創業以来のタブーを犯した先にあった「酢」の可能性と秋の味覚


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地元の生産者の声に耳を傾け、産地ならではの味を食卓に届ける。「無印良品」をはじめ、さまざまなライフスタイルを提案する「良品計画」では、「諸国良品」と銘打って日本の「食」にフォーカスし、全国各地の食材を取り上げて、その担い手たちを紹介している。

本連載では、「諸国良品」と「オトコノキッチン」がタッグを組み、「国産」「日本の食文化」「生産者」に焦点を当てて、インスタグラマーとともにオリジナルレシピをお送りしていく。

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▲長野県佐久市にある芙蓉酒造では清酒だけでなく、野菜焼酎など次々と新しいチャレンジをしている

 

創業120年を超える芙蓉(ふよう)酒造の6代目・依田昂憲(よだ・たかのり)は、伝統ある酒蔵のタブーを犯してまで作りたいものがあった。「家を継ぐうえで何か新しいことをやりたかっただけ。若気の至りです」と本人は話すが、一度は東京に出て出戻りという形で家を継ぐからには、手ぶらで帰りたくなかったという強い気持ちを持っていた。

その酒蔵のタブーとは、「酢造り」である。独自の酵母菌を有する酒蔵において、野生酵母や雑菌の侵入は酒造りの存続にかかわる危険因子。酢を醸造するには酒を使用し、そこに酢酸菌(酒からアルコールを抜く)が不可欠で、このリスキーな賭けには先代や周囲の人から猛反対を受けたという。

野生酵母や雑菌のリスク以外にも、長年、清酒を商品として扱ってきた歴史があるなか、売り物である酒を使って新しいものを作るなど、酒造りに携わってきた家系で決して許されることではなかった。

 

muji_001_b▲「どんな原料からでも焼酎作りができる」を謳い文句に焼酎の委託醸造(OEM)も行う

 

自身でも負けん気が強いという6代目は、東京で音楽関係の仕事に就いたのち、修行がてら飲食関係の仕事を経て、長野県佐久の実家に帰ってきた。佐久は長野県有数の米処で80以上の酒蔵があるが、酢造りをしているところなどひとつもなく、酢造りは、帰省後まったくの知識のないまま独自で研究を続け、完成まで3年を要した。

とはいえ、6代目が作った酢は決して伝統を無視した、横暴な商品ではない。2011年に完成した「飲む野菜の酢 SURARA」には、明治20年創業を誇る芙蓉酒造の伝統が息づいている。創業以来長野県の「地のモノ」にこだわってきた芙蓉酒造では、レタスや長イモなど地元の野菜を使った焼酎を造ってきた。「飲む野菜の酢 SURARA」はいわば、芙蓉酒造の長い歴史の命脈を継ぐ商品なのだ。

 

muji_003▲「飲む野菜の酢 SURARA」はかぼちゃ、えのき茸、レタスの3種。アミノ酸がたっぷり含まれ、常飲すれば健康に良い

 

「飲む野菜の酢 SURARA」は、レタス、かぼちゃ、えのき茸の3種類が作られた。“飲む野菜の酢”というだけあって、水で薄めて飲むのはもちろん、ハイボールなどアルコールの割り物、ビールのひと工夫、ドレッシングとしても使えるという。

「スムージーやカクテル、ジンジャエールに少しだけ加えてもおいしいですよ。ヨーグルトに加えれば乳化してトロみ出るので、ひと味違う楽しみ方もできます」

と6代目。長野県産の野菜をふんだんに使った「飲む野菜の酢 SURARA」には、酢を飲んで健康で軽やかな人生を過ごして欲しいという蔵元の気持ちが込められている。永年培われてきた伝統と技術に、次世代のアイデアが加わったことで日本の「食」に新しい魅力が生まれた。

 

 

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「芙蓉酒造」
住┃長野県佐久市平賀5371-1
電┃0267-62-0340
営┃8:30~17:30
休┃日曜、不定休

 

 

芙蓉酒造「飲む野菜の酢 SURARA」を使ったインスタグラマー・けいたさんのレシピをご紹介。「SURARA」の3つの味が秋の味覚にぴったりの逸品に。

 

keitamitsu’s Recipe


秋鮭のレタス包み焼き

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「SURARA」の3つの味、どれにでも合わせることができるレシピを考えました。野菜本来の旨味や甘味を閉じ込め、芙蓉酒造さんが「SURARA」に込めた気持ちを味わってもらえれば最高です。

ポイントは、タマネギを豪快に使うと甘みと歯ごたえが生まれ、いい味を出してくれます。白ワインとトマトの組み合わせも良く、「SURARA」との相性もばっちりです。

■材料(1~2人分)

秋鮭の切り身……1切れ
レタス……2枚
タマネギ……1/2個
カボチャ……3枚
エノキ……10〜20g
ミニトマト……2つ
塩胡椒
オリーブオイル……小さじ1
白ワイン……大さじ2
「SURARA」……お好みの味を好きなだけ

 

■作り方

材料を下ごしらえする。秋鮭の切り身には塩を振る。タマネギを薄切りにして、カボチャは薄切り(一口大)、エノキは崩し、ミニトマトを半分にカットする

オーブンで240℃に予熱しておく

アルミホイル(40〜50cm)を縦に10〜15cm程度重なるように敷き、その上にレタスを内側が上になるように置く。やぶれてしまっていたらもう1枚レタスを重ねる

その上にタマネギスライス、カボチャ、秋鮭、エノキと置いていく。その上から塩胡椒少々、オリーブオイル、白ワインをかけ、ミニトマトを散らす。残りのレタスを、下のレタスの内側に入るように重ねて、下にしいてあるアルミホイルで包んでいく

オーブンで焼く。予熱したオーブンに25分入れれば、できあがり

<仕上げ>
ローズマリーを入れればアクアパッツァ風になるので、ハーブ類はお好みで入れても美味しい

 

協力┃諸国良品

芙蓉酒造┃飲む野菜の酢 SURARA
容量:200g
テイスト:レタス、かぼちゃ、えのき茸
問い合わせ:0267-62-0340(芙蓉酒造協同組合)
価格:3本セット/3,000円、単品/950円

 

 

pepe

keitamitsu

神奈川県出身。慢性疾患看護専門看護師を目指し大学院へ。生活習慣の調整と格闘している患者の困難を前に、自分のもつ知識を疾病予防として発信できたらと思い、インスタを利用している。#日本が元気になるご飯

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