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2009年、年金支給額はどうなる?(2ページ目)

2009年度の年金支給額はどうなるのか?今年度の年金額の計算方法を事例を使ってご案内します。毎年4月は、要チェックです。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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年金額の計算方法~老齢基礎年金

年金額を計算してみると…
ご案内したように、年金の支給額は平成20年度と同じ金額ですが、平成21年度から老齢基礎年金の計算方法が変わります。これは、平成21年度から基礎年金の国庫負担率が3分の1から2分の1へ引き上げられることによるものです。平成21年3月まで国庫負担の割合は3分の1だったので、保険料の免除を受けた期間の年金額への反映は以下のとおりでした。
 

国庫負担が2分の1へ引き上げられることにより、保険料の免除を受けた期間の年金額への反映は以下のように変わります。

このため、老齢基礎年金の年金額の計算で平成21年3月以前と平成21年4月以降に保険料の免除期間がある場合は、期間計算に用いる乗率が異なります。計算式と免除期間による乗率は以下のとおりです。
【免除割合と乗率】
免除割合 乗率
平成21年3月以前 平成21年4月以降
1/4免除 5/6 7/8
半額免除 4/6(2/3) 6/8(3/4)
3/4免除 3/6(1/2) 5/8
全額免除 2/6(1/3) 4/8(1/2)

では、事例を使って老齢基礎年金を計算してみましょう。年金の加入歴が以下のようになると仮定した場合、65歳から受給できる老齢磯年金の金額を平成21年度の支給水準で計算します。
 

平成21年3月までに全額免除を受けた期間が60月、半額免除を受けた期間が36月あります。年金額には
全額免除:60月×2/6=20月
半額免除:36月×4/6=24月
が反映します。さらに、平成21年4月以降、4分の1免除を受けた期間が72月、半額免除を受けた期間が24月あるので、それぞれ年金額に反映する期間は以下のようになります。
4分の1免除:72月×7/8=63月
半額免除:72月×6/8=54月
さらに、保険料を全額納付した期間が240月あるので、老齢基礎年金の支給額は以下のとおりです。
792,100円× 240月+20月+24月+63月+54月 =661,700円
480月
※100円未満四捨五入

以上のように、平成21年3月以前と4月以降に免除期間があると、年金額への反映割合が異なるので、年金額の計算が複雑になります。

年金額の計算方法~老齢厚生年金

老齢厚生年金の計算は、平成20年度と同じ計算方法です。60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金のうち、定額部分は以下のような計算式になります。
定額部分=1,676円×1.000※1×厚生年金加入月数※2×0.985

※1 昭和21年4月1日以前生まれは1.032~1.875に読み替える
※2 年金額の計算に算入できる加入月数には生年月日により上限有
生年月日 算入できる月数の上限
昭和4年4月1日以前 420月
昭和4年4月2日~昭和9年4月1日 432月
昭和9年4月2日~昭和19年4月1日 444月
昭和19年4月2日~昭和20年4月1日 456月
昭和20年4月2日~昭和21年4月1日 468月
昭和21年4月2日以後 480月

60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金のうち、報酬比例部分と65歳以降の老齢厚生年金は以下のような計算式になります。

※1 昭和21年4月1日以前生まれは7.610/1000~10/1000に読み替える
※2 昭和21年4月1日以前生まれは5.854/1000~7.692/1000に読み替える

一定の要件を満たす配偶者や子どもがいる場合に加算される加給年金や、定額部分と老齢基礎年金の差額相当を加算する経過的加算も平成20年度と同額です(加給年金・経過的加算の詳細は「年金の加算にはどんなものがあるの?」をご覧ください)。

最後は今年度から年金を受給する事例です(次ページへ)
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