FP(ファイナンシャル・プランナー)とはじめる賢い生き方

 

フリーターと正社員、生涯収入に2億円の差

20代の収入差は小さいけれど、40代で半分に!

景気は緩やかな回復基調が続き、雇用環境も改善していると言われています。厳しかった就職戦線にも、明るい兆しが見えてきたようです。しかしながら「自分に合った就職先が見つからない」という消極的な理由、あるいは「自分の自由な時間を持ちたい」「自分の夢をかなえるための当面の働き方」という積極的な理由からフリーターなどの非正規雇用を選択する若者は、少なくありません。

正社員・正職員(正規雇用)とそれ以外の人で、生涯賃金にどれくらいの差があるのでしょうか?「平成26年賃金構造基本統計調査」から、雇用形態・年代別賃金と、雇用形態別の賃金格差を見てみましょう。20~24歳時点は、正規雇用の月収20.2万円に対し、それ以外の人17.0万円で、賃金格差は3.2万円です。これくらいの差であれば、自由な時間や自分の夢をかなえるための選択肢として、非正規雇用を選択するのも納得できます。けれども、年齢が上がるにつれて正規雇用の給料は上がりますが、非正規雇用は基本的に据え置きのため、賃金格差は大きくなります。

※「平成26年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)より作成

学校卒業後、一つの企業に勤めて60歳で退職するまでの生涯賃金(退職金を含まず)は、大卒男性2億8,000万円、女性2億4,000万円だそうです(ユースフル雇用統計2014)。一方、非正規雇用の場合、上のグラフのデータから試算(ボーナスはないものと仮定)すると、約9,000万円になります。

生涯収入に2億円の差! 収入以外にも違いが!?

働き方は、将来貰える年金にも影響します。サラリーマンなどの正社員の場合は、厚生年金に加入しますが、フリーターの場合は、国民年金に加入します(勤務日数等によって厚生年金に加入する場合もある)。「平成25年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均的な受給額は、14.6万円、国民年金は5.5万円です。65歳から85歳までの20年間、年金をもらうと仮定すると、厚生年金は3,500万円、国民年金は1,320万円でその差は2,180万円になります。大卒男性の場合、生涯賃金と年金を合わせると、2億円以上の差が出るという計算になります。

正規雇用と非正規雇用とでは、収入面だけではなく、社会保険や会社の福利厚生制度、自身のキャリアアップにつながる社内教育訓練にも差があります。職を失った時にもらえる失業給付(雇用保険の制度)や、自身のキャリアやスキルを磨いて、収入を上げていくための自己啓発に対するサポートも正規雇用と非正規雇用では異なります。

※「平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査」より作成

ライフプランと働き方を考える、次のアクションは?

世の中、お金が全てではありませんが、自身が思い描くライフプランを実現することを考えると、収入を得るための手段としての働き方については、長いスパンで考える必要があるでしょう。国としても若年者の雇用対策に力を入れています。情報収集や相談窓口として、各地に「新卒応援ハローワーク」を設置しています。ハローワークは、仕事を辞めた人が行くところと思われがちですが、新卒応援ハローワークは、大学院・大学・短大・高専・専修学校などの学生や、卒業後未就職の人の就職を支援するための専門のハローワークです。また、就業に必要な能力を身に付けるための職業訓練を受けることができる、求職者支援制度などもあります。こういった制度を利用して、理想の働き方と人生を実現しましょう。

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提供:特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
掲載期間:2016年6月24日~2017年3月31日【PR】