幼稚園受験/幼稚園受験の基礎情報

幼稚園受験の現状とは!小学校を見据えた選択肢

公立・私立幼稚園受験にはどのような種類があるのか、また卒園後の進路はどうなるのか、どんな家庭が受験しているのか、幼稚園受験の現状をまとめてみました。小学校にもつながりかねない幼稚園受験、将来を見据えた選択肢をきちんと選び取りましょう。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

幼稚園受験の現状とは!小学校を見据えた選択肢

人気ある幼稚園は当然ながらその門戸は狭い

「幼稚園受験」とはどういうものを指すのでしょうか。人気のある幼稚園への入園は確かに「受験」と言えないこともありません。ただ、ここでは受験対象となる幼稚園を次のように定義して解説していきます。
  • 附属幼稚園……系列の学校が併設されている幼稚園
  • 受験幼稚園……小学校受験する家庭が多く入園する幼稚園
   

「附属幼稚園」の形態

幼稚園単独ではなく、小学校あるいはさらに上級の学校へ続いていく附属の幼稚園があります。いわゆるエスカレーター式と呼ばれるタイプ。例えば白百合学園幼稚園、田園調布雙葉小学校附属幼稚園のように女子のみ募集の幼稚園、青山学院幼稚園のように共学の幼稚園、暁星幼稚園や雙葉小学校附属幼稚園のように幼稚園では共学ながら上級学校では別学の園があります。

附属タイプの幼稚園も小学校までしかない園から大学まで一貫している園まで、バラエティに富んでいます。将来的にまったく受験をしないでエスカレーター式で大学まで卒業するのか、あるいは途中のどの段階で受験をするのかによって志望する幼稚園が異なってきます。

エスカレーター式といっても、全員が無審査で進める幼稚園となんらかの選抜がある園とに分かれます。中には外部受験者と同じ扱いという附属幼稚園もあるので、卒園児の進路については説明会などで確かめておく必要があります。国立大学の附属幼稚園は小学校進学時に基本的には選抜がありますが、抽選において優遇されるため小学校で初めて受験するより有利になります。

さらに大学附属ではあっても高校が進学校として評価を確立している学校もあり、こうした学校の附属幼稚園を選ぶ家庭は、将来は他大学への進学を見据えています。

首都圏と近畿圏の主な附属幼稚園は下の一覧表の通り(国立附属幼稚園も表に含む)。

■首都圏と近畿圏の主な附属幼稚園

 

私立大学附属

前記以外の私立

国立

首都圏

青山学院、学習院、鎌倉女子大、川村、相模女子大、淑徳、昭和女子大、白百合学園、聖学院、成城、聖徳大学、洗足学園、玉川学園、桐蔭学園、桐朋、東洋英和、日本女子大、文教大学、明星、和光

大西学園、小野学園、カリタス、関東学院、暁星、国立学園、国本、啓明学園、光塩、自由学園、聖徳(学園)、湘南学園、聖セシリア、星美学園、聖マリア、清明学園、田園調布雙葉、東京文化、桐光学園、東星学園、東横学園、日出学園、雙葉、平和学園、宝仙学園、武蔵野東、森村学園、横浜英和

お茶の水女子大、東京学芸大竹早、東京学芸大小金井、埼玉大、千葉大、宇都宮大、茨城大、群馬大

近畿圏

追手門学院、京都、京都文教短大家政城陽、近畿大、光華、甲子園学院、甲南、帝塚山、帝塚山学院、立命館

愛徳学園、近江兄弟社、大阪信愛女学院、建国、賢明学院、四条畷学園、城南短大、仁川学院マリアの園、聖母学院、聖母被昇天、奈良育英、PL学園、雲雀丘学園、百合学院

京都教育大、大阪教育大、奈良教育大、奈良女子大、神戸大、兵庫教育大、滋賀大、三重大

組織上附属でなくとも事実上の附属扱い、またはその逆のケースもある。志願される際は自身でお確かめください。またリストに掲載された幼稚園がすべてを網羅しているわけではありません

 

「小学校受験幼稚園」の形態

幼稚園の今だけでなく、将来を見すえた選択が親には求められる

幼稚園の今だけでなく、将来を見すえた選択が親には求められる

有名私立小学校がすべて併設の幼稚園を持っているわけではありません。そこで小学校受験するために特に受験に力を入れている、あるいはそうした家庭の子どもが多く集まる私立幼稚園があります。前述の附属幼稚園以上に入園が厳しい幼稚園もあり、よく考えてから志望するようにしましょう。

このタイプの幼稚園は、東京都港区愛育幼稚園、麻布みこころ幼稚園、若葉会幼稚園、東京都目黒区枝光会駒場幼稚園、東京都世田谷区上野毛幼稚園などが挙げられます。
 

附属ではあるが、エスカレータ式でない幼稚園もある

幼児教育関係の学部を持つ大学が実習園としての附属幼稚園のみを併設して、附属小学校を持たないケースがあります。園によって違いますが、大学キャンパス内にあって環境が良い、大学の教官が体育や英語などの指導をするなどのメリットがあります。桜美林幼稚園、十文字女子大附属幼稚園、こまざわ幼稚園、平安女学院幼稚園など多数あります。私立小学校進学は考えていないけれど、よりよい環境の幼稚園を選びたいという保護者が選択肢の一つに考えるようです。
 

共学が大多数を占める

系列の学校が男子校や女子校だとしても、附属幼稚園や小学校の段階では共学という学校が大多数を占めます。これは子どもが小さい内は男女一緒に過ごしたほうが良いとの考えからです(女子のみの募集例:白百合学園幼稚園、田園調布雙葉幼稚園)。

また途中まで共学で、ある段階から別学になる園もあるので、子どもが男女どちらなのかによっても系列学校へ進学するのか、小学校受験または中学受験をするのか異なってきます。
 

幼稚園受験の現状……応募倍率は「非公開」が大多数

附属幼稚園の入試状況は非公開としているところが大多数。おそらくいま以上の入試加熱を警戒してのことでしょうが、こうした情報の不透明さが噂の独り歩きを呼んでいる側面があります。

受験生保護者の話などから推測すると、人気のある有名附属幼稚園は数倍程度、その他は1倍強というように考えられます。小学校受験と同じく、一部の人気園に志願者が集中する傾向があります。国立附属幼稚園は応募者数が公開されている学芸大学附属幼稚園竹早園舎で10倍を超えているので、他の国立幼稚園も似たような高倍率と考えられます。費用が安い上に国立小学校への進学が有利であること、小学校入試では抽選があることなどから、その前に一度チャレンジしておこうと幼稚園を受験しているのです。

受験幼稚園の倍率も公表はされていませんが、10倍を超えるところがあるようです。卒園児が多数有名附属小学校に進学している幼稚園は高い人気を保っています。
 

幼稚園受験の動機

簡単に幼稚園受験の動機についてまとめると次のようになります。

  • 自分(親)が幼稚園受験を経験しており、当然のように母校の附属幼稚園を受験する
  • 小学校受験が大変なので、あわよくば幼稚園受験で入ってしまいたい
  • 小学校受験に備えて、きちんとした躾と教育をしてくれる幼稚園に入れたい
  • 一般私立幼稚園よりも良い環境や教育をしてくれる附属幼稚園に入れたい
  • 将来有名大学に進学してほしい

幼稚園受験を考える際には、お子さんの将来をどうしたいかを考えて、その方針に見合った幼稚園を志望校として選定するようにしましょう。家族でよく話し合って納得することが大事です。

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