大学生がいるご家庭では、教育費負担にあえいでいる世帯も少なくありません。大学生を抱える世帯の年収はどれくらいでしょうか? 2020年度から実施予定の高等教育無償化を前に、考えてみましょう。
進学

親の年収に関わりなく希望の進学ができるってすごいことです

 

大学生を持つ家庭の年収830万円

日本学生支援機構の「平成28年度学生生活調査」で、大学生(4年制大学、昼間部)のいる家庭の平均年収がどれくらいかを見てみましょう。

まず、全体の平均額は830万円となっており、平成26年の前回調査よりもややアップしています。

<大学生を持つ家庭の平均年収>(カッコの数字は平成26年比)
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平均・・・830万円(+6万円)
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(日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」より)

 

親の年収、国立大が初めて私立を上回る!?

大学を国立、公立、私立に分けて見たときの、家庭の世帯年収の平均は下表の通りです。

2年前の調査と比べると、国立大生のいる世帯年収が2万円アップして841万円、私大生のいる世帯年収834万円を上回っています。家庭の世帯年収に関して、私立を国立が上回ったのは2年前の調査からです。

公立大学の世帯年収は730万円と最も低く、2年前より少し下がっています。

<大学生を持つ家庭の平均年収>(カッコの数字は平成26年比)
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国立・・・841万円(+2万円)
公立・・・730万円(-3万円)
私立・・・834万円(+8万円)

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(日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」より)


本来、年収が低くても公平に入れるはずの国立大学に、年収が高い層の子供たちが多く通い、しかも、安い学費で大学に通っていることになります。

現実には、国立大学に入るには、塾や予備校に通ったり、あるいは有名私立中高一貫校への進学など、高校時代までにかける経済力がものを言います。つまり、経済力がある家庭ほど国立大学に進む傾向が高まります。

ひっくり返せば、年収が低くても私立大学に通わざるを得ない世帯も多く、低所得世帯にとって学費の負担はより重くなります。
 

学生の男女別では?

大学生を男女別で見たときの平均も見てみましょう。

<大学生を持つ家庭の平均年収>
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(学生が男性の場合)
国立・・・832万円
公立・・・716万円
私立・・・849万円

(学生が女性の場合)
国立・・・854万円
公立・・・738万円
私立・・・820万円

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(日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」より)


これまでは国立も公立も私立も、男性の方が世帯年収が低い傾向が見られました。「息子」の場合には無理をしてでも大学に通わせようという親が多いということなのでしょう。ただし、平成28年度のデータでは私立では男性の方が高くなっています。
 

年収別学生数の割合は?

家庭の年収別学生数の割合も見てみましょう。前項同様「平成28年度学生生活調査」のデータです。

<家庭の年収別学生数の割合(大学・昼間部)>
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年収(万円) 国立(%) 公立(%) 私立(%)

200未満      5.5      6.9     5.4
200~     4.6    5.2         5.2
300~     6.0    8.0     7.1
400~       6.9        9.4         8.1
500~         8.7        10.6       9.8
600~       9.6    11.7        10.8
700~      10.1   11.4    10.9
800~      11.0       9.7     9.7
900~       8.4      6.8     7.3
1,000~    9.1      7.3     8.4

1,100~    4.0      3.2     3.5
1,200~    3.9    2.5     3.2
1,300~      2.4    1.8     2.0
1,400~    1.7      1.1     1.4
1,500以上   8.1    4.4       7.2
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(日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」より)

 

年収400万円以上1,100万円未満の層が中心

上の表から読み取れることとしてはまず、大学生を抱える親の年収としては400万円以上1100万円未満の層が多いという点です。

受験のための塾や予備校費、あるいは私立中高一貫校に通わせたり、そうでなくても、下宿生の場合は学費以外の仕送りも必要なことを考えてもやはりある程度の収入が必要といえます。
 

年収が低くても大学生は送り出せる

一方で、年収400万円未満のご家庭の割合が極端に少ないわけではありません。年収が200万円未満であっても大学生を送り出しています。給付型奨学金ができてからは低所得層の一部で利用できるようになっているほか、今は低所得層は第一種奨学金も借りやすくなっています。
そうでなくても、奨学金や教育ローンを借りたり、本人がアルバイトをして補っているのかもしれません。

2020年度からは高等教育無償化がスタートする予定です。また、低所得向けの国の給付型奨学金も拡大される方向で検討されています。これからの時代、親の年収が低いからと進学をあきらめることはなくなりそうです。もちろん、本気で勉強する気持ちと適性も必要だと思いますが。

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