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真夏の両国3連戦、プロレスで話そう(2)

8月15日にIGFが、16、17日には新日本プロレスが、それぞれ両国国技館でビッグマッチを行った。“プロレスで話そう”続編は、G1クライマックス・ラスト2Daysについて。

執筆者:川頭 広卓

新日本プロレスG1両国大会で話そう

照明部にビジョンが設置された新日G1両国2Days。16日は集客こそ苦戦していたが、その熱気はさすが (C)kawazu
8月15日にはIGFが、16、17日には新日本プロレスが、それぞれ両国国技館を舞台にビッグマッチを開催した。“真夏の両国3連戦、プロレスで話そう”続編は、3連戦の後半2Days=プロレス界の年間最大イベントと言っても過言ではないG1クライマックスについて。

G1の話しをすると、前日には同所でIGFが行われたため、何かと比べがちにはなってしまうのだが、それは致し方のないこと。むしろ、こうした比較競合のある方が伝えやすかったりもする。

16日。G1準決勝戦・・・ではなく、G1 6日目。いきなり余談だが、両国2Daysの初日を、G1 6日目と呼ぶのは、なんか普通過ぎやしないだろうか?個人的には、こうしたリーグ戦やトーナメントの類で、最も見応えあるシチュエーションは、準決勝だと思っている。今回のG1では、最終日までリーグ戦があり、大会後は、“このスタイルが概ね好評”という総括も出ていたようだが、果たしてそれは本当だろうか?
実際、最終日に比べて、どうしても両国初日の集客が弱くなっている昨今、興行的にも“準決勝”という冠が必要な気もするのだが、ここは是非ともファンにアンケートなり、リサーチをしてほしいところだ。

話がそれた。G1 6日目は、前日にIGF総括座談会を行ったメンバーのうち、2人が来れなかったため、上場企業の部長という側面を持つライターのK氏と観戦しながら、リアルタイムで所感を交わし続けた。

さて、前日のIGFでは、会場の4分1を潰し、入場ゲートを設置していた分、密集度は高いと感じさせられたのだが、根本的な会場熱は、コチラの方が断然上。今や昔の新日本プロレスではなく、後楽園ホールを軸に、0からファンを開拓、毎回超満員の観客を集めては、内容で勝負をし、リピーターを作り続けた成果が如実に現れていた。

入場ゲートはないものの、G1では、リングを照らす照明部にビジョンを設置。恐らく両国で初の試みだと思われるが、ビッグマッチに相応しい雰囲気を作り、試合中もずっと選手の名前が表示されていたため、一緒に観戦していたK氏も「ファンがちゃんと名前を覚えて帰りますね」と絶賛していた。

確かにそうだ。IGFとの相違を挙げるなら、まず第一に、ファンが持つ選手一人一人の認知度が圧倒的に違う。オープニングマッチ(G1のリーグ戦をオープニングマッチと呼ぶことに違和感はあったが)で、中西と対峙した井上亘に送られる声援やコールは、少なくとも前日の同所で起こることはない熱さ。「後楽園ホールを支えているファンが来ていますよ」、K氏も興奮気味に声を挙げた。

興行が進むにつれ、我々も饒舌になってくる。とりわけ、第5試合で行われたJrタッグは、かつて夢中になったジュニア黄金時代を思い出すような内容で、「AKIRAの動きが抜群にいい」、「三銃士世代では一番でしょう」、「でも、ムササビはやり過ぎでは?」、「ちょっと、シャイニングウィザードっぽくなってません」と夢中で話していた。

それにしても、90年代中盤、新日本の一役を担ったジュニア黄金時代。今も尚、メンバーは粒揃いの筈だが、昔のそれと何が違うのだろう。気がつけば、この日一番の熱戦となった小島×大谷の試合そっちのけで、議論を交わしているではないか。「技は今の方が凄いでしょう」、「熱もありますね」としながらも、「物語がない。当時は世代闘争でもあり、その裏側では“ライガーを超えられない”っていう個人のジレンマが渦巻いていたから、一人一人に感情移入もできた」といった具体に。
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