鉄鋼株はなぜ上昇する?

自動車は鉄鋼の塊
自動車は鉄鋼の塊
新日鉄は連日高値を更新しております。

以前も日立建機や新日鉄の例を出しておりますが、ここにきて上昇に拍車がかかっています。

この前回お伝えした2006年9月7日の時価が日立建機が2725円、新日鉄が501円でした。5ヵ月後の2007年2月2日現在は日立建機が3320円、新日鉄が724円です。それぞれが22%の上昇と44%の上昇となっています。

特に新日鉄の上昇には驚かれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

株式投資の経験が長い方ほどこのような超大型株がどんどん高値を更新して行くことに信じられない気持ちでいらっしゃる方もおられると思います。この新日鉄が高値を更新中ですが、これは今後も続くのでしょうか?この背景は何なのでしょうか?

中国の鉄鋼株と新日鉄株

この素朴な疑問への理解を深めるには、中国の鉄鋼事情を知ることが一番です。中国ではアンガンニュースチール(347)という香港に上場されている中国を代表する鉄鋼株があります。

この株の業績推移と株価推移を下表で表しています。

アンガンニュースチールの5年間の業績推移(単位:千万元)
  2002年12月期 2003年12月期 2004年12月期 2005年12月期 2006年12月期(予)
売上高 10,746 14,482 23,227 26,488 50,000
純利益 598 1,433 1,797 2,117 6,220
一株利益 20 48 60 71 104
配当 10 20 30 36  
株価 1.12 4.2 3.95 4.175 12
 
売上はこの五年間で約5倍に、純利益にいたっては10倍、株価も10倍となりました。中国の自動車産業の成長と共に、自動車用鋼板などが業績を牽引しています。


一目瞭然ですが、業績はこの数年で大きく変化しました。売上は100億元から500億元へなんと5倍です。売上規模は7500億円規模です。このアンガンニュースチール(香港上場347)は中国の鉄鋼会社の代表格です。ちなみに、新日鉄は3兆円近い売上ですのでここ数年で伸びたとは言ってもまだまだ新日鉄の売上の1/4です。

そしてこの数年で純利益は10倍となった結果、この五年で株価も10倍になりました。それでも2005年12月期実績PERは16倍、2006年12月期予想PERは10倍程度になります。つまり株価は着実に業績が伸張するにつれて上昇して行っているので、まったく割高になって行かないのです。これが一頃の日本の新興市場のようにPERが何百倍にも買われてしまった株価上昇バブルとは異なるのです。

このように中国の鉄鋼企業の代表格が業績を大きく伸張した背景には中国において、自動車産業が急成長し、自動車生産大国となり、高品質の鋼板に対する需要が急増したことなどが背景にあります。

中国の自動車生産は90年代まではトラックやバス、タクシーといった商用車が中心でしたが、2000年に入ってから乗用車ブームに火がつき始め、大量の乗用車が生産されるようになってきているのです。2006年はドイツを抜き、米国・日本についで第三位の自動車生産大国となりました。日本の年間の乗用車生産台数900万台を抜くのも時間の問題と思われます。

この旺盛な自動車生産に必ず必要なのが、高品質の表面処理鋼板などの高品質鉄鋼です。上述のアンガンニュースチールの業績上伸の背景にはこのような事情があったのです。
では、一方で日本の鉄鋼株の代表である新日鉄はどうでしょう?