学費・教育費/大学でかかるお金

下宿・寮・マンション…大学生の一人暮らし費用、平均いくら?

あこがれの大学生活、一人暮らしを始める人も多いでしょう。本人はもちろん親も気になるのがその費用。寮、下宿、学生会館、マンション、それぞれの場合で1カ月に一人暮らしの費用がどれくらいかかるかを見てみましょう。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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大学費用の中でも特にかさむ、一人暮らしのお金

教育費を考える上で一番大きなウエートをしめるのが、大学の費用です。しかしそれ以上に負担が大きいのが、子どもが大学の寮や、下宿、マンションなど……で一人暮らしする場合の費用です。
大学生 下宿 費用一人暮らし、大学 寮 費用一人暮らし

寮、下宿、学生会館、マンションなど、住居の形態によって大学生の一人暮らしに必要なお金は変わる。予算を決めてしっかり選びたい。

私立大学の費用は高額で、初年度納付金の平均金額は、入学金24万8813円、年間授業料が91万1716円、施設設備費18万194円で、合計134万723円(文部科学省『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果』)。家計にも大きな負担になりそうです。

東京などの都市圏に大学が集中しているため、自宅外からの通学となる学生が多いものです。親元を離れて一人暮らしとなるわけですが、どれくらいの費用が必要になるのでしょうか? 主に首都圏の大学での生活を想定してご紹介しましょう。
   

大学生の一人暮らし平均費用:入居費用54万6000円

自宅外通学生の受験から入学までの費用。 *初年度納付金は調査年度が違うため増減比較をしていない *初年度納付金は文部科学省「令和元年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)」による。 *初年度納付金のうち、授業料は年2回(前期と後期)に分けて大学に納付することになっている。 (出典:東京私大教連 2020年度「私立大学新入生の家計負担調査」)

自宅外通学生の受験から入学までの費用。 *初年度納付金は調査年度が違うため増減比較をしていない *初年度納付金は文部科学省「令和元年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)」による。 *初年度納付金のうち、授業料は年2回(前期と後期)に分けて大学に納付することになっている。 (出典:東京私大教連 2020年度「私立大学新入生の家計負担調査」)

まずは、自宅外通学生が新生活にあたってどれくらい費用が必要になるのかを見てみましょう。2021年4月に東京私大教連が発表した「私立大学新入生の家計負担調査(2020年度)」によると、部屋を借りるための敷金・礼金が22万5300円、生活用品費に32万700円かかっています。入居するだけで54万6000円必要ということに。さらに、毎月家賃がかかり、その平均は6万4200円です。
 
受験費用、生活用品費は前年より減っています。家賃、敷金・礼金は前年より上がっており、いずれにしても親の出費は重いものになっています。

自宅より遠方の大学へ進学となると気になる一人暮らしにかかるお金。とはいっても、学生の一人暮らしのスタイルは大学の寮からマンションまでさまざま。もちろん費用もかなり変わってきます。これらの事情を見ていきましょう。
 

大学寮の費用:部屋や設備によって月数千円から2万円程度、入寮の条件あり

大学生の一人暮らしを考える時、まず思い浮かべるのが大学の寮。では、大学寮に入るにはどれくらいの費用が必要なのでしょうか?
大学の寮費用

大学の寮の費用は、月5000円から1万円程度が多く、個室完備の場合は月1万円から2万円程度、朝夕の2食で600円から1000円程度のよう

大学の寮といえば、居室は2人部屋などの相部屋、トイレやお風呂なども共同で利用、築年数は古いものを想像しますが、最近ではこのような寮が減ってきています。これらの寮費は大学にもよりますが、だいたい月5000円から1万円程度のものが多いよう。また、個室完備の寮もあります。これらは月1万円から2万円程度です。

これらの寮には、食事つきがあるところも。食費もかなり安価で、だいたい、朝夕の2食で600円から1000円程度で済むようです。他にも、光熱費や雑費などが必要になる寮もありますが、1万円もかからないようです。いずれにしても、月数千円から3万円程度で暮らせるわけですから、安上がりですね。

とはいっても、誰でも入れるものではありません。通学事情や親の経済事情などで入寮が許可されないこともありますし、面接などの審査がある場合もありますのでご注意を。また、これらの寮も少なくなっていますので、まずは大学にそのような施設があるかどうか、あるとすると親の所得条件などを確認しておきましょう。
 

新しいタイプの大学寮は留学生との交流型が多く、費用5万~8万円

大学寮で最近増えているのは、留学生とのコミュニティが図れるというシェアハウス型のもの。設備も新しく、個室スペースと共用スペースがあるものが多くなっています。他にも、ワンルームマンション型の設備が整った寮も多くあります。

このような寮は設備も整い築年数も浅いものが多く、費用も高めになっています。だいたい個室で5万円から8万円程度。一般のマンションと費用も大差ないものもあります。ただ、セキュリティや他学生との交流などが魅力的。また入寮費や保証金なども必要になります。

また、これらの寮には食事がついているものも多くあります。だいたい、1日2食で月額1万5000円程度。一般よりは安価に食事ができるので安心です。
 

大学生の下宿費用:2食つきで月6万~7万円程度、大家さんがいて安心

下宿とは学生用の間借り部屋で、朝夕の食事がついているところです。お風呂やトイレなどは共同ですが、6畳程度の個室がありプライバシーは保たれます。また、大家さんが一緒に住んでいるところが多く、病気などのいざという時も安心です。

かかる費用は、食事代(朝夕2食)込みで6万円から7万円といったところ。1日の食費を1000円とすると、正味の家賃は3万円から4万円と考えられますね。一般のアパートやマンションよりは安いようです。また、入居時には敷金などで1カ月分程度の家賃(食費込みのもの)が必要です。

ただ、これらの下宿は新しい物件が少ないので、部屋を探すのが大変かもしれません。 最近では、学生会館やマンション、アパートなどの物件が多くなっています。
 

学生会館の費用:2食つきで月10万円は必要、立地のよさが人気

最近増えているのが学生会館。ベッドや机などが備え付けられた個室とお風呂やキッチンなどの共用スペースがある施設です。下宿と違って部屋数も多く規模が大きいため、共同生活の設備も整っているのが特徴です。また交通の便などもよく大学にも通いやすい立地のところが多くあります。

気になる費用ですが、入居時に保証金や敷金などと、入館料や礼金が必要となります。保証金が15万円から20万円入館料は契約年数にもよりますが15万円から30万円程度です。入居にあたって家具や家電製品を用意する必要がないので、まずはこれらの費用を用意しておけば生活が始められそうです。

月々の賃料は5万円から7万円程度。食費(2食)込みで7万円から9万円程度といったところです。管理代としても1万円程度は必要。また、電気代などは個別で支払う必要がありますので、他にも月1万円程度は必要だと考えておいたほうが無難でしょう。食費込みで総額、月10万円は必要となるようです。

大学の寮とは違って、違う大学の学生と共同生活ができる学生会館。管理人が常駐し、食事つきなので親にとっては安心できます。特に女子学生は防犯面からも人気が高いようです。
 

賃貸マンション・アパート:家賃だけで4万~10万円超、プライバシー重視派に人気

最後に賃貸マンション・アパートをご紹介しましょう。一般のワンルームマンションやアパートですので、物件も豊富にあり、すぐにでも部屋を決めることができます。

また、学生専用のマンションもあります。セキュリティなどは重視されており、管理人が常駐するマンションなどもあります。

必要となるお金は、一般の賃貸住宅と同じとみていいでしょう。契約時には敷金・礼金として家賃2カ月分程度が必要。家賃は4万円から10万円程度とさまざまです。また、共益費として1万円程度が必要になるところもあるのでチェックしておきましょう。

最寄り駅や大学からの距離、築年数、設備(オートロックありなし、バス・トイレ別など)、広さなどで家賃は大きく変わります。何を重視するかを決めておくことが大切です。

門限などもなく一人暮らしを満喫できますが、マンションなどでは家賃だけで10万円を超えるようなところも。となると、費用負担は大きいものになります。もちろん食費は別に必要となりますので、学生会館や寮と比べると負担は高くなるでしょう。

また、家電製品や家具なども準備しないといけません。暮らし始めるまでにはかなりの費用負担になることを覚悟しておきましょう。


いかがでしたか? 大学生になると誰もがあこがれる一人暮らし。学費以外にかかるこれらのお金はできるだけ抑えたいものですね。食事つきかなしか、個室はどの程度の広さが必要か、相部屋はOKか、共同生活に馴染めるか、といった観点で選ぶとよいでしょう。

親の視点に立つなら、先に仕送り額を決めて、どのような生活ができるかを子ども自身に考えさせてもいいですね。その結果を踏まえて志望校が変わるかもしれません。合格後にどうするかを考えるのではなく、志望校選びの前に親子で話し合ってみるのをおすすめします。

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