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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.058

自分はどう生きたいのか問い直し、
お金の管理を見直せば
誰でも豊かな老後が見えてくる

家計管理と言われると、「節約しなくちゃいけないのはつまらない」と否定的になる。「資金運用」と言われると「損しちゃうのでは?」と身構える。そんなネガティブな気持ちをきれいさっぱり払拭してくれるのが「家計管理ガイド」の山口さんの記事だ。なぜ山口さんの記事は、気持ちが前向きになれて、「今までできなかったことがやれそう」な気分になるのだろうか。じっくりとお話を伺った。

「家計管理」ガイド 山口 京子

文/宗像陽子 写真/平林直己

「広い家に住みたいという目標がありましたから、節約はちっとも苦ではありませんでした」

「広い家に住みたいという目標がありましたから、節約はちっとも苦ではありませんでした」

アナウンサーからFPへ

大きな眼にサラサラのロングヘアー。シャネル風のジャケットをきっちりと着こなした山口さんは、鈴のなるような美しい声の持ち主だ。

中学の頃の夢はDJになること。大学では放送部に入り、アナウンサーを目指し切磋琢磨していた。
大学卒業後結婚を機に上京をし、フリーのアナウンサーとしてラジオやテレビで活躍していたものの新婚家庭の収入はそれほど多くない。高円寺の築30年のマンションで「パンは97円になったら3斤買って、2斤は冷凍」という生活をしながら、夫婦で一つ一つの仕事を大切にし、広い家に住むことを夢見ていた。

20代も終わるころ、TBSテレビの近くの本屋でふと目にはいった本が「ファイナンシャルプランナーになるための本」だった。


アナウンサー業だけでは将来に不安を感じていたころでもあったから、本を読んで「ファイナンシャルプランナー(以下FP)とはお金を扱う仕事」と知り「大好きなお金、楽しいかも!」と飛びつく。一念発起し、FPを養成するための学校に通い資格を取得。現在は日本でもそれほど多くないフリーのFP、それも誰にでも身近な「家計管理」を得意とする専門家として活躍中だ。

持ち前の名古屋人気質と「環境」が最強FPを育てる

ほんわかした女子大生が、着々と経験を積み、その後フリーのFPとして実績をあげていく。その成功要因はなんだろうか。
山口さんによれば二つあったという。
ひとつは名古屋人気質。もう一つは結婚後の働く環境だ。

コテコテの名古屋人を自認する山口さん、著書のプロフィールには「血の一滴まで赤味噌です」と書くほどだ。
名古屋出身というと「結婚式が豪華」とか「ケチ」といったイメージを持たれることも少なくないが「それは誤解です」と山口さん。

お金の大切さをしっかり学んで欲しい「20代のお金の教科書」と、山口さんの名古屋人DNA全開の「お金持ち名古屋人八つの習慣」

お金の大切さをしっかり学んで欲しい「20代のお金の教科書」と、山口さんの名古屋人DNA全開の「お金持ち名古屋人八つの習慣」

「名古屋人は、もともとお金を貯めるのが当たり前という気質、借金が嫌いなんです。結婚までに1000万円貯める人も少なくない。かといって、結婚式が必要以上に派手ということもないんですよ」

結婚前の貯金高は日本一。けれども結婚式そのものにかける費用は意外なことに全国平均以下だという。ただし出す料理にはこだわるなど、徹底してムダを排除してこれと思うものにはお金を惜しまない。貯金をして、必要なものにお金を使うといった山口流お金のメリハリのある使い方はまさに名古屋のDNAにほかならない。

もうひとつの要因の「環境」。フリーでずっと働いてきた山口さん夫婦は、安定的な収入が得られる会社つとめをしたことがない。
フリーのアナウンサーであれば、春と秋の番組改編の時期に「これで今回のお仕事はおしまいです」と突然言われることもある。

そこで、夫婦で働く心構えとして

1 どんなに小さな仕事でも声をかけてもらった仕事はありがたく受ける。

2 次の仕事に繋がるよう、1の仕事に対して相手が2倍3倍も得をするようにしてお返しする。

3 得た収入は必ずその何割かは貯金をする。または運用をする。

4 どんな苦境であっても「なんとかなるさ」と笑い飛ばす。


この4つを実践していった結果、徐々に収入はアップしていった。

借金サイトから家計管理サイトへ移り、ブレイク

もともとお金に興味があるせいか、一発でFPの資格を取った山口さんは、メインの仕事はフリーアナウンサーとしつつも副業でFPの仕事を始める。友達や仕事仲間のお金の相談にのっていた程度だったのが、次第にFPの仕事が増えていった。そのきっかけになったのはAll Aboutだった。

FP学校時代の同窓生である山崎俊輔さん(現「企業年金・401k」ガイドhttp://allabout.co.jp/gm/gp/243/)に声をかけられ「お金を借りる返す・借金ガイド」としてデビューする。

匿名ではなくちゃんと名前を出してひとつのことを解説するというのは、意味のある仕事と考え、ていねいな記事つくりを心がけた。

仕事をするときの必需品の電卓は、思いついたときにいつでも計算ができるよう、山口さんのいるところ常にあり。バッグ、デスク、キッチンカウンターなど、5個以上は持っている。画像はシャツとお揃いの電卓

仕事をするときの必需品の電卓は、思いついたときにいつでも計算ができるよう、山口さんのいるところ常にあり。バッグ、デスク、キッチンカウンターなど、5個以上は持っている。画像はシャツとお揃いの電卓

ところが、「借金サイト」という分野は、山口さんにとって少々やりにくいものだった。

実は山口さんは「借金が大嫌いな名古屋人」。どうにか記事を書いていたものの、どうも違和感が拭えない。

そこでそのころ借金の専門家として有名になっていた横山光昭さんhttp://allabout.co.jp/gm/gp/256/に声をかけ借金ガイドを譲り、自らは家計管理ガイドに移った。2004年のことである。それからの山口さんは水を得た魚のよう。

レギュラー、コメンテーターとしてテレビ出演も数多い

レギュラー、コメンテーターとしてテレビ出演も数多い

「だって、『手取りが少ない時から家計管理をして着実に貯金を増やす』というコンテンツであれば、私は絶対的に自信がありましたから」とにっこり。

その後は順調に、記事を書くたびにいろいろな企業、雑誌、テレビの取材が来るようになり、名実ともに家計管理に強いFPとして自立していった。

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