日本画/日本画関連情報

美男画展

現代では男性も美しさを競うことが奇異に映らなくなり、そんな美男たちを描くグループ展も開催されるようになりました…。

執筆者:松原 洋一

日本画の世界では「美人画」というのはよく聞きますが、「美男画」というのを聞くことはまずありません。というのも、昔から絵画の対象として男性を描くことはあっても「美男」という言葉を使うことがなかったからでしょう。

時は流れ、現代では男性も美しさを競うことが奇異に映らなくなり、美男という言葉が普通に聞かれるようになりました。銀座・ぎゃらりぃ朋で開催される「美男画展-お部屋に 美しい男 飾りませんか-」(6月9日~17日)もそんな風潮の表れなのかも知れません…。

男前を描く

池永康晟
池永康晟「浅草雷門前-俥や嘉松」
出品者の中で、普段から男性を描くことが多い須藤彰子さんは、このグループ展を、どれだけ男性を描いてもいいと許されたようなありがたい企画だとしながら、「ずっと男性ばかり描くことに、どこかうしろめたい感覚があったのかもしれません」と男性を描き続けてきたことに対する微妙な心境を語ってくれました。

二紀展に女性画を発表しているテンペラの小田志保さんは、女性を描くことを絵の中の女性に嫉妬しながら付き合っているのだとして、「自分にないものを求めて、普通とは違う形でそれを得ようとしているかもしれない」と、今展に向けて対象を男性に置き換えました。

また、普段から女性画を描いている池永康晟さんは、いまだ美人画を描いた気はしないと前置きしながらも、「街を歩いていて、すれ違うひとの横顔や素振りに瞬間恋をした時、その瞬間と同じ速度で画が描ければ良いのですが、私にはそれが出来ないので、大切だと思える女性だけを描いています 」と女性画について語り、今回の男性画については次のように付けくわえました。
「私が男を描く時、美しいひとを描くよりも、抹殺してしまいたいと願う人を描くべきなのではないのか」

■展覧会情報
展覧会名:第二回美男画展-お部屋に 美しい男 飾りませんか-
会期:2007年6月9日(土)~6月17日(日)
時間:12:00~19:00 [会期中無休]
会場:銀座:ぎゃらりぃ朋

出品:浅野勝美(銅版画)、浅野信二(油彩テンペラ混合技法)、池永康晟(日本画)、上野伸吾(油彩)、打越月見(日本画)、岡崎真澄(ペン画)、小田志保(油彩テンペラ混合技法)、川井徳寛(油彩)、木村了子(日本画)、須藤彰子(日本画)、高瀬広造(色鉛筆)、津田やよい(油彩ミクストメディア)、成田朱希(油彩)、野口卓矢(日本画)、白翠皇夜(ペン画)、宮永直人(日本画)
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