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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.050

そのスイーツの、作り手の思いを知っていますか?
パティシエの思いを伝えたい。
よりおいしく味わってほしいから。

繊細にして緻密。これでもかというほど豊富な情報量、そしてパティシエ、お店、スイーツそのものへ向けるまなざしの温かさ。スイーツジャーナリストの平岩さんの記事は、上質のスイーツのように読み手を満足させる。そんな平岩さんのガイドの原点を探る。

「スイーツ」ガイド 平岩 理緒

文/宗像陽子 写真/須藤明子

「病気になっても食欲が衰えたことがないんです」と涼しい顔でサラリ

「病気になっても食欲が衰えたことがないんです」と涼しい顔でサラリ

風邪もチーズケーキを食べて治す

月間200種以上のスイーツを食べている平岩さんは、健康管理をどのように行っているのだろうか。伺うと意外にシンプルな方法だった。

それは「摂取した分程度のカロリーは消費すること」。
週に1~2回はジムに行き汗をかく。家で食べる食事は野菜や海草を多く取り入れ、白米だけで炊かず、複数の具材を炊き込むなど工夫しているとのこと。

とはいえ、風邪をひいたときでも食欲が衰えたことはなく、子どもの頃は、大好きなトップスのチーズケーキを食べて回復していたというから、やはり並の人とは違うのかもしれない。

「母が『風邪をひいた時にこそ、しっかり食べなければ!』という人で、体調が悪いと、私が好きだったトップスのチーズケーキを買ってきてくれたんですよ。でもおいしいのとうれしいので元気になっていました」と笑う。

「健康であってこそ、食べ物がおいしいと感じられるし、人に伝えることもできる。代わりのきかない、体が資本の仕事ですから、体調管理は常に怠らないようにしています」

「そろそろ、今年のクリスマスケーキの動きをリサーチ中です」

「そろそろ、今年のクリスマスケーキの動きをリサーチ中です」

スイーツは幸せの象徴。次世代へつなぐ

今、気になるキーワードを伺うと「糖質制限スイーツ」との答えが返ってきた。

高齢化社会になってメタボも無視はできない。
「ケーキって誕生日とかクリスマスに、みんなで食べることが多いですね。でも家族の中に、糖尿病やメタボを気にして糖質を制限している人がいれば、みんながケーキを食べるのを我慢しなくちゃいけないシーンがあると思うんです。

『糖質制限スイーツのおかげでみんなでお祝いできてよかったと涙を流して喜んでくれた』などという話もパティシエの方から伺っていますので、今後ますます注目されるだろうなと思っています」

スイーツジャーナリストとして独立して12年。今、平岩さんはノリに乗っている感がある。

やりたいことを聞けば、「まずは年内に出すスイーツ本について全力で取り組むこと。将来的には、日本のスイーツ界の重鎮である人たちのお話を伺って、菓子業界の歴史をひも解くような本を書きたい」とのこと。偉大なる先人たちから多くを学び吸収し、次世代につないで行きたいという意欲と使命感に満ちた言葉だった。

それは多くの先人たちやパティシエに尊敬の念を強く持つ、謙虚で素直な平岩さん自身の魅力があってこそ成し遂げられるミッションなのかもしれない。

取材協力:東京製菓学校
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スイーツ情報サイト「幸せのケーキ共和国」を主宰するスイーツジャーナリスト。新聞、雑誌などでスイーツ情報を発信するほか、カルチャースクールや製菓系専門学校での講義、スイーツイベントのコーディネート、商品開発コンサルティング、コンテスト審査員などを行う。1カ月に200種類以上のスイーツを食べ歩く。

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