毎年のように繰り返される大雨被害。今年(2010年)もすでに九州地方の断続的な豪雨で大きな被害が出ているほか、東京でも板橋区では1時間に107ミリを記録する猛烈な豪雨(7月5日)が観測されました。

山あいの町や傾斜地では山崩れや崖崩れ、土石流などが懸念されるほか、最近では山の内部で起きる「深層崩壊」という現象もクローズアップされています。一方、都市部では河川の急激な増水や氾濫のほか、下水道が溢れる危険性も高まっています。

都市部で比較的古い時期に整備された下水道は、1時間に50ミリ程度の雨までしか想定されていないことが多いうえ、とくに昭和40年代以前の整備では「合流式」のものが大半を占めているようです。

「合流式」とは要するに、道路や宅地に降った雨水も、お風呂や台所からの生活排水も、さらにトイレからの汚水も、すべて同じひとつの下水管に排水するもの。雨水の流入が想定水量を超えれば、それらが未処理のまま河川に流れることもあるほか、流量の限界を超えて溢れれば、「***が****」なんてことにもなりかねません。大量の雨で薄まっているとはいえ、床下や駐車場に流れ込んだ汚濁水の後始末も大変です。

そして、早い時期に下水道が整備された大都市や地方都市の中心部ほど、つまりは周辺よりも地価が高いところほど、このリスクも高いといえるでしょう。

 


もちろん古い下水道が更新されたり、万一に備えた対策が講じられたりして、都心だから「アブナイ」とは一概にいえませんが、地価の形成にあたって下水道の処理能力や溢水のリスクが十分に考慮されているわけではありません。建物が立ち並んでいる都市部では、土地の高低(雨水の集まりやすさ)が分かりにくく、浸水リスクが大きくても地価が高いままといった例も多いものです。

都市部では1時間に100ミリを超えるような集中豪雨が年々多くなり、今夏には「ゲリラ雷雨」が東京都内で140回、大阪府で270回に達するという民間の予測も発表されています。台風による大雨も何度かあるだろうと思います。

地価が高い土地にお住まいのかたは(もちろんそれ以外のかたも)、十分にお気をつけください。とはいっても、個人の対策では被害を防ぎきれないのが辛いところでしょうが…。
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