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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.063

「安全で、環境にやさしいクルマ」
という理想を求めつつ、
一人ひとりに最適な一台を紹介したい

クルマを購入しようとする人は、一度は国沢さんの記事を読んだことがあるのではないだろうか。自動車評論家として長く活躍、メーカーに対しては叱咤激励で奮起を促し、読者に対してはわかりやすい解説でその人にとって最適な車の購入ができるよう導く。そんなクルマに対する強い思い入れは、どこにあるのか伺ってきた。

「車」ガイド 国沢 光宏

文/宗像陽子 写真/須藤明子

正しい情報、明日を見据えた情報を発信

All Aboutのガイドを始めたのは、All Aboutスタートのときから。
「All Aboutの良さは制約がないこと。自由に書けるということはとても素性のよい媒体だと思います。公序良俗に反さない限りは自由に書くのがジャーナリズムの基本ですから」。
年齢層が幅広く知的なのも、All Aboutの読者の特色のひとつだと感じている。

読者には、どんな観点でクルマを選んだらいいのか、このクルマはどんな装備があるのか、ということがわかってもらえればいい。
「正しい情報、明日を見据えた情報、最先端技術はどうなっているのかという情報をこれからも出し続けたいですね」

クルマが人にとって無害であってほしい

マイカーのボルボ。最先端の自動ブレーキを持つクルマでもある。マイカーはこの他セルシオ、ラリー車、軽トラックなど

マイカーのボルボ。最先端の自動ブレーキを持つクルマでもある。マイカーはこの他セルシオ、ラリー車、軽トラックなど

今、国沢さんがクルマの評論を書く上で、最も評価していることは安全性だ。
クルマが大好き。だからこそ、人間にとって有害な悪者であって欲しくない。
昭和40年代、公害によって大気は汚染された。排気ガスを出し、交通事故を起こすクルマは悪者の代表だった。
けれども、クルマはそれほど悪者なのだろうか?交通事故も起こさず、排気ガスもださなければ、クルマは、歩けない人や荷物を遠くに運べる夢の箱のはずだ。

「僕にとって、理想のクルマは『環境に悪影響を与えない。交通事故を起こさない』そんなクルマです」
だから、その夢に向かって切磋琢磨してくれるメーカーを応援したいと感じているし、記事を書く上では「安全性はどうか」「環境にやさしいか」といった観点は、忘れない。

昨今のクルマの安全装置は、かなり精度が高い。前方に停止物があったときに減速されなければ自動ブレーキ、車線変更のときに側方に車両があれば、車線を変更せずそのままキープしてくれる側方事故防止システムなどなど、突然運転中に倒れたとしても、危険をかなり軽減する装置を装備したクルマが増えている。
「ひとつの会社が開発をすれば、必ずほかの会社も追随します。たとえばエアバックを全モデル標準装備にして広めたのは日産です。今では、多くのクルマがエアバックをつけていますね。そういう意味で、安全性を重視するメーカーをどんどん応援したいと思っています。その結果、業界全体の安全性への意識が高まりますから」

ラリーレースで優勝!

これがタイのロードを駆け巡るラリー車だ。毎年ラリーレースに出場するのがお楽しみ

これがタイのロードを駆け巡るラリー車だ。毎年ラリーレースに出場するのがお楽しみ

ところで、車好きにとって「たとえ、寝ていても自動ブレーキで安全なクルマ」は、魅力はあるのだろうか?国沢さんもまた車好きの一人として、ドライビングテクニックを発揮できなくて、ドライブの醍醐味は薄れてしまうのでは?と伺うと、
「それはそれ。趣味でラリーをやっていますから」とニヤリ。
「少々危険を冒してでも早く運転したいやつは、一般人の入れないところで、かっ飛ばしてくればいいのです」と男気満点。
なんと毎年、タイに出かけラリーレースに出場しているとか。プミポン国王から賜杯を頂く格式の高いレースにここ数年出場、ついに昨年優勝カップを手にしたそうだ。
まだまだ少年のようなドキドキをいっぱい胸に持っている国沢さんなのだ。

軽快にロードを疾走するチーム・クニサワのラリー車

軽快にロードを疾走するチーム・クニサワのラリー車

クルマはお祭りのようなもの

「クルマの批評はお祭りみたいなものなんですよ」
あそこの祭りは笛がいいよとか、踊りがいいよとか、縁日が楽しいよとか、そんな話を聞いて縁日が好きな連中は縁日が充実したお祭りにいく。それと同じと国沢さんは言う。

とてつもなくかっこいいクルマもあれば、走りがいいのもあれば、乗り心地がいいのもある。
フェラーリなんて乗ったとたんに血が沸くくらい楽しい。

ついに優勝!プミポン国王から受け取った優勝賜杯とともに

ついに優勝!プミポン国王から受け取った優勝賜杯とともに

一方、軽自動車がだめなのかと言ったら、そんなことはない。まるで体の一部かのような手軽さ、ちょっとそこまで行くのも楽チンで、それはそれでいい。

「いろいろな人がいるから、いろいろな車に乗って試してみないといけないな。いろいろな車がそれぞれ、好きですよ」
うれしそうに語る国沢さんは、今や自動車業界になくてはならない重鎮だけれど「なにか面白いことないかな」とクリクリした目でいつもいたずらを探しているような少年の心を持った人なのだった。

「車」ガイド 国沢 光宏

各種自動車専門誌で、新車記事とインプレッションを広く深く掘り下げ多数執筆。

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