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自然を愛したヘミングウェイは「家は家であると共に船のようにも思えた」という一文を本の中で書いています。
人生を航海にたとえ、時間という海に家を浮かばせ、どんな航海を進んで行くのですか?ということを問いかけているのです。
航海には嵐の日もあれば晴れの日もあります。厳しい自然に耐えられる船でなければなりません。家のはたす役割も同じようなことがいえます。家は自然災害から家族を守り、日常生活を支え、家族が育っていくところです。したがって家づくりでもっとも求められることは「安全で安心な家づくり」が基本となるということです。
家づくりは誰もが、永く住みたいと思い、エネルギーをかけて取り組みます。それでもいざ完成して住みはじめると、使い勝手を含め、最初のイメージと違っていたり、さらには3年、5年と暮らす中で思いがけない不具合が出てきたりもします。後から多少のリフォームで直せるところは良いのですが、一番困るのはそう簡単に直せない土の中や壁の位置(構造)などです。特にこれらの部分は計画の段階でしっかりと検討しておかないと不具合や欠陥住宅につながる可能性が大きいところであります。したがって安心して暮らせる家を建てるためには①地盤と基礎、②耐力壁を考慮した間取り計画、この2つのポイントをチェックすることが最も重要なのです。
一戸建ての建物の重さは延床面積40坪で約70トンが目安です。
この建物の重さを支える地盤の強さを「地耐力」といいます。
最も一般的な地盤調査は「スウェーデン式サウンディング(SS)試験」です。
その調査結果によって地盤改良が必要なのか必要でないのか、さらには基礎のあり方も検討する必要があります。
<地盤>
地盤調査は「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」の結果から出される「換算N値(※)」を利用して診断します。
たとえば、ある土地の土質が粘性土で換算N値が3以下、あるいは砂質土で換算N値が5以下だった場合、その土地は「軟弱地盤」とみなされます。これらの数値を満たしていない場合は、地盤改良を検討する必要が出てきます。
※N値とは、地盤の硬軟を定量的に示す数値として最も利用されている数値のひとつです。
ご自身が計画している敷地のN値はいくつか、を確認しましょう。
<基礎>
基礎には、布基礎とベタ基礎があります。昨今はベタ基礎が主流となっています。ベタ基礎は建物の荷重を面で受けるので、均一に地盤へ伝わるようにしなければなりません。
木造住宅の場合、基礎をチェックするときは、立ち上がり部分のところどころに埋め込んだアンカーボルトが2.7m以内の間隔で配置されているかを確認してください。ここが、基礎の上に載る土台とつながります。
鉄筋の間隔は一般的に、200~300mmですが、強度を増す場合には間隔を150mmとする。
(写真中の赤い矢印が、鉄筋の間隔です。)
基礎は工場で製作するわけにはいきません。したがって、強度や耐久性の担保は現場での施工によるところが大きいのです。
基礎のコンクリートを打つ前に、鉄筋が寸法通りに配筋されているかなど配筋などの現場担当者、あるいは設計士に基礎がしっかりとつくられているか説明してもらうとよいでしょう。
建物には、横方向からくる力と縦方向からくる力があります。
横方向の力には耐力壁(※)が主になって耐え、縦方向の力に対しては柱や梁などの骨組みで耐えます。
耐力壁は間取りに応じてバランスよく配置しないと地震の際、建物にねじれを起こしてしまいます。
※耐力壁とは地震や風など横からの力に対抗する能力をもつ壁です。必要な耐力壁の量は構造計算によって求めます。
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どうしても通らない時は?
図のように耐力壁線がずれてしまった場合は、設計士と相談しながら力の伝達方法を工夫しましょう。
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どうしても大きな開口がほしい時は?
設計の段階で構造として問題がないか、設計士と十分検討することが重要です。(場合によっては 構造設計者も協力が必要)
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どうしても広い部屋がほしい時は?
点線のライン上に耐力壁が必要です(構造設計者の協力が必要)。
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図のようにどうしても重ならない時は?
設計士と相談しながら上階の耐力壁にかかった水平力を下階に伝わるよう工夫することです。
建物には2つの中心があります。ひとつは重さの中心である「重心」です。これは建物平面の中心あたりにあります。もうひとつは「剛心」で、建物の堅さの中心を指します。これは耐力壁の多い方に片寄るので注意が必要です。重心と剛心の位置が近くにあると、バランスのよい強い建物になります。
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一般的に住宅は日照を確保するために南側に居室、北側に水まわりを配置します。当然、南側には大きな窓が増えて、壁が不足します。逆に北側は余剰に壁が設けられます。 これではねじれを起こしやすいので、南側にもある一定の壁を確保し、北側とのバランスを考えた間取りにすることが大切です。
日本のこれからの家づくりは「スクラップアンドビルド」から「ストック」への転換が求められています。そのポイントとなるキーワードは「4つの寿命」です。
建物を「美しく老化させる」には、4つの「寿命の視点」をもって家づくりを心がけることです。
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工事が始まると約20業種の職人が関わることになります。その現場を司るのが現場監督です。まさに職人一人ひとりの技術がチームワークとなって建物が完成していきます。現場監督の力量はもちろん施主としても心配りや気遣いなど良好な人間関係をつくっていくことも忘れないで下さい。
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