の居場所が設けられ、本や机が置けて、好きなTVも見られるように設えられています。娘夫婦同居のプランでは子世帯夫との関係で親世帯父の居場所も「ひとりになれる」ことが重要なのではないかと思っています。



【2階のプラン:図5】
【図5】図孫共育・家事融合のプラン(2階

【図5】孫共育・家事融合のプラン(2階)
※クリックすると拡大します

2階へ向かう階段回りは暗くなりがちな1階中央を明るくする吹き抜けが設けられ、2階の気配が1階のLDKに伝わりやすくなっています。また階段の位置は親世帯寝室とできるだけ離すことで音の伝わりを防いでいます。

2階にはランドリーセンターがあり、共用の洗濯機と室内干し、屋外干しのスペース、さらには衣類の収納スペースがコンパクトにまとめられています。洗濯機の自動化が進み、キッチンと洗濯機を往復する頻度が減ってきたのに対し、物干しの手間は変わらないので二世帯共同の洗濯のように量が多い場合は物干しスペースに洗濯機を近づけることを優先したプランニングが家事の効率化には有効だと思います。母親に洗濯をしてもらう場合、洗濯物の収納までしてもらうと立ち入られる範囲が増えてしまうので、衣類の収納の方を集中化してしまう方法が合理的です。

孫の部屋は階段脇で1階との結びつきを強くし、親世帯と孫だけの時間帯でも気配が伝わりやすい位置になっています。現在は川の字就寝できる広い1室ですが将来は可動間仕切りで2つの個室に分けることができます。

子世帯DKは子世帯夫が夜遅くに一人で食事、あるいは朝食のスペースとして使えるものになっています。子供室で川の字就寝をしている間は主寝室は寝る場所としては使わなくてもよいので、主人の書斎や居間として使い、居場所を作ることができます。また、シャワー室も2階に設けられており、共用浴室が使いにくい朝でも自由にシャワーが使えるようになっています。
_______________________

以上、孫共育・家事融合の二世帯プランをご紹介しました。融合した同居スタイルの中で、各世帯専用のスペースや居場所を作っていくプランニングの考え方がお分かりいただけたのではないかと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。