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育て直しとは? 親の愛情を子どもに効果的に伝える方法

「子どもへの愛がうまく伝わらない。」「どうやって愛情表現をすればいいのかわからない。」そんな親達へ伝えたい。子どもに対する親の愛情について考えてみましょう。子どもへたくさん語りかけることや、父親と母親が仲良くするなど、子どもへ親の愛情の伝え方を具体的にご紹介致します。

上野 緑子

執筆者:上野 緑子

幼児教育ガイド

「親の愛は海よりも深い」「親の愛は無償の愛」と言われていますが、「愛が子どもにうまく伝わらない」「どうやって愛情表現をすればいいのかわからない」という親もいるでしょう。子どもに対する親の愛情について考えてみましょう。
   

胎児の頃から母親の愛情を注ぐ

子どもに愛情を伝える

いくつになっても、子どもに愛情を注ぐことは大切です

母親の愛情は、特に胎児から3歳までが重要だと言われています。10ヶ月間、共に過ごす母親の影響が、子どもにとって、いかに大きいかは想像できると思いますが、胎児を育てている間の母親の愛情は、全て胎児である子どもにインプットされているのです。子どもの心の土台は母親によって作られると言っても過言ではありません。
 

愛情を言葉や態度でしっかり伝える

親が子どもを愛しているという事実だけでは、不十分です。どんなに愛しているかを言葉や態度でしっかり伝えなければなりません。子どもに届かなければ意味がありません。それは、子どもが幼いときだけではなく、思春期に入ってからも同じこと。私事ですが、私は中学生になった子ども達に、今でも、毎日、「○○ちゃん、大好き!」と言葉で伝えています。子ども達は幼いときと違って、照れくさそうではありますが、やはり、うれしそうに微笑んでくれます。
 

子どもをしっかりと抱きしめる

スキンシップは、親の愛を子どもに伝えるたいへん効果的な方法です。

私は子どもに言い聞かせるときには、いつも手をしっかり握って言い聞かせていました。「言葉では、あなたのことを注意しているけれど、あなたが嫌いで叱っているのではないのよ。あなたのためにお話しているのよ。」ということを分かってもらうためです。それに、私の口から出た言葉が、単に子どもの耳に入るだけでなく、つながった手を通して心から心へ伝わる気がしたからです。そして、子どもから話を聞き出したいときも、しっかりと手を握って、話を聞くようにしていました。そうすると、話しにくいことも、ポツリポツリと話してくれました。

スキンシップというのは、不思議な力があるものです。幼いころと、もちろん形は違ってくるでしょうが、子どもがいくつになっても、スキンシップをするように心がけてください。また私事ですが、中学生になった子ども達が、朝、学校に行く時、必ず、ハイタッチをして、送り出しています。
 

子どもにいっぱい語りかける

愛情表現のひとつとして、胎児の時から、子どもに語りかけることが大切です。当然のことですが、言葉を話せない赤ちゃんにも、いっぱい語りかけてくださいね。例えばオムツを換えるときには、「さぁ、オムツを換えましょうね。気持ちよくなったでしょう。」と。ベビーカーでお出かけしたときには、「チョウチョが飛んでるよー。」とか「風が気持ちいいね。」などと、子どもの顔を見ながら、いっぱい語りかけてくださいね。テレビやゲームからの音声とは違う、生きた声を子どもたちに聞かせてください。
 

1日5分でもいいから、子どもと向き合う

親が子どもと向き合って過ごすことは、とても重要です
子どもは向き合ってくれる人を求めています。1日たった5分でもいいから、自分だけを見つめて欲しいのです。子どもが幼いころは、親子で手遊び歌で遊んだり、折り紙をして遊んだりするのもいいでしょう。親が子どもと共に過ごすことは、とても重要です。また、子どもが話しかけてきたとき、忙しいときでも、できる限り「あとでね。」と言わず、とりあえず1分でもいいから、子どもの話に耳を傾ける努力をしてください。
 

父親と母親が仲良くする

両親の仲のよい姿は子どもの心を安定させます
子どもが、両親の仲の良い姿を見ることは、子どもにとって、とても大きな心の安定につながることは言うまでもありません。両親が仲良くしている姿を見て、親への愛、兄弟への愛、友だちへの愛など、愛することのすばらしさを実感するのではないでしょうか。

また、母親は父親のいいところを、父親は母親のいいところを子どもに聞かせてあげてください。そうすることで、父親、母親に対する信頼感は強くなり、いい親子関係を築くことにつながります。
 

言葉に気をつける

子どもは繊細過敏で感受性が豊かです。親が意識しないほど些細な言葉でも、子どもは傷ついてしまう場合があります。どんな時でも、無責任な言葉、愛情のない言葉を口にしてしまわないように気をつけましょう。そんな言葉はいつまでも子どもの心に深い傷として残ります。無意識な親の何気ない言動で、子どもは親に愛されていないのではないかと不安になることさえあります。
 

厳しさ・叱ることも必要

子どもを本気で叱ることも親の愛情の一つ
溺愛され、がまんすることを知らずに育った子どもは、強い自我が育ちません。また本気で叱られないことに不満を感じる場合もあります。愛されていないと感じるのです。子どもは無意識に叱られることを求めて、非行に走る場合もあります。
 

自分の願望を子どもに押し付けない

親の中には、自分が思い描く幸せのレールの上に子どもを乗せようとする人もしますが、子どもが成長するにつれて、親の姿勢に疑問を抱き、親に反発する場合もあります。親は、子どもは別の人格であることを理解して、自分の願望を子どもに押しつけないように心掛けましょう。
 

親の不安に子どもを巻き込まない

親は自分に不安があると、子どもにも何かとそういう態度で接してしまうため、子どもは親から離れるのが不安で幼稚園や学校に行けなくなる場合があります。親は悩みなどがあっても、不安を子どもの前では出さないように意識的に心掛ける必要があります。
 
近年、凶悪な少年犯罪や、親に暴力を振るったり、ひきこもったりする子どもが急増しています。その背景として、幼い時、親からの愛情を充分に受けなかったケースが多いのです。彼らは、表面的には親の愛情を求めていないふりをしながらも、親の愛を求めてやまないのです。

しかしながら、子どもに愛情を注ぐことができない母親を単純に責めることはできません。母親自身が、子どものころ親から愛されなかったために、子どもを愛することができない場合が多いのです。自分の心に十分な愛が満たされていないのに、子どもに十分な愛を注ぐことは難しいことです。

けれども、努力して子どもに愛情を注がなければ、また、その子どもが親となり、同じことを繰り返す可能性があります。言葉が難しければ、まず、笑顔を見せる、手を握る、頭をなでる、肩を抱く、抱きしめるなど、からだで表現することから始めてはいかがでしょうか。育て直しは何歳からでもできます。

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