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クレーコート対策練習メニュー

全仏を制したコスタは過去12勝全てがクレイコートです。今回はクレイの特徴やサーフェスによるプレイスタイルの比較、クレイで勝つための練習メニューなどを図解入りでご紹介いたします。

執筆者:吉原 浩通

文章 : 吉原浩通(All About「テニス」旧ガイド)

 

 

  

今年の全仏を制したアルベルト・コスタ(スペイン)が過去12勝すべてがクレイコートであり、サービス&ボレーで4大大会13勝を誇る、あのサンプラスが全仏タイトルだけは取れないことからもわかるように、クレイコートで勝つためには速いサービスやボレーよりも安定したストロークやボレー、フットワークが必要である。

そして、それは練習しない限り絶対に身につかないものなのである。

今回はクレイコートの特徴や各種サーフェスによるプレイスタイルの比較やクレイコートで勝つための練習メニューなどをご紹介いたします。

 
  
   
 ■クレイコートの特徴 
   
 

クレイコートは土の層をてんあつき(ローラー)で固め、表面に川砂を薄く撒いてあるコートのことで、維持管理に大変手間のかかるコートとして知られています。

ライン1つにしても塗りではなく、ラインテープに釘を数千本も打ち付けているという手間隙がかかっています。
又、プレーヤーによって表面が傷つけられることは日常であり、早朝からのローラーがけの仕事が待っています。

特に雨が降った翌日などは雨により表面に凹凸が生じたり土が流されたり、することがあり、その補修には土を新たに盛り、平らにキープしなければなりません。

平らキープには表面を固めることが必要となり冬場等には塩化カリシュウムを全体に撒いたり、又、夏場には炎天で表面のひび割れを防止するための水撒きも手抜きが許されません。それだけに価値のあるコートと言えるでしょう。

 
   
 ■コートサーフェスの比較 
   
 
クレイ
オムニ
人工芝
ハード
ボールの速さ
遅い
遅め
速め
速い
弾み方
スピン系
弾みが弱い
やや弾む
弾む
高く弾む
スライス系
止まる
やや伸びる
伸びる
伸びて滑る
フラット系
弱い
やや伸びる
食い込む
強く食い込む
フットワークと守備範囲コート表面が滑るため角度のあるボールにも追いつき易く、守備範囲がとても広い表面は滑らないが、球足が遅いので守備範囲は広いインドア等に用いられ表面が若干硬めに加工されいることから、球足が速めなので若干追いつきにくく、守備範囲はせまい全天候型コートで表面は固めのゴム製であることから、球足は大変速くその分素早いフットワークが要求される。よって守備範囲はとても狭い
足への負担
軽い
普通
若干の負担
負担がかかる
プレイスタイル
グランドストローク中心
グランドストローク中心
オールラウンドテニス
ネットプレー中心パワーテニス
 
   
 ■クレイコートでプレイする時のポイント 
   
 

土のサーフェスであることから
ハードコートと比べ大変軟らかく吸収力がある。
それ故、威力のあるフラットドライブ系や弾むスピン、滑るスライスの各ショットのパワーや回転を吸収させてしまう力を持っている。
よってサービス&ネットの攻撃型の選手とゆっくりペース、ラリー堅実型の選手とクレイコートで対戦すると堅実型選手の方が有利である。

ラリーにおいては
互いにミスの誘い合いや甘いボールに対しての攻撃やネットを安全に確保する必要がある。
コート表面には砂が撒いてあることから、普段の角度のあるグッドショットも最後の滑りによりキャッチの可能性もあり長いラリー戦となる。
(守備範囲も広がり、脚力強化も必要)

ボレーでは
ネット確保の為のお膳立てのアプローチショットの攻撃性が弱まることとボレーでの決める為のお膳立てファーストボレーの威力も同様に弱まることを想定するとボレーに出ることが危険であるかも知れません。
しかし、ダブルスでは2人で守り、2人で攻撃することができるのでネットプレーは有効となります。
但し、サービスに対してのパートナーのポーチが難しく、又、ファーストボレーも甘ければ当然攻撃されてしまいます。
ボレーに出る=早く決める、角度をつけることが大切なポイントになります。

コート表面が滑ることで
出会い頭のロブやバウンドが低いことを利用したドロップショット等も取り入れることでポイントにつなげることが出来易い。

 
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