夫と2人暮らし。1年前に仕事をやめて、現在は専業主婦。賃貸暮らし。子どもなし。街中で「老後は1億円必要」という広告を見て「そんなに準備できない」と不安になり、FP相談に訪れた。
これまでお金の本を読んだり、テレビでお金の特集を見たりしてきたけれど、「自分の家庭の場合に当てはめるとどうなるか」という疑問がずっと消えなかったという佐藤さん。
「先日 “老後には1億円必要”という広告を見て、そんなに貯蓄はたくさんできないと不安になって、客観的なアドバイスをもらえたらとFP相談に来ました」
FPに現在の収入、支出、貯蓄のペースなどを伝え、夫の定年時に必要なお金を計算してもらいました。
「特に贅沢な暮らしでなければ、夫の退職金が少なかったとしてもそれほど心配はいらないということがわかりました。持っていた『ねんきん定期便』も見て我が家の場合の数字を具体的に出してもらったので、安心できましたね。ホワイトボードを使って、目に見える形で説明が受けられてわかりやすかったです」
老後は、医療費や介護費用なども不安だったそうですが……
「1カ月あたりの医療費の上限を超えたら払い戻しがある“高額療養費”はなんとなく知っていたのですが、さらに介護費用も支払いの上限額があるということを知り、不安がだいぶ減りました」
現在入っている保険のうち、不要になって解約しようと思っていたものがありました。
「素人の判断で解約してしまうのは勇気がいるなと思っていたんです。今回、FPにじっくり見てもらって、解約しても大丈夫ではとアドバイスを受けました。プロのお墨付きをいただけてありがたいですね」
その他に、佐藤さんが抱えていた不安は“老後の住まい”についてです。
「マイホームを買うべきか、賃貸のままがいいか。住まいにお金をどれくらい使ったらいいか、といった漠然とした不安もありました。FPに相談すると、『お金の面を先に考えるのではなく、まずは夫婦でどのように老後を過ごしたいかをじっくり話し合うことが大切』とアドバイスされ、納得しました。私は1人でもやもやと悩みを抱えていましたが、老後を過ごすのは夫と2人。夫とじっくり相談して、その希望を叶えるためにお金の準備をしていきたいと思いました。私は不安になると、自分の殻に閉じこもってしまう傾向があるので(笑)、“話し合いが大切”ということに気づけてありがたかったです」
お金の専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談する
どのような金融商品がいいかわからないけれど、調べたり、申し込みに行ったりするのも面倒だと感じて、これまで金融資産のすべてを普通預金にしていたそう。
「金融商品の基礎知識がないので、FP相談に行って『この投資信託を買いましょう』などと特定の商品に誘導されたらイヤだなと思っていたんです。でも、実際には『ネット銀行の定期預金に預け替えると、もらえる利子が増えますよ』『夫の勤務先で入れる年金財形というものがありますよ』と教えてもらえました。年金財形は55歳まで利用でき、550万円まで非課税という点がうれしい。具体的な金融商品の押しつけではなく、公平な視点でお話が聞けて安心できました」
難しい話を早口でされると、理解ができないことがあるという佐藤さん。
「私が理解しているかを確認しながら、私のペースに合わせて話してもらえたのもよかったです。これまでお金の本を読むこともありましたが、本で読むのと、目の前でお話を聞くのとでは、納得感が違いますね。実際に行動に移せるお話をたくさん聞けたので、さっそく明日から実践したいと思います」
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