賃料や礼金、更新料、敷引き金などは、地域によって慣習が異なるため、他地域に引っ越しをした時には戸惑うことも多く、トラブルも発生しがちです。
そこで、日本賃貸住宅管理協会(日管協)では借主が部屋を借りている間に支払うべき金額を分かりやすく表示するための新たな「めやす賃料表示」制度を今年の秋にスタートすることになりました。

めやす賃料制度とは?

めやす賃料制度とは、賃料、共益費、敷引き金、礼金、更新料を含んで、賃料など条件の改定がないものと仮定して4年間部屋を借りた場合の1カ月分当たりの賃料のこと。

礼金や敷引き、更新料などの制度は、地域によってその慣習が異なるため、月額賃料が同じでも初期費用にコストがかかったり、1~2年ごとの更新時に費用がかかったりするなど、毎月支払い分以外の費用が意外とかかることがあります。そういった費用もすべて含め、4年間借りた場合に1ヵ月の賃料がいくらになるのかを算出することによって、物件による一時金も含めた総支出が分かるというのがこの制度のメリット。

地域によって、礼金がなかったり更新料が高かったり、敷金ではなく敷引き制度を導入しているなどの格差は、他地域に引っ越しをする消費者にとってとまどうことも多く、それゆえにトラブルも多く発生していました。そこで、実際に入居期間中にトータルしていくら支払うのかを算出し、それを月額ベースに割ることで入居者の経済的な負担を明確にすることを目的としたこの制度によって、貸し手も借り手もトラブルがなく納得して契約するような市場をつくっていくことができると考えられています。

めやす賃料に含まれるものは、月額賃料の他、管理費(共益費)、礼金、更新料、敷引き金。逆に含まれないものは、仲介手数料、更新事務手数料、原状回復特約費用、鍵交換費用、町会費、定額の設備使用料、賃貸保証会社への保証委託料、家財保険などの保険料など。敷引き金は、敷金・保証金の償却など預かった金銭から必ず差し引くもののみを対象としています。


制度が導入されると・・・?
 

日管協では、通常の家賃以外に「めやす賃料」を物件情報として記載していくよう呼びかけていくそう。消費者の混乱を避けるために、めやす賃料に含まれる項目などを明確化し、通常の毎月賃料とは違うことをはっきりさせていくとしています。

賃貸住宅というのは、空間の所有権を一定期間購入しているという見方ができると思いますが、そう考えると賃料や礼金は、その一定期間空間を所有するための費用となります。その費用の呼び名が、エリアによって違っていたり、払い方が違っていたりしているので消費者が混乱しているというのが現状なのです。

めやす賃料というのは、その費用を月々で示したものなので、言ってみれば「通常賃料と考えらているもの」を表示することです。長期的にみると、「めやす賃料」が一般的になり、表示されていくことになると思っています。

この制度は今秋、日管協の会員約1200社で導入スタートするとともに、他の不動産団体とも連携しながら業界全体に広げていく予定とのこと。制度が導入されれば、消費者にとって部屋選びの有効な指標となるでしょう。

【関連サイト】
日本賃貸住宅管理協会


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