人間関係

ご近所付き合いの悩み・ストレス…上手に付き合う5つの鉄則

【公認心理師が解説】ご近所付き合いは、適度な距離を保つことが大切なポイント。いつも近くに親しい人がいると安心ですが、一方で距離が近くなりすぎると、気疲れしてしまいます。ストレスの少ないご近所付き合いのコツを5つご紹介します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

ご近所付き合いが面倒……近隣トラブルが原因のストレスも

ご近所付き合いの悩み・ストレス…上手に付き合う5つの鉄則

ご近所づきあいは簡単には切れない人間関係の一つ。ストレスや悩みの種にならないよう、適度な距離を保つことが大切です


結婚や出産、子どもの成長につれて増えていくのが、ご近所付き合いです。それまで独身生活、DINKSを謳歌してきた人も、マイホームを持ったり家族が増えたりすると、避けては通れない課題になるものです。

ご近所付き合いで忘れてはいけない重要なことは、互いが「条件」でつながった者同士であるということ。仕事仲間や学生時代からの友人たちとは違い、たまたま家が近い間柄であること、子どもの年齢が近い間柄であること、このような「条件」が合致することで、かかわりあっている関係だということです。
 

ご近所づきあいは難しい? 簡単に切れない関係だからこそトラブル予防を

「条件」で結びついているご近所の方々と、個人的な深い付き合いを期待するのは、ちょっと危険かもしれません。なぜなら、ご近所の方々とは険悪になったとしても、関係を簡単に切ることができない間柄だからです。

人間関係に亀裂が入ったからといって、そう簡単に引越しできるものではありませんし、自治会活動や地域の活動などで顔を合わせなければならないこともあるでしょう。長くほどよい関係を保ちながら付き合っていかなければならないからこそ、互いにトラブルを起こさないように、注意を払っていく必要があるのです。

 

ご近所付き合いを良好にする5つの鉄則ポイント

ご近所付き合いを続けるなかでも、とても大切になるのが、「つかず離れず」のバランス感覚です。付き合いをやめると孤立してしまいますし、地域の情報にも疎くなってしまいます。逆に、付き合いを濃くしてしまうと息苦しくなり、感情的なトラブルが生じやすくなってしまいます。

そこで、ご近所付き合いにおいてぜひ意識していただきたいのが、次の5つのポイントです。

1. 付き合う相手を限定しない
たとえ気が合っても、いつも同じ人とだけ交流していると互いに息が詰まり、苦しくなってしまいます。多様な人とさまざまな出会いを楽しむ感覚で、気軽に楽しいお付き合いをしていきましょう。

2. ディープなプライバシーの話題はタブー
家計の事情や夫婦関係の問題など、互いのプライバシーにかかわるディープな話題の共有は、極力しないことです。こういった話題が出たときには、さらりとかわしていきましょう。

「うちの家計ですか? ギリギリですよ。つつましく生活してますよ」「うちの夫婦仲ですか? しょっちゅう喧嘩していますよ。うるさかったら言ってくださいね」というように、会話がそれ以上深くなっていかないよう、さらりとかわしていきましょう。

3. 訪問するだけでなく、自分の家にも人を招く
「他人の家には出向くのに、自分の家には人を招かない」という主義の人もいます。ですが、これを続けていると、相手の気持ちに不公平感が生じてしまいます。ご近所付き合いでは、誰か一人に負担が偏らないよう、配慮しあっていくのが礼儀です。

他人の家に訪問したら、次は自分の家に招く。このようなフィフティー・フィフティーの関係を続けると、長く上手に付き合っていくことができます。家の中に他人の出入りがあることは、煩わしいことばかりではありません。そのたびに掃除をする意欲も湧きますし、家庭の中の風通しもよくなるものです。

4. 他人の悪口は禁句、愚痴もほどほどに
他人の悪口は、トラブルの元です。話を振られても応じないこと。話題をそらしていきましょう。また、愚痴が増えていくと、会うたびに互いにうんざりしてしまいます。明るい話題や新鮮な情報を常に意識し、ほどよく会話を楽しめる雰囲気をつくっていきましょう。

5. 「私は私」「わが家はわが家」と考える
多少の違和感をおぼえても、波風を立てずに長く付き合っていかなければならないのが、ご近所付き合いです。だからこそ、相手の意見に振り回されたり、巻き込まれたりしないようにすることです。「私は私」「わが家はわが家」、このポリシーを維持していきましょう。
 

ご近所づきあいは必要?不要? 大切なのは「ほどよい関係」を保つこと

少し難しいご近所づきあいですが、いざというときに頼りになるのもまたご近所です。災害や事故などの緊急時には、お互いに最も頼りになれる存在にもなります。まったく交流しないでいると、いざというときに協力を得にくくなってしまうため、日頃から適度によい関係を保っておくことが、お互いの安全を守るためにも大切です。

そして、ご近所の方々は、年齢、職業、性格、経歴などもさまざまです。多様な特性から学びあうという意味でも、ご近所から得られるものは多いものです。視野を広げる意味でも役立つでしょう。

ご近所は末永く付き合っていく大切な方々。だからこそ、細く長く、ほどよい関係を保っていきましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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