「親からの援助金で自己資金を増す」というテーマでこれまで4回に分けて、贈与税相続時精算課税制度相続税などについて解説してきましたが、今回は事例を踏まえながら総まとめをします。

資金計画の検討

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親からの贈与による援助金で住宅ローンの返済負担がとても楽になります!
下記のようなケースを考えてみましょう。

購入物件価格が4,000万円で、修繕積立金基金や住宅ローンの保証料などの必要最小限の諸費用が200万円です。預貯金のうち住宅購入に使える自己資金は夫名義の預金500万円です。

この場合、自己資金のうち200万円を諸費用の支払い、300万円を頭金とするので、住宅ローンを3,700万円借りる必要があります。この住宅ローンを35年返済、ボーナス返済なしの元利均等返済、金利を全期間固定金利3.2%で借りるとします。

そうすると、毎月の返済額は14.7万円となり、毎月の管理費や修繕積立金などの支出や将来の子供の教育費を考えると返済していけるかどうか不安あります。

ここで、親からの援助金が仮に700万円あったらどうでしょうか?

住宅ローンの借入金は3,000万円となります。そうすると、毎月の返済額は11.9万円となり、援助金がない場合とくらべると毎月2.8万円、年間で33.6万円負担を軽減できます。


銀行に支払う利息の合計額もくらべてみましょう。

借入金が3,700万円の場合は35年間で2,452万円、借入金が3,000万円の場合は1,988万円となり、親からの援助金が700万円あると合計約464万円の利息を払わなくて済むことになります。

相続時精算課税制度の活用

親からの援助金により、住宅ローンの借入を3,700万円から3,000万円に減らすことで返済負担を減らせるため、夫の父親から350万円、妻の父親から200万円、妻の母親から150万円の贈与によって援助金を受けることになりました。

いずれも贈与税の基礎控除額110万円を超えるので、相続時精算課税制度を活用することになります。今年(2007年)12月末までの贈与であれば、住宅取得時の相続時精算課税制度の特例があるので親の年齢は関係ありません。

ただし、この特例が来年以降も延長されないと、贈与をする親の年齢を必ず確認する必要があります。翌年(2008年)1月1日時点の夫の父親の年齢が66歳、妻の父親の年齢が64歳、妻の母親の年齢が62歳の場合、特約がなくても65歳以上である夫の父親からの贈与は相続時精算課税制度を活用できますが、妻の父親と母親からの贈与は活用できません。

また、住宅取得時の相続時精算課税制度の特例を活用するためには、翌年(2008年)3月15日まで贈与を受けた金額を支払いに充てて、購入するマンションに入居するか、その時点で入居の見込みがある必要があります。

今回購入する物件の残金決済と引渡しは来年の3月末になる予定なので、費用の支払い完了は翌年(2008年)3月15日以降になる可能性があります。よって、妻の父と母からの贈与は今年(2007年)中に完了して支払いを済ましておく必要があります。

そこで、妻の父と母から妻への贈与はすぐに行い、その分をマンションの売買契約時の手付金に使うことにしました。一方、夫の父親から夫への贈与は来年残金決済時に贈与することにしました。

引き続き事例を踏まえながら、次のページでも大切なポイントについて解説していきます。