温泉/温泉を楽しもう

今年の温泉ベスト10 <2008年 対談前編>(6ページ目)

今年の温泉ベスト10!日本を代表する温泉研究家、郡司勇(温泉レポート)と、藤田聡(日本の名湯)両ガイドによる、年末恒例の特別対談!互いの温泉観も含め、今年も奥深い対談となりました。温泉好き必見です!

藤田 聡

執筆者:藤田 聡

温泉ガイド

温泉ベスト10 藤田分三位 妙見温泉 妙見石原荘

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妙見温泉 妙見石原荘
妙見石原荘は「お湯まで高級」と感じる稀有な高級温泉旅館。


<藤田> 第三位は妙見温泉 妙見石原荘です。ここは高級旅館ですが、日帰り入浴も受付けており、有り難い限りです。私は鹿児島に行くと、妙見温泉に行ってしまいますし、妙見温泉に行くと、妙見石原荘に来てしまいます。その理由はお湯の良さです。

高級旅館といっても、普通は部屋や料理が高級なのであって、温泉は大差無いことが殆どだと思います。強いて言えば、風呂場の建築や設備は豪華かもしれませんが、高級旅館だからといって、「お湯まで高級」と感じることは滅多にありません。むしろ、お湯が高級と感じるのは秘湯や湯治場である場合が多く、それ故に秘湯や湯治場の人気は根強いのだと思っています。

しかし、妙見石原荘は例外で「お湯まで高級」と感じる日本でも数少ない高級旅館の一軒なのです。各浴場に専用の源泉があり、全て自噴源泉です。さらに熱交換によって非加水で適温にするシステムの効果が絶大なのだと私は思っています。第五位の山里の湯でも述べたように、高温の温泉では炭酸の気が抜けてしまうので、濃厚な炭酸を感じる湯は体温程度という先入観が一般的にありますが、そうした先入観を見事に裏切る素晴らしい湯です。

比較的大人しい内湯でも、炭酸のせいか猛烈に温まって驚きますが、やはり真骨頂は露天にあります。炭酸が濃厚なので虫が多いらしく、10月なのに蚊取線香がいくつも置いてある露天風呂は、湯口に無理に近付くと、あまりの炭酸濃度に身の危険を感じる程でした。もちろん安全の為に、無理に近付けない構造になっていますし、普通に浸かっていても尋常ではない湯の良さが痛い程良く分かります。男性露天風呂の様子しか知りませんが、渓流沿いの絵になる景観で、CMのポスターで見たこともある、この絶景露天風呂の景観も私のお気に入りです。垂玉温泉山口旅館と同様に温泉に深く感銘を受け、日帰り入浴可能時間の大半をここで過ごしてしまいましたが、こんなに気に入っている以上、いずれ宿泊で来なければと自分に言い聞かせました。

<郡司> 温度がありながら炭酸分を感じる新鮮な湯は素晴らしいですね。内湯、露天風呂ともに良い造りで良い宿です。


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