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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.065

絵本は子どもの心の栄養。
大人もいっしょに関わって
豊かな読書経験を与えたい

普通の専業主婦だった大橋さんが、絵本専門通販店を始め、All Aboutガイドへ。その原動力はなにか。絵本の楽しさを、そして子どもと絵本を読む幸せを、子どもたちの親へ、祖父母へ伝えたい。大橋さんは淡々と、しかし尽きることのない絵本への思いを語ってくれた。

「絵本」ガイド 大橋 悦子

文/宗像陽子 写真/須藤明子

客観的な目線で記事を書く

「絵本に限らず、読書をもっと楽しんでほしいですね」

「絵本に限らず、読書をもっと楽しんでほしいですね」

All Aboutの記事を書くに際して心がけているのは、「この絵本、こんなに面白いよ」で終わるのではなく、どうすればその絵本を大人に読んでもらえるかを考えつつ書くこと。自分が大好きだからとのめりこむことなく、客観的な目線で伝えたい。

「おひさま堂」は、自分の店なのでやりたいようにやる。一方、All Aboutでは、一歩引いた姿勢を忘れないように書く。
どちらも読書推進というライフワークをすすめる上で欠かせないものだ。だから「おひさま堂」と「All About」は、姿勢は違えど車の両輪のようなものかもしれないと感じている。

子どもは良い絵本を選び取る力がある

最近、子どもにどんな絵本を与えたらいいか悩む親が多いという。
「子どもはいい本を見抜く力があるんですよ」と大橋さん。「最初に子どもに本を選ばせると、可愛らしい絵柄の本ばかりを選びがち。それでもお母さんといっしょにたくさんの本を読み選んでいく中で、長く多くの人に受け継がれている本がその子の心の中に残っていくような気がします」

本の修復セット。「おひさま堂」では、本の修復も行う。破れたページをノリで薄めて刷毛で丁寧に補修する

本の修復セット。「おひさま堂」では、本の修復も行う。破れたページをノリで薄めて刷毛で丁寧に補修する

絵本は10年たって一人前というそうだ。10年たってもまだ淘汰されず、版を重ねているような本が一人前と呼ばれる。子どもはそんな良質の本を見極める力を持っている。
「だから『その本はまだあなたには早いんじゃない?〜歳からって書いてあるわよ。こっちの本にしなさい』などと言わず、親は、子どもの力を信じてあげることも必要なのではないでしょうか」

絵本は学力や知識をつけるために読むものではない。「プレッシャーを感じることなく、大人ももっと絵本を楽しんでいいのでは」と悩める親たちにエールを贈る。

ブックトークで絵本から児童書へ誘う

子どもが小さい頃は絵本をよく読んでいたけれど、児童書に移行してからは読まなくなってしまったという親の声もある。そこで大橋さんは今後、ブックトークに力をいれていきたいと考えている。
ブックトークとは、テーマに従った本をもって小中学校などに赴く。読み聞かせるのではなく、子どもたちがその本を手に取ってみたくなるような児童書の紹介をして、読書に誘う活動だ。
「ある意味、All Aboutの記事作りもブックトークのようなもの。多くの人に本の魅力を知って欲しいですね」

読書人口が減ってきたと言われて久しい。けれどもあたたかな幸せ時間を子どもにも大人にも届けてくれる「絵本」の魅力は、色褪せることなくそこに在る。
大橋さんは、ひとつひとつ宝石を慈しむようにその魅力を伝え続け、それらを忘れかけた大人の目を覚まさせてくれている。

取材協力:産業能率大学

取材協力:産業能率大学

「絵本」ガイド 大橋 悦子

2006年創業の絵本・児童書専門古書店「おひさま堂」代表。2008年にJPIC読書アドバイザーの資格を取得。また、3人の娘を育てた経験を活かし、小さい子どもを持つ母親への読書推進活動を行う。川崎市田島地区民生委員・児童委員協議会の主任児童委員として、子育て家庭への身近な支援に取り組んだ。

ガイドのお気に入りの記事

・あなたの心の猛獣に『もうじゅうつかいのムチがなる』

・誰かに話したい!雑学『かいじゅうたちのいるところ』

・探して楽しい!林明子の絵本に隠れた秘密の遊び絵

記事を気に入っているというよりは、とりあげた作品を気に入っているのだと思います。たくさんの方に読んでいただきたい作品です。

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