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積水ハウス(2) 新商品が和モダンの理由とは

ハウスメーカーはもちろんのこと、最近の住宅のデザインに「ジャパニーズ(和)モダン」が採用されることが多くなりました。今回はその理由について、積水ハウスが発売した新商品を例に説明したいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

積水ハウスは9月1日(2010年)から鉄骨戸建て住宅「Be Sai+e (ビー サイエ)」 と、木造戸建て住宅「シャーウッド」の「ザ グラヴィス」という商品を発売しました。今回は、これらの新商品から近年の住宅トレンドについて考えてみたいと思います。

ビーサイエ

公開された新商品「ビー サイエ」のモデルハウス(茨城県古河市にある「住まいの夢工場」内)

二つの商品は、いずれも同社の50周年記念商品。8月30日に、積水ハウスの関東工場(茨城県古河市)にある体験型学習施設「住まいの夢工場」内で、記者発表と見学会が行われ、私も取材に出かけてきました。見学会では「ビー サイエ」のモデルハウスも公開されました。

最初に二つの商品の特徴を簡単に紹介しておくと、「ビー サイエ」は従来の軽量鉄骨商品群から大きく仕様変更が行われていました。まずは構造面。柱や耐力壁の強度アップを図ったことで、大開口や大型吹き抜けなどのプランの自由度が大きくアップしました。

もう一つの特徴は断熱性能の向上。従来の商品では熱橋(ねつきょう)という、外壁を構成する鉄骨材の部分から熱を逃がしやすいという難点がありましたが、今回の商品から鉄骨材を断熱材で覆う「ぐるりん断熱」という仕様を導入しています。これにより、快適性能や環境性能が一段とグレードアップしました。

軽量鉄骨造は48年ぶりの大幅仕様変更

ぐるりん断熱

「ぐるりん断熱」の構造模型。鉄骨材を断熱材で包み込むことで熱の伝達を抑え、断熱性の向上につなげた(クリックすると拡大します)

「ビー サイエ」は軽量鉄骨造の商品ですが、このような大幅な仕様の変更は実に48年ぶりとなります。それに合わせて、生産改革を行ったことで、価格も従来商品と同等に据え置かれているそうです。因みに、この価格の据置きですが、近年はどのハウスメーカーでも新商品投入時は、コストアップにならないように気を付けていますね。

一方、シャーウッドの「ザ グラヴィス」は、シリーズの中核を担う商品という位置づけ。こちらも構造面のテコ入れが新たに行われており、こちらも耐力柱「スーパーコラム」の採用するなど、より開放的で自由度の高いプランニングを可能にしています。

以上が簡単ですが新商品の概要。ところでこの二つの商品には共通点があります。それはデザインが、ジャパニーズ(和)モダンであること。そしてそれは積水ハウスに限らず、他のハウスメーカーに共通する傾向でもあります。次のページでは、その理由について書いてみたいと思います。
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