FP(ファイナンシャル・プランナー)とはじめる賢い生き方

 

“夫婦円満にお小遣いを決めるには?

「今年こそはしっかり貯金しよう!」と決意も新たに、夫婦で家計の見直しに取り組もむご家庭も多いかと思います。その家計の見直しの際に話題に上がるのは、お互いの「お小遣いの金額」かもしれません。「私はなんとか〇万円にするから、あなたも〇万円で頑張ってね」「いまでもギリギリなんだから、これ以上減らされるのは厳しいよ」「ふたりで貯金しようって決めたでしょ!あなたも協力して!」……夫婦間のこんなやりとりもあるかもしれませんね。では、夫婦間で円満にお小遣いを決めるためには、どのようにしたら良いでしょうか。

夫婦のお小遣い、世間相場はいくら?

夫婦のお小遣いを決める際に気になるのは、世間相場です。「2016年サラリーマンのお小遣い調査」(新生銀行)によると、月の平均お小遣い額(昼食代含む)は男性会社員が37,873円、女性会社員が33,502円です。年代別では男女ともに20代が最も多く、30代、40代になるにつれて減少し、50代でまた少し増加します。

男性会社員の平均お小遣い額をライフステージ別にみると、未婚者・DINKS世帯(共働き、子供なし)は4万円を超えている一方で、専業主婦世帯や子どものいる世帯は3万円前半と、1万円前後の差があります。子育てや教育費などの家計への負担がお小遣いに反映されているであろうことがうかがえます。

夫婦円満にお小遣いを決めるには?

他人のお小遣いの金額も気になりますが、自分たちに合ったお小遣い金額はどのように決めたら良いのでしょうか。「小遣い」の意味を調べると、もともとは「小遣い銭(こづかいせん)」と言い、「生活費とは別にしたちょっとした買い物や娯楽など、日常の雑費に充てる金銭。ポケットマネー。」(デジタル大辞泉)とあります。つまり、生活費とは別に個々人が自由に使うお金、ということです。

夫婦でお小遣いの金額を決める時は、家計の支出を見やすくするために、例えば「貯蓄」と「生活費」と「余暇費」の3つに色分けしてみると良いでしょう。「貯蓄」は言うまでもなく、将来の支出に備えて貯蓄する分です。「生活費」は、食費や水道光熱費などの日常生活にかかる支出(日常生活費)や住居費、子どもの教育費など、家族が生活をしていくのに必要な支出全般を指します。それ以外の支出は「余暇費」です。

この分類方法を踏まえると、例えば、一般的に小遣いとして扱われることの多い昼食代や床屋・美容院代・化粧品代は、「生活費」に分類されます。また、外食も、共働き夫婦で夕食を作る時間がなく、普段から外食を利用している場合は「生活費」ですが、デートや特別な日の食事は「余暇費」になります。「生活費」と「余暇費」の区分は厳密なものではありませんので、夫婦で話し合って自分たちなりの方法で決めると良いでしょう。

「余暇費」は、夫婦(家族)で使う分と、夫と妻がそれぞれ個人で使う分を分け、個人で使う分が純粋な意味でのお小遣い(自由に使えるお金)になります。昼食代が必要な夫の場合は、生活費から昼食代を出し、また、余暇費からお小遣い分を出し、合算して夫に渡します。昼食代や美容院代・化粧品代などの生活費と、純粋な意味で自由に使えるお金(お小遣い)をごちゃ混ぜにしてしまうと、夫婦間で不満が生じやすくなります。例えば、夫の方が妻よりも多くお小遣い(一般的に認識されるお小遣い)を貰っていたとしても、昼食代を差し引けば実際に自由に使えるお金は少ないので「お小遣いが少ない」と夫から不満が出ます。「私より多く貰っているのに不満なの?」というように、妻との衝突が起こってしまいます。

家計の支出の中で、お小遣いの金額を決めるときには、まず貯蓄と支出のバランス、次に、支出の中における生活費と余暇費のバランス、最後に、家族で使う分と個人が自由に使う分(お小遣い)をどうするか? という手順で考えていけば、夫婦のお小遣い額を公平に決められると思います。夫婦で納得できるお小遣い額を決めるためのひとつの考え方として、参考にしてみてください。

提供:特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
掲載期間:2016年6月24日~2017年3月31日【PR】