東京地区私大学教職員組合連合の「家計負担調査」(2017年5~7月、対象:首都圏16大学・短大の新入生、回答:4554人)によると、教育費負担は親にとってはまだまだ厳しい内容ということがわかります。
 

 
親にとっては大きい教育費の支出

親にとっては大きい教育費の支出

 

自外通学者、受験から入学まで216万円かかる!

受験から入学までにかかる費用は、自宅通学者は154万6,416円、自宅外通学者は216万816円。自宅外通学者で、前年度と比べると、「家賃」が400円減少、「敷金・礼金」が9,800円増加、「生活用品費」が15,800円増加しました。自宅通学者では「受験費用」が5,400円増加しました。

特に、大学の初年度納付金が、受験から入学までの費用のうち、自宅通学で85.2%、自宅外通学では60.9%を占めます。
 

自宅外通学者の入学年費用は297万円かかる!

自宅外通学者の入学年にかかる費用は296万6,516円で、前年度と比べ3万3,900円増加しました。仕送り額(4月~12月)は80万5,700円で、前年度より4,400円の増加でした。
 

自宅外通学世帯の入学年の費用が親の年収の1/3

一方で、自宅外通学世帯の入学年にかかる費用が親の年収に占める割合は32.9%。私大生を送り出す世帯の平均年収は、2002年度以降1,000万円を割り込み、2017年度も前年比0.3%増の912万2,000円。自宅外通学者を送り出す親の負担の重さを示しています。 
 

仕送り額は過去2番目に低水準

自宅外通学の子への仕送り額は、費用がかさむ5月で10万1,500円、出費が落ち着く6月で8万6,100円。6月時点の仕送り額は過去2番目に低い水準となっています。どうやら、親の負担も限界に来ている様子が伺えます。

家賃は6万1,600円で微減し、しかも、仕送り額に占める割合は7割超!学生も生活がラクではないことが伺えます。仕送り額から家賃を引いた生活費は2万4,500円で過去2番目に低い水準。自宅外通学者の平均生活費は1日817円ということに……。最も高かった1990年度では1日の生活費は2,460円。3分の1を下回っています。
 

5~6人に1人が入学費用を借金で調達!?

入学費用を借入れでまかなった世帯は、自宅通学で6人に1人、自宅外通学では5人に1人。自宅通学者の借入額の平均は167万6,000円で、自宅外通学世帯は233万9,000円。自宅外通学者の借入額は前年度から22万円増加しており、自宅外通学は自宅通学より66万3,000も多く借入れていることになります。
 

奨学金を希望する世帯が6割

日本学生支援機構を含む奨学金の希望者は全体の6割でした。実際に申請した割合も、奨学金希望者の6割弱を占めます。自宅通学でも5割以上、自宅外通学者では7割弱となっています。

また、奨学金を希望したものの申請しなかった理由のうち、「返済義務がある」が27.7%で過去2番目に高い水準となりました。返済への不安も高まっているようです。
 

教育資金の準備をしっかりと

私自身も実感しましたが、世帯年収が伸び悩む中、私大生、特に自宅外学生を送り出す世帯では、学費は大きな負担であることがわかります。2017年度から低所得向けの給付型奨学金が始まり、2020年度からは消費税を財源として高等教育無償化も始まる予定ですが、住民税非課税世帯や低所得世帯が対象で、中間層以上の負担はほとんど変わりません(無利子で借りられる第一種奨学金の条件は緩和しましたが)。

高等教育の給付型奨学金の拡大など、政府の対策を待つ一方で、子供を大学まで行かせようと思う家庭では、教育資金の準備はやはりしっかり行っておく必要がありますね。一定以上の所得があっても、油断せずに準備しておくことが大事です。

参照:私立大学の家計負担調査

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