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最高潮を保つ「カーボローディング」術(2ページ目)

人気のプチ断食とも共通点があるマラソンランナー必須の基礎知識、「カーボローディング」。スタートラインに精力最高潮で立つための方法をご紹介します。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

カーボローディングとは?

レース日の朝食
おにぎり2個に餅2~3個。餅は味噌汁に入れてしまってもいい。野菜ジュースを添えるのはガイド流
体をスポンジ、グリコーゲンを水に見たてたとき、スポンジをギュウっと絞っておけば、より多くグリコーゲンを体にたたえることができるはずという理屈がカーボローディングです。炭水化物(carbohydrate)とローディング(loading)の合成語です。

まず一度、運動によってできるだけグリコーゲンを使い果たします。これをバーンアウトといいます(燃え尽き症候群とは異なる意味です)。無酸素運動をすればグリコーゲンばかりをエネルギー源として使うわけですが、問題は、無酸素運動をする過程で疲労物質である乳酸を発生させてしまうことです。

レースに近い時期に疲労物質を発生させてしまっては逆効果。したがって乳酸をあまり発生させないような、グリコーゲンだけを燃焼させるような運動レベルに留めなければなりません。といってあまりゆったりとした運動ではエネルギーを脂肪の代謝でまかなってしまいますから、グリコーゲンがなかなか減りません。このあたりの加減がむずかしいところですが、経験では10km~ハーフを走ってあまり疲れを残さない程度の強度がよさそうに思えます。

バーンアウトした後は、失われたグリコーゲンを補充しようと脂肪の代謝がはじまります。ここで生まれるエネルギーは、基礎代謝で使われます。このような状態で、数日の間は炭水化物や脂肪分を取らないようにします。食べるのはもっぱらタンパク質とビタミン、ミネラル類です。

カーボローディングによって体調を崩してしまうという報告がありますが、ほとんどはバーンアウト後の食事(ビタミン、ミネラル類の摂取不足)と過ごし方(グリコーゲンが失せているのでわずかな運動でも疲労を生じる。にもかかわらず、無理してトレーニングをするというような)に原因があるかと思います。

こうして、グリコーゲンがカラカラの枯渇状態を作り上げたところに、どっと炭水化物を摂取します。これによって、普通の食生活を続けた後で炭水化物の摂取を増やすときよりも、グリコーゲンをたくさん溜めこむことができるという理論です。

本格的カーボローディングは難しい

理論上はよさそうなのですが、現実に実行するとなるとなかなか困難です。外食の多い生活をしていると、タンパク質とビタミン、ミネラルだけの食事なんて考えられません。脂肪分を摂らずにタンパク質だけとることがいかに難しいか。私も体験で、なるべく脂肪分が少ないタンパク質(鶏のささみやマグロ赤身など)と野菜類を中心にした食事を摂るようにしたことはありますが、なかなか徹底しきれません。

現在では。直前に炭水化物をたくさん摂取する必要はあるが、極端なバーンアウトや食事の制限は必要ないという考えに立っているランナーのほうが多いようです。私もバーンアウト時といっても、脂肪分の多い食べ物を控えてご飯の量を少なめにするくらいです。これは、減量をはかっているときの食事とほとんど同じといっていいものです。

ローディング時期(レース前の数日間)は、大いに炭水化物を摂取します。主食は通常のほぼ倍の量にしています。通常、朝食の主食はトースト1枚ですが2枚にしています。昼食、夕食はお代わりです。前日になると甘いものの間食もします。胃がもたれるような感じがあれば胃腸薬の助けも借ります。

このように炭水化物の量は増やしますが、その他の精力がつくような食べ物(例えば鰻とか)はたいてい胃にもたれるようなものが多いので、食べるなら前々日までにしておくことをおすすめします。
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