学費・教育費/中学校でかかるお金

私立中学に進ませたいけどお金がない!どうする?

「私立中学に進ませたいがお金がない!」という相談を受けることがあります。子供を中学から私立に入れてもわが家はやっていけるのかどうか?その判断はどうしたらいい?

豊田 眞弓

執筆者:豊田 眞弓

教育費 ・ 奨学金ガイド

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私立中高一貫に進みたいと長男に言われているが……

「私立中学に進ませたいがお金が十分でない」という相談を受けることがあります。子供を私立に入れてもわが家はやっていけるのでしょうか? その判断はどうしたらいいのでしょうか。
 

お金の悩みを抱えるAさんの悩み

どうする?私立中学進学

           どうする?私立中学進学

Aさん夫婦は、私立中高一貫に進みたいと長男に言われて、経済面での問題に頭を抱えています。

<Aさん一家のプロフィール>
Aさん:会社員35歳(年収650万円)
妻:専業主婦
子供:長男小6、次男小4
住まい:持家(2015年に購入)
現在の貯蓄:300万円(200万円は教育資金)
年間の貯蓄可能額:70万円(できれば住宅ローン繰上返済したい)
 

年収が600万円あれば私立の中高一貫校に行かせられる?

Aさんは、家も買ったばかりで、手元の資金はあまりなく、受験の準備をする塾に通っているため、塾代もかかり、年間の貯蓄は70万円程度しかできそうにありません。

子供の成績が伸び、親からは「公立にしよう」と言い出せずに今に至ってしまいました。年収が600万円あれば中高一貫校に行かせられる、などという雑誌の記事も目に入り、なんとか大丈夫なのかなと、悩んでいます。
 

私立の教育費は「大学卒業までの10年間」で考える

大まかな捉え方として、私立の期間は年間100万~150万円かかるものと考えましょう。私立中高一貫校に入学するということは、中・高・大と10年間、その費用が発生し続ける可能性があるということです。これが、子供の人数分、かかるのです。

Aさんの場合には、多い時で年間200万~300万円の教育費負担に耐えなければならないことになります。これが可能かどうか。そこから考えてみてください。
 

教育費負担は可能?

年間200万~300万円の教育費負担が可能かどうかを測るために、次のように考えてみましょう。まずは、現在、わが家の教育に充てられる上限額を知るのです。

<A家の場合>
わが家の教育に充てられる上限額


長男の塾代     年間約100万円
次男の塾代     年間約30万円
現在の貯蓄可能額  年間約70万円
―――――――――――――――――――
合計     200万円

Aさんの家で、現在教育に回せる最大のお金が200万円と見ることができます。数字を見れば、学費があまり高くない学校を選ぶなどすれば可能な範囲と考えられます。でも、繰上返済はもちろんしばらくお休みでいいのですが、車の買替費用も、大きめのレジャー費用も、購入10年目の家のお手入れ費用などの準備にも手が回らないほどギリギリの状態となります。
ですので、妻の働き方を変えてみてはいかがでしょう。
 

妻の働き方を考える

A家では奥様が専業主婦ですので、健康状態や親の介護といった事情がなければ、働くことも考えられるでしょう。それによって、上限額を増やすことも可能です。

たとえばパートで年間90万円の収入を増やした場合はこうなります。

<A家の場合>
わが家の教育に充てられる上限額


長男の塾代     年間約100万円
次男の塾代     年間約30万円
現在の貯蓄可能額  年間約70万円
妻の収入      年間約90万円
―――――――――――――――――――
合計   290万円

足りない時は、教育資金用貯蓄の200万円を取り崩していけば、どうにかなる範囲と考えられそうです。

派遣社員や正社員になるなどで200万円くらいの手取り収入を増やした場合には、さらにゆとりができます。社会保険料が引かれたり、夫の側の扶養控除がなくなる影響も出ますが、実質的な収入は増えます。

<A家の場合>
わが家の教育に充てられる上限額


長男の塾代     年間約100万円
次男の塾代     年間約30万円
現在の貯蓄可能額  年間約70万円
妻の収入(手取り)  年間約180万円
夫の手取り減    年間▲約5万円
―――――――――――――――――――
  合計      375万円

これくらいのゆとりができれば、車の買替費用も、大きめのレジャー費用も、購入10年目の家のリフォーム費用などの準備にもお金を回すことができますね。
 

ガイド豊田のつぶやき

受験を決める前には、学校見学をして学校の雰囲気を肌で感じ、教育方針なども聞いて、子供に合っているかどうか、よく確認することも大事です。「みんなが行くから」「成績がいいから」ではなく、本当にその学校でないといけないのかを判断しましょう。

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