年金が調整されるしくみは少し複雑です…
公的年金は高齢になると支給される老齢年金のほかに、病気やケガで障害の状態になると支給される障害年金、死亡後に遺族に支給される遺族年金があります。日本の公的年金制度には「1人1年金」という原則があり、2つ以上種類の違う年金を受給できる場合でも1つを選択して受給することが原則となります。

ただし、年齢や続柄等によって2つ以上の年金が受給できる場合もあり、調整のしくみは複雑なところがあります。また、年金だけでなく健康保険や労災保険からも手当金等が支給される場合は、さらに支給調整が行われ、より複雑なものになります。今回は2つ以上の年金が調整されるしくみと健康保険や労災保険などほかの制度との調整のしくみを解説していきます。

<INDEX>
「1人1年金」の原則(1ページ)
調整の特例~「1人1年金」の例外(2ページ)
健康保険との調整(3ページ)
労災保険との調整(3ページ)

「1人1年金」の原則

「1人1年金」の原則は、昭和61年4月に現在の年金制度がスタートした時に設けられた制度です。65歳になるまでは、同時に2つ以上の年金を受給することができる場合、希望する年金を1つだけ選択して受給し、選択しなかった年金は支給停止となります。選択しなかった年金も、権利がなくなるのではなく一時的に支給停止されている状態なので、希望すれば後から選択換えをすることができます。また、どの年金を受給するのかは本人の希望で選択できます。
 

「1人1年金」の原則は、年金が支給される原因(「支給事由」といいます)が違う場合に1つを選択するというものなのです。国民年金(基礎年金)と厚生年金の両方を受給できる場合で、支給事由が同じ年金は同時に受給することができます。
 


2つの年金が受給できる特例は次ページで