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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.050

そのスイーツの、作り手の思いを知っていますか?
パティシエの思いを伝えたい。
よりおいしく味わってほしいから。

繊細にして緻密。これでもかというほど豊富な情報量、そしてパティシエ、お店、スイーツそのものへ向けるまなざしの温かさ。スイーツジャーナリストの平岩さんの記事は、上質のスイーツのように読み手を満足させる。そんな平岩さんのガイドの原点を探る。

「スイーツ」ガイド 平岩 理緒

文/宗像陽子 写真/須藤明子

Nikonのカメラは、42倍ズームができる逸品。海外でのコンクール取材などのとき遠くからでも撮影ができる優れもの

Nikonのカメラは、42倍ズームができる逸品。海外でのコンクール取材などのとき遠くからでも撮影ができる優れもの

徹底的な現場主義

よくあるスイーツの紹介記事と平岩さんの記事の違いは明白だ。それはスイーツの紹介だけに終わらないこと。

どんな場所にそのお店はあるのか、どんな広さでどんなレイアウトで、そこにはオーナーパティシエのいかなる選択があったのだろうか。そして、パティシエがどういう思いでそのスイーツを作ったのか、どんなところに苦労をしたのか、そこまで理解した上で記事は書かれている。

平岩さんに、記事を書く上で心がけていることを伺った。

VICTORINOXのナイフ(左、中央)は、小ぶりで持っていきやすく、波刃タイプはタルトなど堅いパーツのある商品でも引っかからずに切れる。先のとがったタイプは、ボンボンショコラやマカロンなどの断面がきれいに切れるのでお気に入り。メルティングポットのチーズナイフ(右)は、穴があいているため刃離れがよく、チーズはもちろんチーズケーキやムースなども切り分けやすく美しい断面を見せることができる子

VICTORINOXのナイフ(左、中央)は、小ぶりで持っていきやすく、波刃タイプはタルトなど堅いパーツのある商品でも引っかからずに切れる。先のとがったタイプは、ボンボンショコラやマカロンなどの断面がきれいに切れるのでお気に入り。メルティングポットのチーズナイフ(右)は、穴があいているため刃離れがよく、チーズはもちろんチーズケーキやムースなども切り分けやすく美しい断面を見せることができる

「常に現場主義。新しいお店のオープンなどでしたら紹介のリリースを事前にいただけることもあります。でもどんなにそこに情報があっても、私は現場に必ず行き、必ずひとつひとつのお菓子を残さず食べます」

なぜか。
「ケーキは、ひとつ丸ごと食べて満足するように味、大きさ、バランスを考えて作られているから、全部食べるのです。またリリースにはこう書いてあるけれども、自分が食べてみたらこの隠れたアイテムが気になるなど、違う感想を持つこともあります。そして店頭には宝物みたいな情報がたくさん詰まっています。事前にはわからない情報を見つけに行くのが好きなんです」

現場に行って自分の目、耳、舌、といった五感をフル活用して情報を集め発信する。

とことん調べて、作り手にもしっかりインタビュー。ついついのめりこんでしまうのは、趣味の一環としてスイーツ取材をしていた頃から変わらない。

「歴史はすべての道や学問の基礎となるもの。お菓子について学ぶ上でも、世界史、地理、宗教などの予備知識が不可欠。だから私の中では違和感なくつながっています」

「歴史はすべての道や学問の基礎となるもの。お菓子について学ぶ上でも、世界史、地理、宗教などの予備知識が不可欠。だから私の中では違和感なくつながっています」

歴史好きな少女

現在、スイーツジャーナリストとして活躍する平岩さん、大学生のころまでは歴史の教員になることを夢見る少女だった。

図書館が大好きで、気になることを調べ始めると時間がたつのも忘れてしまう一本気なタイプの女の子。歴史の教員になるつもりで大学院まで進むが、「もう少し人生の選択肢を広げてもいいかも」と考えて就職活動へ。

就職したのは、マーケティングの会社だった。マーケターとして食品メーカーなどのプロモーション、リサーチを担当し、商品開発の販促のプロセスに深く関わったことは、その後の人生に大いに役立つこととなる。

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