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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.055

性欲は女性にもあって当たり前。
言いにくいことを言える社会にして、
恋人や夫婦仲の性欲の不一致を解消していきたい。

会員1万3000人を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」を運営、All Aboutの記事を書けば、アクセス・トップ10以内を量産。言葉の錬金術なのか? それとも最強の魅力的な人たらしなのか? 二松さんのガイドの原点を伺った。

「夫婦関係」ガイド 二松まゆみ

文/宗像陽子 写真/平林直己

小柄な体に、パワーははちきれんばかり。まるでポンポンはずむボールのような二松さんは周りの人をぱっと笑顔にする魔法でも持っているかのようだ。

1000人のママを束ね、ママサークルを会社組織へ

「セックスレス専門家」として「ED」「浮気」その他、なかなか女性が口にしづらい話題に切り込み、本質を突く記事を書く二松さんだが、出身は島根県、超マジメな高校生だったらしい。大学は関西の国立大学に進み、そこで合コンの楽しさに目覚める。
大学卒業後は中学校教師になったが、土曜となると学校の帰りにディスコに通って夜更けまで踊っていたとかいないとか……。

「ネットもない時代だったから、サークルの広報誌は夜中にコンビニでコピーして郵送。量が多くてコピー機を壊しちゃったほどです(笑)」

その後結婚。教師をやめ専業主婦になったものの、残念ながら夫は多忙で不在がち。結婚生活はさびしいものとなった。
ふと横を見れば、同じようにさびしいママはまわりにたくさんいた。
密室育児で頼るものはママ友のみ。少しずつ仲間を増やして、ママサークルを立ち上げる。

当時は、ネットも携帯もない。ママサークルの人員を集めるには「対面、口コミ、電信柱にチラシ貼り」という時代であるにもかかわらず、二松さんのサークルにはあっという間に1000人を超える主婦が集まったという。それは、専業主婦が社会に参加したいという時代の流れに乗って、メディアが注目したからでもあった。

メディアの取材をひっきりなしに受ければ受けるほど会員になりたい主婦は増え続け「とにかく毎日サンタさんが持つような大きな袋にどっさりと入会希望の手紙が届けられました」と二松さん。

二松さんのママサークルに集まってきたのは、バリバリ働いたあと専業主婦になって、空虚な思いを抱いているママたちばかりだった。
その個性豊かなママたちを、二松さんはみごとなまでに束ねていく。

もともと、力のある主婦たちだからそれなりにパワフル。個人個人の得意な分野を活かして相互託児のシステムを作り、イベント企画、情報発信を開始。たとえば「ラフォーレ原宿に行こう」「クラブで踊ろう」「ピアノが得意だからコンサートをやろう」「ロックバンドを結成しよう」。そんな主婦たちの活動は「もっと社会に必要とされたい」「自分の存在を確かめたい」という心の叫びでもあっただろう。

ひとりでは子どもにかかりっきりになって何もできない。けれども個々の力を集めれば、様々なことができることがわかり、活動の幅を広げママのマーケティング会社を立ち上げたころ、二松さんは結婚生活に終止符を打っていた。

「恋人・夫婦仲相談所」。今日も悩み相談のメールが引きも切らず

恋人・夫婦仲相談に特化

ママ・マーケティング会社は、女性起業家コンテストに優勝、さらにネットワーク会社となり、インターネットブームにのって大いに飛躍したが、二松さんは別の道を歩むことに。
それは本当に自分がやりたいことはもっとアナログで、シンプルな願いだったからだ。

新たなスタートとして始めたのが「恋人・夫婦仲相談所」。ママサークルを運営していく中でさまざまな主婦と話を重ねていた二松さんは、主婦の悩みの根底にあるのは「夫婦問題」だと思うようになっていた。そういう夫婦の悩みを解消したい。それが二松さんの願いだった。そこでサイトで悩みを募り、相談を受けるようになる。

恋人のための恋愛サイトは数々あれども、結婚したあとの関係性を持続させるためのサイトというのはなかなかない。「恋人・夫婦仲研究所」は広く人々に受け入れられ、会員数は1万3000人を超え10年以上情報発信を続ける人気サイトとなっている。

「性欲は人間の3大欲求のひとつ。恥ずかしいことではないんです」

二松さんがAll Aboutでガイドとなったのは、2005年のこと。すでに知名度も高く、All Aboutから声をかけられた。「All Aboutで記事を書くようになってからは、よりテレビからの取材依頼が増えましたね」。
現在All Aboutの他、数々のサイトで記事や小説を書いたり、書籍を出したり、テレビコメンテーターをつとめたりと活躍をしている二松さん。さて、All Aboutの記事を通して読者に伝えたいこととはなんだろうか。

二松さんは、最初の結婚生活は、夫の不在によりさびしいものだった。しかし、それを口にすれば「妻として夫を支えるのは当然」と世間からは言われる時代でもあった。
また今でもセックスレスで悩む女性がそれを口にすれば「淫乱か?」と言われることも少なくない。
夫の不在を「寂しい」と感じるのはわがままだろうか?
性欲があるのは「恥ずかしい」のだろうか?「淫乱」なのだろうか?
答えは「NO!」と二松さんは言う。

「女性として人として、まずは認められること。そして抱え込んでいる気持ちをちゃんと声を出して言える社会にしたいんです」と二松さん。これは、ママサークルを続けていた頃から、今に至るまで全くぶれていない二松さんの軸であり、伝えていきたいことでもある。

書籍数も数多い。常に恋人・夫婦関係に問題提起をし、考えさせ、修復をゴールとしたい

また、現在は性のジャンルに特化して情報発信を続ける二松さんは「そのことに対して
『アダルト』『品がない』『エッチ』。そんな言葉でくくってほしくないですね」という。
人として、「性欲」は「食欲」「睡眠欲」に並ぶ生きる上での3大欲求の一つ。性欲があるのは当然のことだ。言いにくいことでも言うべきことははっきり言う。お互いを思いやる。そして幸せをたぐり寄せる。それが二松イズムだ。

性欲の不一致が夫婦仲に不仲をもたらすことは、案外多い。けれども、もう少しお互いに相手に寄り添うことでセックスレスが解消されれば、夫婦が幸せになる余地はまだまだあるはず。そう二松さんは信じている。

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