FP(ファイナンシャル・プランナー)とはじめる賢い生き方

 

年金減少時代、老後のお金はいくら必要?

老後に必要なお金は1億円!?

「平成27年度国民生活に関する世論調査」(内閣府)によると、日頃の生活の中で悩みや不安を感じている人のうち、その中身として「老後の生活設計」を挙げた人は、約6割とのことです。この割合は、年々上昇傾向にあります。景気の先行きの不透明感、将来の年金に対する不信感、物価上昇の家計への影響、自身の健康問題、長寿化による老後の生活費の増加など、さまざまな要因が絡み合って、老後に対する不安感が増しているのでしょう。

老後の生活にいくら必要だと思いますか? 一般的に、「ゆとりのある生活に必要な老後資金は1億円」と言われています。「1億円」と聞くと気の遠くなるような金額に感じられます。では、この1億円という金額は、どこから出てきたのでしょうか?

「平成25年度生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)によると、夫婦2人で「ゆとりある老後の生活に必要な1ヶ月の生活費」は、平均35.4万円とのことです。夫が60歳でリタイアして以降、男女の平均寿命から夫が83歳まで、妻が88歳まで生きられたと仮定すると、夫婦2人が亡くなるまでに必要なお金は1億1,258万円と試算されます(同い年の夫婦を想定し、妻1人の生活費を夫婦2人の70%と仮定)。

では、本当に1億円以上、必要なのでしょうか?高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実際の1ヶ月の消費支出は、24万円(家計調査より)です。ゆとりある老後の生活費と比べ、約10万円の差があります。先ほどの計算方法で、老後に必要なお金を試算すると、7,632万円となり、約3,600万円少ない金額になります。

自分の本当に必要な老後資金を知るには、ライフプランの作成を!

ゆとりある老後資金としての1億1,258万円も、家計調査を参考にした老後資金7,632万円も、あくまでも目安の金額でしかありません。老後に必要なお金は、人それぞれが思い描く老後のライフプランによって変わります。自分にとって「老後にいくら必要か?」は、ライフプランとマネープランを描かなければわかりません。

老後の生活設計に対する不安も、自分の老後にいくら必要なのか漠然としていて、1億円のような金額だけが一人歩きしてしまっているからなのかもしれません。老後の不安を解消するために、いつ、何にいくら必要かを把握すると良いでしょう。自分と家族が、退職後にどのような暮らしをしたいかをイメージして、老後のライフプランを作ります。毎年の収入と支出を時系列で書き出して、貯蓄残高がマイナスにならないか確認します。1万円単位で作る必要はなく、大まかな金額を掴めればそれで十分です。

「今から老後の生活費はイメージできない」という人は、今の生活費を参考に、今の生活レベルを落とさないとすると、どれくらい必要かを見積もります。リタイアまで少し期間のある人は、現在の高齢者よりも、もらえる年金が少なかったり、医療・介護費の自己負担額が増えたりする可能性があります。「入るお金は少なく、出るお金は多く」見積もるのが基本です。

ライフプランを自分で作る場合は、エクセルなどの表計算ソフトを使うと便利ですが、自治体などが開催するライフプラン講座やファイナンシャル・プランナーへの相談を利用すると良いでしょう。

お金の専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談する マイホーム購入の予算は、いくらが適正?

提供:特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
掲載期間:2016年6月24日~2017年3月31日【PR】