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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.039

ファッションに自分を合わせるのではなく、生活の中で無理のないおしゃれを提案したい

流行に振り回されない、自分らしいおしゃれとは何だろう。おしゃれは、決まりきった型があるわけではない。一人ひとりに心地よいおしゃれを提案する久野さんに「おしゃれ」とは何か「ファッション」とは何かを聞いた

「レディースファッション」ガイド 久野 梨沙

文/むなかたようこ 写真/須藤明子

「子どもがいて働いていて、という人に、毎回クリーニングしなければならない服を提案しても意味がありません」

生活環境や性格から、心地よさを探る

久野さんの個人向けのスタイリングのクライアントは、男女を問わない。まずは時間をかけ、じっくり話を聞いていく。暮らしの背景から性格まで。

住んでいる地域はどこなのか。
家族構成は?
子どもはいるのか、男の子なのか女の子なのか。
仕事はなにか?制服なのか?
通勤は自転車なのか車なのか。
人より目立ちたいのか目立ちたくないのか。
周りはどういう服を着ているのか。

膨大な情報から、その人が、今おしゃれで重視すべきところが見えてくる。

それは、「トレンドが今はこうでね」という話とは全く逆の、一人ひとり違うおしゃれを丁寧に見つけ出していく作業だ。それが明確な形となったとき、その人だけの「無理のないおしゃれ」ができあがる。

「洋服を替えるだけで、落ち込んでいた気分が上がって一歩踏み出せることもある。うつ病回復期などの人に提案できることも日本服装心理学協会ではやっていきたいですね」

スタイリスト育成で、すそ野を広げる

起業して8年、ようやく休みも取れるようになってきたと笑う久野さんは今、新たな挑戦に取り組んでいる。それは社団法人日本服装心理学協会の立ち上げと、スタイリスト育成スクールの運営である。

日本服装心理学協会では、服装と心理学という本来全く違うジャンルを二つつなげ、啓もう活動を行うことで新たなマーケットの拡充を狙う。スクールでは、もっと消費者に軸足を置いたスタイリストが増えてほしいという気持ちでマンツーマンで指導にあたる。

「結果的におしゃれをしたい人が増えれば、アパレル業界全体のお客様が増えるはずでしょ」とニコリ。未来への種まきは、実に地道で果てしない道だ。

洋服だけに目が向く人ではなく、人の気持ちに寄り添えるスタイリストを育てたい。勤め帰りの人も学べるようなスクールで人材育成中。

「おしゃれは、まずは自分のため。自分が心地よく、それが1番です。人から見ても心地よく。それが2番。その二つに限りなく近づけるよう、私たちスタイリストがお手伝いできれば」という言葉は、ファッション下手な筆者がジーンとするほど、力強いメッセージとして、心に響いた。

服装心理学に基づくスタイリングの第一人者。大学で認知心理学・色彩心理学を研究した後、大手アパレルメーカーでの商品企画職を経て個人向けスタイリストに。現在は、色彩心理を活かした印象コントロールや外見コンプレックスの解消、服装でのモチベーション向上など、ファッションと心理を絡めた情報発信に定評がある。


ガイドのお気に入り記事

・「印象一新!ストール・スヌードの巻き方9選
2年以上前の記事にもかかわらず、未だにレディースファッションカテゴリーのランキング上位に入っている記事。「おしゃれが得意ではない方に向けた情報発信」を得意とする久野さんならではの実践的なハウツー記事。

・「婚活ファッションの常識を疑え!魅力を伝える服選び
服装心理学のノウハウを活かした婚活ファッション記事。ステレオタイプな婚活ファッションに惑わされず、一人ひとりが自分にあった着こなしを考えるきっかけにできるような内容となっている。

・「iPhoneアプリを使ったワードローブ管理術
ガジェット好きという久野さんならではの記事。身の回りのもので、もっとおしゃれを手軽に楽にできるようにというパーソナルスタイリングのときのコンセプトが表れている。

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