打合せ
物納不適格財産とは?
2006年度税制改正が昨年12月15日に発表されました(2006年3月国会成立予定)。今回は、その税制改正の中から、相続税の物納制度の改正(2006年4月以降の相続が対象)を取り上げてみたいと思います。今回の改正は、物納不適格財産と物納手続きについて、迅速な売却を念頭に対応を細かく明確化・法律化したことがポイントです。一方、納税者にとっては、迅速に物納の手続きを進めなければならなくなりました。手続きが遅いと利子税の負担と物納申請が却下されるリスクがあります。

物納不適格財産と物納劣後財産が明確に

物納不適格財産に該当しなければ、物納が可能になりました。ただし、物納劣後財産に該当する財産は、他に物納適格財産がない場合に限り、物納が可能。
■ 物納不適格財産(物納できない財産)の具体例
● 国が完全な所有権を取得できない財産 ⇒ 抵当権付の不動産、所有権の帰属が係争中の財産など        
● 境界が特定できない財産、借地契約の効力が及ぶ範囲が特定できない財産等 ⇒ 境界線が明確でない土地(但し山林は原則として測量不要)、借地権の及ぶ範囲が不明確な貸地など
● 通常、他の財産と一体で管理処分される財産で、単独で処分することが不適当なもの ⇒ 共有財産、稼動工場の一部など
● 物納財産に債務が付随することにより負担が国に移転することとなる財産 ⇒ 敷金等の債務を国が負担しなければならなくなる貸地、貸家等
● 争訟事件となる可能性が高い財産 ⇒ 越境している建物、契約内容が貸主に著しく不利な貸地など
● 法令等により譲渡にあたり特定の手続きが求められる財産で、その手続きが行われないもの ⇒ 証券取引法上の所要の手続きが取られていない株式、定款に譲渡制限がある株式(ただし、譲渡制限をはずしてしまえば物納可能)など
改正前の取引相場のない株式の物納要件の明確化1
改正前の取引相場のない株式の物納要件の明確化2

■ 物納劣後財産(他に物納適格財産がない場合に限り物納が認められる財産)の具体例
● 法令の規定に違反して建築した建物及び敷地
● 地上権、永小作権その他用益権の設定されている土地 
● 接道条件を充足していない土地(いわゆる無道路地)
● 都市計画法に基づく開発許可が得られない道路条件の土地
● 法令、条例の規定により、物納申請地の大部分に建築制限が課される土地
● 維持又は管理に特殊技能を要する劇場、工場、浴場その他大建築物及びその敷地
● 土地区画整理事業の施行地内にある土地で、仮換地が指定されていないもの・生産緑地の指定を受けている農地及び農業振興地域内の農地
● 市街化調整区域内の土地等、市街化区域外の山林及び入り会い(一定地域の住民が共用で使用収益)慣習のある土地 
● 相続人が居住又は事業の用に供している家屋及び土地、忌み地
● 休眠会社の株式

■ 物納の再申請 
上記の財産に係る物納申請が却下された場合には、申請者は、一度に限り物納の再申請(却下の日から20日以内)をすることが出来ることになりました。