Human dept. スゴイ人、そろってます。

「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.043

和文化を、もっと生活に取り入れよう。四季を楽しみ、行事を慈しむ豊かな暮らしのヒントを伝えます。

「暮らしの歳時記」ガイドの三浦さんは、若いころの肩書は「カラー&ライフコーディネーター」だった。暮らしや生活をもっと素敵にと提案するうちに、行き着いた先は「和文化」だったという。現在「和文化研究家」として活躍する三浦さんにお話を伺った。

「暮らしの歳時記」ガイド 三浦 康子

文/むなかたようこ 写真/須藤明子

All Aboutガイドになってから書籍の出版もかない、すでに5冊となった。どの年代にも通じる和文化を伝えていく。

All Aboutは「基地」

2005年、All Aboutの「暮らしの歳時記」サイトをゼロから立ち上げる。「歳時記」と言えば俳句の季題を集めて解説した本だが、ともすれば高尚すぎるかごく浅いものしかなかったという。

けれども日本の四季と暮らしはずっと密着しているモノのはず。高尚に構えてしまえば興味のある人にしか伝わらない。もっと足元から楽しんで、次世代へ「季節と密着した日本の文化」を継承していきたいという想いで企画にしたのが「暮らしの歳時記」だった。

それから10年近くガイド記事を書き続けている三浦さんは、All Aboutに育てられたと感じている。

All Aboutではゼロからすべてやることで情報の発信のしかたや時流のとらえ方、様々な物事の流れなどを知ることができた。そして、自身の名前がメディアに出ることで、飛躍的に仕事は広がり、新たなステップへとつなぐことができた。2015年からは大学で教鞭をとることも決まっている。

「All Aboutは私にとって『基地』なんです」と表現する三浦さん、「転勤族」の負い目や焦りは今はない。

「『日本文化とは』と声高に言うよりは、身近なことから気づいてもらえばうれしいですね。」

「わかりやすく、楽しく」「期待以上のものを提供する」

三浦さんはAll Aboutの記事をどういう想いで書いているのだろうか。

検索でわからない単語を調べてAll Aboutに辿りつく人が、疑問の解答を知るだけではなく、「へ〜、なるほど。そんなおもしろい言われや文化があるんだ」と期待以上のものを得て帰ってほしいと三浦さんは考えている。だから、とことん深く掘り下げて調べる。

アウトプットするものはわかりやすく、楽しく。そして「期待以上のものを提供する」。そこに、三浦さんの職人のような心意気がある。

和文化というものは、我々にとってまったく未知のものというわけではないはず。自分たちのDNAに組み込まれたもの、自分たちの祖先の身の回りの積み重ねで今の和文化なるものができている。三浦さんは、記事を通じて私たちに「もっと五感のアンテナを立てましょう。もっと和文化を知りましょう。深まる喜びを知りましょう。だってあなたの根っこの部分のことですよ」とそっとささやいてくれる。

「行事育」を親子で楽しんで

和文化を追求していくうえで、三浦さんは次第に「日本の行事」の意味を考えるようになっていった。日本の行事はどれも幸せを願って行われるものばかり。とりわけ、家庭にかかわる行事というのは、家族に対する愛情表現であり、子育てを豊かにするものだった。
けれども今の多くの子育て世代は、行事の真の意味ややり方を知らないのではないだろうか。貴重な子育て期間だからこそ、親子で行事を楽しみながら幸せになってほしい、そんな気持ちで三浦さんは「行事育」を提唱し、2014年4月、1冊の本を上梓した。

『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』である。

今までの活動のすべてを詰めた「子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本」。月ごとのテーマカラーは三浦さんが自らセレクトしたこだわりの色。

カラリストから始まり、ライフコーディネーター、和文化研究家へ。それらは一見すると全く異なる道のようだったが、今すべてが一本につながってその結果としてこの本ができたことに三浦さんは確かな手ごたえを感じている。

目の前にいる三浦さんは、気負いなく穏やかで、それでいて芯の強さを感じさせる魅力があった。人生の目的がはっきり見え、そこに向かう足取りが確かであれば、人は多少風が吹いても竹林がざわめきながらもしなやかに風をかわすように、ゆるぎなく対処していけるのかもしれない。

取材協力:古桑庵 http://kosoan.co.jp/

和文化研究家、ライフコーディネーター。わかりやすい解説と洒落た提案が支持され、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演、商品企画などで活躍中。様々な文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。著書、監修書多数。


ガイドのお気に入りの記事

「月の模様 月うさぎが海を越えたら…」
ガイドデビュー当時の記事。歳時記の力を実感するきっかけになった出来事をベースにしており、ガイドとしての原点のような記事。

「震災を考慮し、年賀状で悩んでいる方へ」
震災後の年賀状に対して様々な動きがある中、和文化研究家として伝えておきたいと思い、急遽執筆した記事。新聞やニュース番組でも取り上げていただいた。

「蚊を気絶させてとる方法」
なんともユニークな方法ではあるけれども、その裏にある気配りを綴った記事。反響も大きく、All About全体の年間ランキングで4位になり、自分でもびっくり。

Previous

  • 1
  • 2

Info

All About Human dept.とは、「人」にフォーカスし、人間が持つおもしろさを追求するウェブメディアです。様々な分野から、自分のスタイルを持ち、第一線で活躍している「その道のプロ」たちをご紹介します。