フィレンツェ/フィレンツェの観光・美術館

フィレンツェ旅行の1日モデルコース! おすすめ観光スポット集

イタリアの花の都フィレンツェは、見どころがギュッと凝縮したゆっくりみれば1週間でも足りない! でもコツを掴めば1日で観光スポットを巡ることは可能です。フィレンツェの1日チャレンジングモデルコースをご紹介!おすすめの観光地をまとめました。

岩田 デノーラ 砂和子

執筆者:岩田 デノーラ 砂和子

イタリアガイド

フィレンツェの1日観光モデルコースは時間配分が鍵

フィレンツェの観光モデルコース
花の都フィレンツェ。見どころが凝縮した世界遺産の町を短時間で回るなら、モデルコースを参考に!「ウフィッツィ美術館」そばから「アルノ川」を望む

イタリアの中部に位置するフィレンツェ。ルネッサンス発祥の地として知られるこの町には、美しい芸術品が小さな町にぎっしりとつまっています。

その見どころのほとんどが、1982年に世界遺産に登録された旧市街に集中。広さは約500平方メートルと意外に狭い旧市街なので、歩いて回ることが可能です。しかし、ざっと見るなら1日で回れてしまう規模ながら、じっくりと鑑賞したい芸術品の宝庫ウフィッツィ美術館や修道士フラ・アンジェリコの繊細な宗教画が満載のサン・マルコ美術館など世界有数の美術館ばかりで、時間配分が鍵となります。幸いなことに、フィレンツェの美術館は予約ができるところが多く、イタリアながら意外にも予定が立てやすいのも魅力です。

今回は、時間のない初心者向けに、1日でフィレンツェという町の概要がわかる王道の見どころスポットをまわるモデルコースをつくってみました。時間があれば、中世を今に蘇らせる町並みをのんびりと歩き、フィレンツェを肌で感じる。そんなのんびりした旅が似合う町ではありますが、まずはともあれ、ここに行ってみよう!を集めたコース。歩きやすい靴をお忘れなく!
 

8:15 フィレンツェ観光のスタートは清冽な気分で修道院へ

早朝は、清々しい静寂の修道院美術館へ(出典:ウィキメディア・コモンズ)

早朝は、清々しい静寂の修道院美術館へ(出典:ウィキメディア・コモンズ

まずは、フィレンツェ旧市街の北端「サン・マルコ美術館」からスタートです。15世紀にメディチ家のコジモ1世によって設立されたサン・ドメニコ派の修道院を改装した美術館。ギルランダイオの「最後の晩餐」、フラ・アンジェリコの「受胎告知」など、繊細な宗教画を鑑賞して、清冽な朝の気分を盛り上げましょう。

フィレンツェの美術館は朝が早い。8時15分はなかなかどうして寝坊派には厳しい時間ではありますが、開館直後は人もまばらで、この美術館の良さがより味わえるのでお得です。

<DATA>
Museo di San Marco
住所:Piazza San Marco,1
TEL:055-2388608
開館時間:8時15分~13時50分(土・日曜・祝日は~16時50分)
休:第1・3・5日曜、第2・4月曜、5/1、12/25、1/1
入場料:8ユーロ
 

9:30 ミケランジェロに出会うアカデミア美術館へ

有名なダヴィデ像はこれ。写真はシニョーリア広場にあるレプリカ像(出典:ウィキメディア・コモンズ)

有名なダヴィデ像はこれ。写真はシニョーリア広場にあるレプリカ像(出典:ウィキメディア・コモンズ

「サン・マルコ美術館」を出たら、目と鼻の先にある「アカデミア美術館」へ流れましょう。こちらもメディチ家のコジモ1世のアカデミア(美術学校)が前身。ここの見どころは、何と言ってもミケランジェロのダヴィデ像オリジナル。その迫力に眠気も飛んでいきます。他、「未完の4人の奴隷」などミケランジェロ作の傑作彫刻が見られます。

ウフィッツィ美術館と並んで超人気の美術館です。必ず予約をしておきましょう!

<DATA>
Galleria dell'Accademia
住所:Via Ricasoli, 58-60
TEL:055-294883 TEL予約番号(英語またはイタリア語)
開館時間:8時15分~18時50分
休:月曜、12月25日、1月1日
入場料:12ユーロ
 

11:00 メディチ家ゆかりのスポットを眺めて

「アカデミア美術館」を出たら、リカソーリ通りVia Ricasoliを南へ進み、アルファーニ通りVia degli Alfani通りを右に折れ、カブール通りVia Cavourを左折。「トスカーナ州観光案内所」をのぞいて、近隣の資料などをいただきつつ直進すれば、「メディチ家リッカルディ宮殿」があります。1444年にメディチ家の祖コジモ・イル・ヴェッキオによって建てられたメディチ家の住居。荒削りの外観は、「民衆に妬まれないように」との配慮とか。

「メディチ家リッカルディ宮殿」を右に折れると、「サン・ロレンツォ教会」があります。11世紀に創建された教会を、またまたメディチ家の依頼によりブルネレスキが改築を担当。ブルネレスキの死によって外観は未完のままですが、内部はゴージャス。ドナテッロ作の「説教壇」やフィリッポ・リッピ作の「受胎告知」などがあります。

「サン・ロレンツォ教会」の裏手には、「メディチ家礼拝堂」。8角形の礼拝堂内部には、メディチ家のロレンツォ豪華王、その息子と孫が眠っています。今回は内部は割愛。時間があるときにゆっくり見学しましょう。

周囲には、フィレンツェの台所「中央市場」や革製品やお土産物を売る「メルカート」が立ち並んでいます。とても惹かれますが、こちらも今回はパス。新鮮な食材やサラミや生ハム……フィレンツェの台所事情がわかる「中央市場」は、時間があるときにじっくりゆっくり探索したいところです。

さて、急ぎ足でドゥオモへ。
 

12:00 フィレンツェ観光の華! 大聖堂ドゥオモへ

華やかな大理石に彩られた「大聖堂ドゥオモ」や「ジョットの鐘楼」は、まさに花の都フィレンツェの代名詞

いよいよフィレンツェ観光本番!といった趣になる「大聖堂ドゥオモ」。1296年に着工、140年の歳月をかけて完成した巨大な大聖堂は、バラ色の大理石と赤レンガのクーポラが華やかなフィレンツェの顔です。ドゥオモ内部の天井画は、ウフィッツィ美術館を設計したヴァザーリをはじめ、数々の芸術家が参画した“ルネッサンス芸術の極み”です。

「大聖堂ドゥオモ」がある「サン・ジョバンニ広場」には、14世紀に建てられたにしては高さがスゴイ!約84mもある「ジョットの鐘楼」や、ミケランジェロが「天国の門」と呼んだギベルディ作の門がある「サン・ジョバンニ礼拝堂」などがあります。

また「大聖堂ドゥオモのクーポラ」や「ジョットの鐘楼」は上部へ上ることも可能。足腰に自信あり&時間に余裕があるときは、ぜひどちらかに登ってみたい。フィレンツェ町中を見渡す絶景が眺められます。

<DATA>
Duomo
住所:Piazza del Duomo, 50122 Firenze
TEL:055-2302885
開館時間:月~金 8:30~19:00、土 8:30~17:00、日 13:00~16:00
休:日曜午前
入場料:18ユーロ
 

13:00 時間短縮の小技。名物のパニーノ

photo by SAWA pasqua
フィレンツェ名物の内臓パニーノを食べ歩き
フィレンツェ一の目抜き通りカルツァイオーリ通りVia dei Calzaioliを歩きながら、「アルノ川」方面へ。デパート「コイン」の路地裏にある屋台で本日のランチです。

屋台で食べるべきメニューは「モツのパニーノ」。知る人ぞ知るフィレンツェの名物パニーノです! モツは牛の胃袋「トリッパ(第2の胃袋)」や「ランプレドット(第4の胃袋)」。グツグツ煮込んだものをバサッとパンに挟んで、「サルサ・ヴェルデ」と呼ばれるパセリのソースをかけていただきます。「サルサ・ピッカンテ(辛いソース)」も加えるのが私はもうたまらなく好きです。

フィレンツェ留学中(実はフィレンツェ経験もあり)は毎日ランチにいただいていたくらい。時間短縮というより、この機会にぜひ!という感じの名物パニーノで、午後へのエネルギーを充電しましょう。ちなみに、イタリアでは食べ歩きはOK。パクパク食べながら、シニョーリア広場を目指します。
 

14:00 フィレンツェの中心地シニョーリア広場へ

彫刻が立ち並ぶ「シニョーリア広場」(出典:ウィキメディア・コモンズ)

彫刻が立ち並ぶ「シニョーリア広場」(出典:ウィキメディア・コモンズ

中世時代にフィレンツェ政庁舎として建てられた重厚な「ヴェッキオ宮殿」がそびえたつ「シニョーリア広場」。映画「ハンニバル」での衝撃的なシーンが撮られたことでも有名な広場ですね。

周囲を中世時代の建物に囲まれた広い「シニョーリア広場」は、彫刻が飾られ、オープンエアの美術館のような趣。ミケランジェロのダヴィデ像レプリカもあります。「ヴェッキオ宮殿」は、メディチ家のコジモ1世により住居となった時代があります。

シニョーリア広場から、「ウフィッツィ美術館」へはすぐ。もともと行政機関があった「ウフィッツィ美術館」は、「ヴェッキオ宮殿」のお隣です。
 

14:30 国宝級の芸術品が並ぶ憧れのウフィッツィ美術館

「ヴェッキオ宮殿」のお隣に続く「ウフィッツィ美術館」(出典:出典:ウィキメディア・コモンズ)

「ヴェッキオ宮殿」のお隣に続く「ウフィッツィ美術館」(出典:ウィキメディア・コモンズ

「ウフィッツィ美術館」は、イタリア・ルネッサンス芸術をはじめ、古代ギリシャ・ローマ時代の彫刻や、バロック、ロココなどの絵画などが、2500点余りも展示されている世界屈指の美術館。

ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ヴォッティチェリなど、教科書でも見たことある!的、有名作品が目の前に……。わかりやすく、時代を追って系統的に展示されているのも魅力です。

メディチ家コジモ1世の命により、ヴァザーリが設計を手掛け、1580年に完成したルネッサンス建築。ウフィッツィは、イタリア語のウッフィッチョ(オフィスの意味)の複数形で、行政関係の事務所がまとまって入っていたことに由来します。行列は必至なので、必ず予約を!

<DATA>
Galleria degli Uffizi
住所:Piazza degli Uffizi,6
TEL:055-294883 電話予約番号(英語またはイタリア語)
開館時間:8時15分~18時50分
休:月曜、12月25日、1月1日
入場料:20ユーロ、予約手数料4ユーロ
 

16:00 黄金のアルノ川を眺めて

photo by SAWA pasqua
「ウフィッツィ美術館」を出たら「アルノ川」沿いへ
「ウフィッツィ美術館」の壮大な美術品を鑑賞したら、「アルノ川」沿いへ出ましょう。アルノ川は、フィレンツェの真ん中をとうとうと流れる優雅な川。はるかなる地中海へ注いでいます。

目の前には、「アルノ川」にかかる有名な橋「ポンテ・ヴェッキオ」。アルノ川を含めた「ポンテ・ヴェッキオ」の風景は、「大聖堂ドゥオモ」と並んでフィレンツェの名勝です。

宝石屋さんが軒を連ねる「ポンテ・ヴェッキオ」を渡り、向こう岸へ。橋の上から眺める「アルノ川」もまた素敵。冬であれば、この時間なら夕日を照り返し黄金に輝く川面を見られるかもしれません。
 

16:30 メディチ家の邸宅にお邪魔します? ピッティ宮殿へ

ゴージャスなメディチ家の館。内部へお邪魔してみます(出典:Wikipedia)

ゴージャスなメディチ家の館。内部へお邪魔してみます(出典:Wikipedia

15世紀にピッティ家の邸宅として建てられた宮殿を、メディチ家コジモ1世が愛妻エレオノーラのために購入したという宮殿。1549年からメディチ家一家の邸宅となり、その後、増改築を繰り返された広大な宮殿内には、ラファエロやルーベンスの傑作を収蔵した「パラティーナ美術館」やメディチ家の銀器や陶器を展示した「銀器博物館」、「陶器博物館」「衣装美術館」などがあります。

見どころが多すぎて迷いますが、初めてなら「パラティーナ美術館」がおススメ。宮殿内の居室のインテリアとして飾られたままの名画が鑑賞できます。絵画もさることながら、その居室の様子に私は感動しましたね。歴史上の人物の暮らしていた部屋……まさに歴史が息づく空間です。こういう空間を楽しむことこそが、旅の醍醐味。本場ならではの空気感を楽しめる好きな美術館のひとつです。

<DATA>
Palazzo Pitti
住所:Piazza Pitti
TEL:055-294883
開館時間:8時15分~18時50分
休:月曜日、1月1日、12月25日
入場料:16ユーロ
 

18:00 フィレンツェ観光モデルコースの最後はワインで乾杯を

「アルノ川」から徒歩1分にありながら、観光客の喧騒から離れられる穴場

「ピッティ宮殿」を後にしたら、「ポンテ・ヴェッキオ」方面に戻ります。橋のたもと近くにある地元人に人気のエノテカ「レ・ヴォルペ・エ・ルーヴァ」で夕食にしましょう!

「レ・ヴォルペ・エ・ルーヴァ」は、地元トスカーナ州をはじめ、イタリア各地の穴場的ワイナリーのワインが揃うツウなお店。ワイン関係者の常連客が多いことでも知られています。小さな広場に張り出したテラス席で、穴場のワインとトスカーナらしいおつまみで、フィレンツェらしい夜を!

<DATA>
Le Volpe e L’Uva
住所:Piazza de’ Rossi
TEL:055-2398132
営業時間:11時~21時 

……お疲れ様でした。

かなりムリがありますが、なんとかすれば、これだけまわれる!というチャレンジサンプルコースです。2日に分ける、タクシーを使う、どこか割愛する、など、体調やニーズに合わせてアレンジして下さいね!

※ 各種データ等編集部にて調整

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