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秘書検定に合格するとどんな利点があるのでしょうか? 秘書検定に合格すると

規模の大小を問わず、どんな企業にも必ず何人かは居る秘書。その能力を認定する試験である「秘書検定」の実態に迫ります。

執筆者:山下 智之

秘書検定に合格すると?!


 規模の大小を問わず、どの企業にも必ず何名かは居るのが秘書です。その秘書業にも検定試験があります。女性に人気がある資格の一つですが、さて、これに合格するとどんな利点があるのでしょうか?


【秘書検定とは?】
 秘書検定は、その名の通り、一般企業や大学の教授などの秘書としての能力を認定する検定試験のように見えますが、実際の問題を見ると、秘書業務に関する問題だけでなく、社会人としての一般常識、電話対応などのマナー・接遇・会議の準備や文書作成などの技能などの問題も多数出題されます。
 受験する人も、実際に秘書を目指す人だけでなく、学生や一般事務職のOLの方も沢山居ます。秘書の能力だけでなく、社会に出て働くにあたって身につけるべき知識やビジネスの技能を持っていることを証明するための一つの手段とも言えるでしょう。

【秘書検定の級と試験内容】
 秘書検定には4つの級があり、準1級と1級には筆記試験合格者を対象とした面接試験があります。

要求されるレベル 試験内容 合格率
1級 秘書の業務を十分に理解し、専門的な秘書業務において高度な知識・技能を発揮できる 筆記と面接で準合格 29%
準1級 秘書の業務を理解し、専門的な秘書業務において知識・技能を発揮できる 筆記と面接 22%
2級 秘書の業務を理解し、一般的な秘書業務において知識・技能を持っている 筆記のみ 49%
3級 秘書の業務を理解し、初歩的な秘書業務において知識・技能を持っている 筆記のみ 67%

 注)合格率は平成13年実績

 1級については、筆記試験と面接に合格しただけでは取得出来ません。さらに英検で2級以上を取得していることと、ペン字、珠算などの選択科目の中からどれか1つを取得していることが条件になります。他の級は可能なのですが、1級だけは併願も出来ません。厳しいですね。

【実際の問題は?】
 例として2級の問題構成を取り上げてみます。大きくわけて、秘書の資質、職務知識、一般知識、マナー・接遇、技能の5つの分かれています。
秘書の資質
 感じの良い印象を与えること、上司との関係を良好に保てること、秘密を守れることなどが問われます
業務知識
 内外の人間関係を適切に保てること、職務において自分の権限を適切に守れることなどが問われます
一般知識
 企業・会社の目的・組織など、経営管理、財務会計、税法、マーケティングなどについて基礎的な知識が問われます。
マナー・接遇
 適切に敬語を使えること、来客対応、電話対応、慶弔における秘書業務などについての知識・技能が問われます。
技能
 会議の種類・形式、ビジネス文書(社内・外)、グラフ作成、日程管理、計画策定、ファイリング、出張管理、事務用品の購買など幅広い技能の能力・知識が問われます。

 私も問題集を解いてみたのですが、筆記試験の問題は一般常識として回答できるものも多いのですが、ファイリングの知識などは手法についての知識が必要です。慶弔事については意外と知らないことも多く、しっかり勉強しておくべきでしょう。業務知識においては対人関係など、自分の仕事に対する姿勢が問われるため、普段から業務に対する考え方をしっかり持っておく必要があります。

【秘書検定を取得した場合のメリット】
 私は実際に秘書検定2級を取得した人を知っていますが、彼女の場合、ある企業で立派に役員秘書をこなしています。実際にはその企業には秘書として入社したわけではなく、庶務業務を行うつもりだったそうですが、彼女の資質を見ぬいた役員が秘書として抜擢してくれたそうです。秘書だけでは時間が余るので、役員が担当する部の事務用品購入などの業務も進んでこなし、周囲からは大変感謝されているとの事。
 こういった能力を身につけていることが秘書検定最大のメリットかも知れません。つまり、企業はこの資格を持っていなければ秘書として認めないというのではなく、秘書として要求される業務(大半は一般事務職としての業務)をこなす能力を評価するのです。

【秘書検定の主催団体】
 (財)実務技能検定協会です。リンクはここからご参照下さい。

【秘書検定のお勉強サイト】
 まだ少ないのですが、勉強サークル的なサイトもあります。こちらをご参照下さい。
 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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