パート・アルバイトで税金を払い過ぎていたら確定申告を

税金の世界では、アルバイト収入やパート収入はどちらも「給与所得」という区分に分類されます。サラリーマン(会社員)の収入と同じ区分ですね。

アルバイトでも収入の額によっては税金を取り戻せることも!

アルバイトでも収入の額によっては税金を取り戻せることも!



この給与所得は原則として、毎年最後の給与を支払うときに、年末調整という手続きによって税金(所得税)の精算が行われます。しかし、年末調整の手続きは煩雑なので、多数のアルバイトを採用している飲食店や中小企業の中には、正社員の分しか年末調整を行わないところもあるようです。

パートやアルバイトは税金がとられすぎ?

パートやアルバイトが確定申告すると税金は戻る可能性が高い理由は、主に以下の2点です。
  • 年末調整の対象から外れていること
  • 月給(あるいは日給)ベースで源泉徴収されたままになっていること

年末調整の対象から外れると税金がとられすぎてる理由

アルバイトやパートであっても、毎月の給料が8万8000円以上となると、雇用先において所得税を徴収するよう義務付けられています。これはあくまで税金の前払いにすぎないのですが、14種類ある所得控除のうち社会保険料控除しか考慮されていません。

つまり、14種類ある所得控除のうち給与の支給時には社会保険料控除や扶養親族等の数しか考慮されていない源泉所得税が算定されて上で少し多めに差し引かれているのです。

そして、前述のように、アルバイトやパートの場合、年末調整の対象者から外されている場合も多く、結果として生命保険料控除や地震保険料控除、勤務先に申告していない自身で支払った社会保険料控除などがまったく考慮されていないまま源泉徴収された所得税が放置されているといえます。つまり、税金の精算を受ける機会がなく、税金が過大に徴収されている可能性が高いのです。

これが、年末調整されていないパートやアルバイトの方が税金が戻る可能性が高い理由です。

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月給(日給)ベースで処理されたままだと税金がとられすぎる

もうひとつの理由はパートやアルバイトが差し引かれる源泉所得税は月給(あるいは日給)ベースだということです。月給から差し引く源泉所得税というのは国税庁から発表されている源泉徴収税額表に記載されているとおりに所得税を給与から天引きしなくてはいけません。この源泉徴収税額表に記載されているとおりに所得税は「この月給が一年間続けばこのくらいの年収になるだろう」ということを想定して決められています。

一方、本来の所得税は年収ベースで計算します。たとえば、1ヶ月30万円の住み込みのアルバイトをした学生がいたとします。雇用主は源泉徴収税額表にあるとおり、扶養親族等の数がいない人だった場合30万円から8420円を差し引かなければいけません。
源泉徴収税額表抜粋(出典:国税庁)

源泉徴収税額表抜粋(出典:国税庁)


これが3ヶ月続き、この前後まったくアルバイトをしなければ
  • 年収 90万円 
  • 源泉所得税額 2万5260円
という源泉徴収票が手許に残ることとなります。
ただし、確定申告すると給与所得控除額65万円&基礎控除38万円が活用できるのでパートやアルバイトで年収103万円までだったら税金がかかりません。

なので、所得控除の計上もれがなくても確定申告の手続きをとるだけで源泉所得税額 2万5260円が還付されることになるのです。

このように短期間に集中してパートやアルバイトをした方で、源泉所得税が差し引かれたままになっているという方も税金が戻る可能性が高いのです。

源泉徴収票を見れば、あなたが税金を取り戻せるのか分かる

では、実際に税金を取り戻すためにはとにもかくにも「源泉徴収票(げんせんちょうしゅうひょう)」を用意するのが、一番のポイントです。

まれに「源泉徴収票を発行してもらえないのですが……」という質問をいただきます。所得税法226条に、年末在職者については翌年の1月31日までに、退職者については退職日から1カ月以内に発行しなくてはならない旨の規定があります。どうしても応じてもらえないなら、源泉徴収票の不交付の届出書を勤務先の納税地等を所轄する税務署長に提出する、といった手続きも検討してみてください(画像参照)。
源泉徴収票不交付のフォーマット(出典:国税庁ホームページ)

「源泉徴収票不交付の届出書」のフォーマット(出典:国税庁ホームページ)

アルバイトやパートでしか収入がなく、月々の給料から所得税が差し引かれた月があって、源泉徴収票に記載されている支払金額の欄の金額が「103万円以下」の人であれば、確実に税金が全額戻ってきます。

税務署にどんな書類を持っていけばいい?

税金を取り戻せることがわかったら、税務署に足を運ぶのが一般的です。その場合、自分の住所地の管轄をしている税務署が所轄の税務署となります。不明な場合は、国税庁のホームページなどから所轄の国税局・税務署を調べてみてください。せっかく申告書を作成しても、所轄以外のところの場合、文書を受理されないことがあります。

【参考】確定申告書の提出先はどこ?

税務署に持っていくものはケースバイケースで異なり、自身が受けられる可能性のある所得控除に関係する書類となります。例えば以下のようなものです。

・源泉徴収票
・源泉徴収票に記載されている以外の国民健康保険や国民年金の支払いを証するもの
生命保険料控除の控除証明書
地震保険料控除の控除証明書
・扶養の対象となる親族や配偶者がいる場合の生年月日や所得を表す書類

なお、その場で申告書を記載して、文書収受手続きまで完了してしまう場合は、次のものも必要です。

・戻ってくる税金を振り込んでもらう銀行口座の口座番号などが分かる資料
・認印
・マイナンバーカード等納税者自身のマイナンバーを証するもの


税務署におもむくなら、「確定申告書の作成コーナー」に行って、迷わず係の人に「初めてなんですが確定申告書の書き方を教えてください」と言いましょう。このときに、持参した「源泉徴収票」を相手に見せながら言うと話が早いかもしれません。

また、最近では国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」も便利になっています。そちらで申告書を作成して、プリントアウトし、税務署に持参(あるいは郵送)するという手続きでもかまいません。税額も自動計算してくれますので、おおよその還付税額もわかりますし、記載要領が不明な箇所だけ税務署の職員に尋ねるという方法も有効でしょう。

確定申告書は5年間さかのぼって提出できる

税額が多めに天引きされていた給与所得者(サラリーマンをはじめ、パート・アルバイトも含む)は、そもそも税額が多めとなっているのですから、確定申告の提出義務者とはなりません。しかし、確定申告提出義務者でない人の場合、税額を還付してもらうための確定申告=還付申告の書類は、過去5年間さかのぼって提出できます。

これは、「年末調整の対象からはずれたアルバイトやパート従業員」だけが対象ではありません。「適用できるはずの医療費控除があった」「生命保険料控除の証明書が後日、発見された」というように、正しい税法の規定をあてはめ、再計算した場合に税額が還付されるのであれば、誰でも利用できる規定です。

「適用漏れがあった翌年から5年間、いつでも申告手続きができる」と覚えておきましょう。

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