肥満・メタボリックシンドローム/肥満・メタボリックシンドロームの基礎知識

メタボリックシンドロームって何?

肥満が大きな原因の「死の四重奏」=「メタボリックシンドローム」。体の中で徐々に老化は開始!?生活習慣をチェックしましょう!

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

危険因子の数と心臓病の発生リスク~危険因子が増えると心臓病のリスクは30倍にも!(クリックすると画像が拡大されます)
最近話題の「メタボリックシンドローム」ってご存知ですか?

別名「死の四重奏」ともいい、肥満がある上に高脂血症、高血圧、糖尿病の3つのうち2つ以上があると、なんと心臓病のリスクは30倍にも上るというもの。

・・・「自分は関係ないなあ」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は人間、20歳を過ぎたら老化が始まっていて、誰でも太る可能性があるのです。「ちょっとだけなら・・・」の繰り返しには要注意!

今回はメタボリックシンドロームについてお届けします。

<CONTENTS>
  • メタボリックシンドロームってなに?…別名死の四重奏
  • どんな人がメタボリックシンドローム?…ウエスト周りの肥満が危険
  • 二十歳を過ぎたら老化は始まっている!?…基礎代謝量の変化
  • やせすぎ、太りすぎも死亡率アップ!?…BMIとの関係
  • 内臓肥満にならないために…生活習慣チェック


    メタボリックシンドロームってなに?
    別名死の四重奏

    メタボリックシンドロームは死の四重奏!(クリックすると画像が拡大されます)
    そもそも「生活習慣病」って何でしょうか。

    生活習慣病とは「毎日のよくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる病気」のことで、高脂血症、高血圧、糖尿病、動脈硬化、内臓脂肪型肥満などが代表的のものです。

    ところが、最近注目されているのが、一つ一つは軽症でも、こういった生活習慣病が重なると相乗効果で死の危険性がアップしてしまうという現象=メタボリック・シンドロームなのです。

    なぜかというと、高血圧、高脂血症、糖尿病などが重なると、動脈硬化が進行し、脳梗塞(脳の血管がつまること)や心筋梗塞(心臓に栄養を送っている血管がつまること)など、人が生きてゆくために重要な臓器の血管が詰まりやすくなってしまうのです。

    ちなみに動脈硬化とは、その名の通り動脈が硬くなることです。血管を水道のホースだと想像してください。だんだん年数がたってくればホースは硬くなり、切れやすくなりますし、ホースの内側にいっぱいいろいろなものがへばりつけば、もっともっとがちがちになりますよね。動脈硬化というのはいわばそういう状態です。

    つまり、「メタボリックシンドローム」とはいくつかの生活習慣病が重なると、最悪死に至る病気の可能性がほとんど倍々ゲームのように増えてゆくというお話なのです。怖いですね。いま、日本では推定患者数 約1千万人といわれています。


    どんな人がメタボリックシンドローム?
    ウエスト周りの肥満が危険

    1に加えて2が2つ以上当てはまればメタボリックシンドローム
    まず、内臓脂肪型肥満(内臓の周りに脂肪がついているかどうか)かどうかというところがポイントになります。ホントは詳しくしらべるならお腹のCTをとって調べないといけないのですが、簡単に代用する方法があります。

    それは、ウエスト周径。これが男性85cm以上、女性90cm以上なら「内臓脂肪型肥満」になります。

    そして、その上で、
    ・血圧130/85mmHg以上
    ・空腹時血糖110mHg/dl以上
    ・中性脂肪値150mg/dl以上 またはHDLコレステロール40mg/dl未満

    2つ以上当てはまったらこれは立派な「メタボリックシンドローム」ということになります。

    次のページでは、二十歳を過ぎたら老化は始まっている!?をお届けします>>
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