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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.039

ファッションに自分を合わせるのではなく、生活の中で無理のないおしゃれを提案したい

流行に振り回されない、自分らしいおしゃれとは何だろう。おしゃれは、決まりきった型があるわけではない。一人ひとりに心地よいおしゃれを提案する久野さんに「おしゃれ」とは何か「ファッション」とは何かを聞いた

「レディースファッション」ガイド 久野 梨沙

文/むなかたようこ 写真/須藤明子

流れに乗って、高いハードルを越えていく

起業当初は、メーカーに勤めながら週末のみの個人向けスタイリスト。本名も出さずに、リスクを冒さずできる範囲での起業だった。しかし、口コミなどを通じて徐々にその活動は広がっていき、2006年退職をして独立することとなる。

それまでは何かひとつ決めたら変えずに貫くタイプだったが、会社を立ち上げてからは、柔軟に流れに乗ることの大切さを知ったという。

トークショーは、みだしなみ研修や講演会の仕事へとつながっていった

久野さんは起業してから、広告を出したことが一度もない。ライター、トークイベント、みだしなみ研修と、スタイリング以外のものはすべて他から声をかけられ始めたもの。「そんなことハードルが高くて無理」と思うようなことも意外とやってみるとおもしろかったり、ほかの仕事につながったりすることに気が付いた。高いハードルを越えることで、自分自身が成長することを実感してからは、大きな流れには逆らわず、乗ってみることを心がけている。

All About の「ファッション」ガイドも声をかけられて始めたものの一つ。媒体ターゲットにしか届かない他メディアと違い、All Aboutは一般の人のみならず、マスメディアやアパレル業界の人間も記事を読む。そこで仕事が広がっていくこともあれば、アパレル業界に対し「一般消費者は、こんな情報を求めている」という情報提供の場でもあると感じている。

がんばらないおしゃれもいいじゃない

アパレル業界全体が盛り上がるためには、何が必要だろうか。「今年のトレンドはこれ!」「おしゃれはこうするべき!」とマスに向けての提案ばかりでは、人はおしゃれをいつまでも自分のものにできず、結果的におしゃれにしり込みをしてしまう。アパレル業界は、自分で自分の首を絞めているようなところがあると久野さんは指摘する。

「『おしゃれってむずかしくないんですよ』と伝えたほうがマーケットは広がるはずなんです」

おしゃれが苦手でという人こそおしゃれを好きになってほしいと考える久野さんは「人間一人ひとりやるべきことは違う。仕事、子育て、それぞれのフィールドで頑張る人たちは、それで十分魅力的できれいなんです」と言う。「でも私たちスタイリストがスタイリング提案をしてもっとおしゃれを楽しめるようになれば、さらに無敵の魅力をもてるのでは?と思っています」

では、おしゃれが苦手な人はどういうおしゃれ感が必要なのだろうか。久野さんに聞いてみると、「がんばらない。自分ができる範囲のおしゃれに気付くこと」が必要とのこと。

女性は年をとるにつれ、自分が今まで似合っていたものが似合わなくなってきたことを悲しむばかり。たとえば「昔は黒が似合っていたのに似合わなくなってしまって……」「昔はカジュアルが似合っていたのに、貧相に見えるようになってきて……」云々。

パーソナルカラー。肌の色素によって相性のいい色が違うので、一人ひとりに似合うカラーを診断する。それは、自分らしいおしゃれを作るひとつの方法だ。

しかし、年を取ることで似合わなくなったものがあるのなら、逆に今まで似合わなかった新しいものが似合っているはず。年齢が上がれば派手な色が似合うこともある。若いころには浮いて見える高級なブランド品がしっくり似合う年頃になっているかもしれない。実は新しい世界が広がっていることに気付いてほしい。

必要なことは、「人や情報に振り回されず、自分らしさを大事にして無理をしないこと」だ。

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