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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.057

照明に関する正しい情報を理解し、
豊かな生活を送って欲しい

照明のスペシャリスト中島さん。こと照明のこととなれば、昨今の話題LEDから家の中の照明の仕方について、はたまた光が健康に及ぼす影響まで、照明に関する知見の幅広さには、右に出るものはいないだろう。なぜ照明の道に入ったのか。その原点とは?

「照明」ガイド 中島 龍興

文/宗像陽子 写真/須藤明子

照明に関する誤解を解き、照明で生活が豊かになることを伝えたい

さて、読者のみなさんは小さい頃「暗い部屋で本を読んじゃだめ」と言われて、部屋全体を煌々と明るく照らされていなかっただろうか?
高度成長期に「明るいことはいいことだ」と言われて育った我々(もしくはその子どもたち)は、今でも部屋のすみずみまで明るくすることをよしとしてしまう傾向がある。
中島さんは、「それは誤解です」という。目の健康のために必要なことは、部屋の隅のゴミ箱まで明るく照らし出すことではない。明るすぎる部屋は、時に目を疲れさせる。

「夜になれば部屋全般の照度を落とし、必要な部分だけを必要な明るさで照らすことが大切なんです」と中島さん。ことほど左様に照明に関する世の中一般に信じられている誤解は多いという。

すでに半世紀も照明に関わってきた中島さんは、今後はその経験を活かして、照明についての正しい情報を理解してもらえるような活動をしていきたいと考えている。All Aboutでの情報発信もそのひとつだ。

会議室。全般照明用の蛍光ランプ天井灯を点灯

会議室。全般照明用の蛍光ランプ天井灯を点灯

All Aboutの記事で目指していることは3つ。それは
「一般の生活者に少しでも照明で生活が豊かになることを知ってもらう。照明に関する誤解を解く。目に見えない光も含めて、光の効果やその奥行きの深さを知ってもらう」ことだという。

「真面目すぎる記事は読んでもらえない。かと言って、小さなことを大げさにとりあげて面白おかしく書きたくないしなあ」。

天井の蛍光灯を消し、目線より下に間接照明用器具を2灯点灯

天井の蛍光灯を消し、目線より下に間接照明用器具を2灯点灯。同じ部屋とは思えないほど、一瞬で雰囲気がガラリと変わった

誠実な中島さんはそんなジレンマを抱えながらも、美しい写真やわかりやすい説明を入れて、なるべく多くの人に記事を読んでもらうよう努力している。それはひとえに、照明の間違った情報を正し、使い方ひとつで心豊かに癒される照明生活を送って欲しいという願いからに他ならない。

美しい光を求めて

今、中島さんがワクワクすることは「観光」だという。ただし、一般の人が言う意味の「観光」とは少しちがった。

中島さんにとっての「観光」とは「光を観る」こと。

最近では京都・伏見稲荷の連なる赤い鳥居と赤い提灯の灯りに心を動かされたそうだ。外国に行けばヨーロッパの街並みの暗がりに浮かぶ明かりやクリスマスイルミネーションのかすかな窓辺の明かりなどに癒される。

赤い提灯が印象的な京都伏見稲荷大社の宵宮祭

赤い提灯が印象的な京都伏見稲荷大社の宵宮祭

「数や機能で競う照明ではなく、質素だけれども心を豊かにする光というものがあります。それはなつかしい光かもしれないし、新しく生まれてくる光かもしれませんが、感動する光をいつまでも見てみたいですね」と言う中島さんは、いつまでもどこまでも骨の髄まで照明のプロなのだった。

「照明」ガイド 中島 龍男 

数々の受賞歴を持つ照明デザインのプロが、賢い照明器具の選び方、活用法などを伝授!

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