借地権付きマンション」というのを御存じですか。通常のマンションを購入した場合は、建物の区分所有権と土地の所有権が手に入ります。土地の所有権といっても、一戸建てのように1区画すべてが自分のものになるわけではなく、専有面積の割合に応じた「共有持ち分」(※1)となります。借地権付きマンションの場合は、土地の共有持ち分が所有権ではなく借地権になっているわけです。

(※1)借地権の場合は、正確には、持ち分の「準共有」といわれます。

借地権付きマンションの一番のメリットは、所有権の場合よりも何割か安く購入できること。建物を含めたマンション全体の価格としては、所有権の8掛けくらい、つまり、2割程度安く出ていることが多いようです。価格水準でいえば、「新築>中古(所有権)>中古(借地権)」という位置付けになりますから、土地の所有権にこだわらなければ、かなりお買い得。立地を絞って検討している人にとっては「掘り出し物」といえるかもしれません。

借地権には「定期借地権」と「旧法借地権」がある

借地権付きマンションを検討する場合に、まず注意していただきたいのは、借地権の種類です。代表的な種類としては、「定期借地権」と「旧法借地権」の2つあります(※2)。

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1992年8月に、それまでの古い借地法が改正されて新しい借地借家法が施行されました。このときに誕生したのが「定期借地権」です。「定期」と付いている通り、借地契約の期限が来たら更新することができず、建物を取り壊して更地にして返還するというものです。したがって、将来的な資産にはなりません。一定期間だけ自由に使える「利用権」を得ると考えたほうがいいかもしれませんね。

一方「旧法借地権」というのは、古い借地法時代に結ばれた借地契約がそのまま存続しているものです。こちらは契約更新が可能です。地主が契約更新を拒絶できるのは、特別な事情があってどうしても自ら使用する必要性があるなど、法律で定められた「正当事由」が認められた場合に限られます。しかし、マンションの敷地として一定規模の土地を貸す地主は、寺社や医療法人などが多いため、「正当事由」を主張して土地の返還を求めるケースはあまり聞いたことがありません。
建物がしっかりしていれば永住も可能といえるでしょう。所有権に準じた資産と考えることも可能です。

(※2)新しい借地借家法ができてから、更新ができない「定期借地権」と更新ができる「普通借地権」の2つにわかれました。ただ、普通借地権付きの中古マンションが流通しているケースはほとんどないため、ここでは除外して説明しました。

このように「更新の可否」によって大きな差が出ることを知っておきましょう。中古マンションとしてもっとも多く流通していて、前述したように「所有権より2割程度安い」というのは、後者の「旧法借地権」のケースです。「定期借地権付きマンション」は、まだ歴史が浅くて物件数も少ないために、あまり中古市場には出てきません。所有権の場合よりも安いのは確かですが、価格相場が確立されていないため、個々の物件ごとに判断するしかないのが現状です。

「地上権」か「賃借権」かで、地主の関わり方が違う

借地権には、もう一つの分類の仕方があります。「地上権」と「賃借権」です。定期借地権も旧法借地権も、どちらも2つのタイプに分かれています。

地上権」は、地主の承諾なしで売買することが可能で、借地人の権利がやや強いタイプ。「賃借権」は、売却するとときに地主の承諾が必要なタイプです。「賃借権」では、承諾書に判を押すだけで費用がかからないケースと、数万円から数十万円の承諾料がかかるケースがあります。

とはいえ「賃借権」でも、地主が売却を承諾してくれないことはほとんどないといえるでしょう。したがって、両者の違いは、主に売買の際の手続き上の問題で、実際に利用する上ではそれほど大きな差はないといえるかもしれません。

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