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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.042

モノを減らして暮らしをシンプルに。大切なものが見えてくる、とっておきの方法を教えます

家の中にモノがあふれて息苦しい。シンプルに暮らしたいけれど継続しない。そんな人にとって金子さんの記事は、生活感あふれリアリティがあると大人気。「シンプルライフが生き方を見つめなおす」という彼女の原点とは

「シンプルライフ」ガイド 金子 由紀子

文/むなかたようこ 写真/平林直己

All Aboutに関わるきっかけは、ボツになった原稿だった!?

ダイエットや旅行などを中心に長くライターをしていた金子さんは、次第に「シンプルライフ」について専門を特化していった。

ある時「捨てる」をテーマに書籍の企画を出したところ、どこの出版社からも受け入れられず、ついに書籍としては日の目を見ることができなかった。ちょうどそんな折にAll Aboutの「住まい」のジャンルでガイドの募集があるのを見つけ、ネットでなら自分の企画を活かせるのではないかと考えガイドに立候補。晴れて「シンプルライフ」ガイドとなる。そして企画の中からネタを作り、少しずつネットで公開していくようになった。

「All Aboutの名刺のおかげで会ってみたいなあと思う人には随分会えました!」

All Aboutで記事を書くことは、どんな魅力があるのだろうか。

雑誌や書籍はお題が決められており、それに沿って書いていく。しかしAll Aboutの記事は、企画立案、取材、調査をすべて自分で考えていかなければならない。それは逆に言えば、制約を加えられることなく自分でやりたいことがやれるということでもある。
実験的な仕事をやる。検証する。会いたい人に会う。

やりたいことをやらせてくれるという意味で、All Aboutは非常に貴重な存在だと金子さんは感じている。

モノは大切。モノは好き。だからこそ選びたい

では、金子さんが記事を通じて読者に伝えたいことはなんだろうか。

それは、3つある。

一つ目は、「モノはいらないとは言わない。でももしモノがあふれていることでストレスを感じているのなら、こうしましょうという提案をしていきたい」。記事では「モノはあれば便利だけど、なくても大丈夫なのだ」と伝え続けたい。かつて親の世代が教えてくれたように。

二つ目は、「好きなものを大切に使うこと」。「私は特別センスがいいわけではない」という金子さんの家は、そうはいっても統一感があって心地が良かった。徹底的に入り込むモノをシャットアウトし、「優しい色合いの木」「竹で編んだザル」「和風の布」「お気に入りの本」など自分の好きなものを大切に扱っているからだろう。

振り返ってみれば私たちは、もらいものやおまけなど日々増えていく「特に好きというわけでもないもの」になんとたくさん囲まれていることか。それらが統一感のない空間をどんどん埋めていき、私たちの生活を息苦しくしている。

「できるだけ、モノは増やさない。そしてあるものの中で何とかやっていく方法を考えることをおすすめします」

最後は、「家事は一人の主婦が完璧にこなすものではない。完璧ではなくてもいいから補い合って家族みんなで家事を片付けていく」ことを伝えたいという。一人で完璧にするにはあまりにも家事は重い。もう少し肩の力を抜いて「ラクにやろうよ」。モノは少なく、やる家事も減れば、ずいぶんと生きるのもラクですよと金子さんはささやく。

記事を読んだりお話を聞く中で、普段の金子さんの豊かな人間関係のエピソードを垣間見ることが多かった。子どもの洋服をもらったり、あげたり。困ったときにモノを借りた後に、パンを焼いてお礼をしたり。何年に1度しか使わない調味料をわざわざ買う必要もない。モノをたくさん抱えることよりも、モノの貸し借りをできる豊かな人間関係を持っているほうがずっと自由で楽しいのだと、改めて教えられたような気がした。

子供の頃より「シンプル」「ミニマム」に関心を抱く。学生時代より10年間の一人暮らし賃貸住まい時代に、少ないモノで楽しく暮らすノウハウを模索。出版社にて書籍編集に携わったのちフリーランスに。結婚後二児を得て、新たなシンプルライフの構築にいそしむ日々。


ガイドのお気に入りの記事

「秋岡芳夫に学ぶシンプルライフ」
多大な影響を受けた工業デザイナー秋岡芳夫氏の記事。今シンプルライフガイドとしての軸のひとつであるのが秋岡芳夫氏から学んだことが多い。「好きなものと暮らす」、ひとつのものをいくつもの目的に使う「一器多用」、体に合った大きさが使いやすい「身度尺」という考え方もそれらのうち。

「実践! 無買週間(前)」
1週間物を買わずにすますことができるだろうか?という実験的記事。リアルレポートなので途中で思わぬ出費があったり、友達に助けられたり結構ドキドキ。読者の反応も良く、自分にとっても勉強になった。

「どこから手をつければいいの!?」
自分の家を散らかして、片付ける手順を解説した記事。子どもができるとモノも増えるし、その散らかし度も独身時代とは全く違って、どこから手をつけていいか茫然自失してしまうことも。そんな「困っている」事例としてピックアップした記事。

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