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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.025

近くても遠くても雨が降っても。夏なら夏、冬なら冬の。鉄道の楽しさ、僕が教えます。

現在、定年後ライフを鉄道旅行作家として活躍中の野田さん。趣味と仕事の分かれ目は、「伝える」先の読者を意識すること。鉄道の楽しさをひとりでも多くの人に伝えたいと語る。

「鉄道」ガイド 野田 隆

文/むなかたようこ 写真/奈良英雄

「この本を読みさえすれば、外国どこでもひとりで行けるよ」と言われて買った「地球の歩き方」。後に「ユーレイルバスで巡るヨーロッパ鉄道の旅」などの記事を書くようになった

「この本を読みさえすれば、外国どこでもひとりで行けるよ」と言われて買った「地球の歩き方」。後に「ユーレイルバスで巡るヨーロッパ鉄道の旅」などの記事を書くようになった

とても穏やかな笑顔。わかりやすい説明。さすが学校の先生だけのことはある。「鉄道」ガイドの野田さんは、今高校教師からその活躍の場を変え、多くの人に「鉄道の楽しみ」を伝える立場にいる。

物心ついたときには、家の近くを通る中央西線の蒸気機関車D51を夢中になって見ていたというからその「鉄歴」は、筋金入りだ。小学校のときに鉄道には無縁の団地に引っ越し、それからは模型にシフト。高校のころは、お金があれば、鉄道に乗るよりは模型を買って走らせたり、雑誌を眺めて外国の列車に思いを馳せたりしながら鉄道ライフを楽しんでいたそう。ドイツの模型メーカー「メルクリン」を知ってからは、お小遣いをためては模型の収集に勤しんでいた。

著書第1号の「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」は、「地球の歩き方」などに書き溜めたエッセイをまとめたもの。「ドイツ=鉄道旅物語」は横溝英一さんの手書きのイラストも味があると評判に

著書第1号の「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」は、「地球の歩き方」などに書き溜めたエッセイをまとめたもの。「ドイツ=鉄道旅物語」は横溝英一さんの手書きのイラストも味があると評判に

大学院を出て高校教師となってから初めてアメリカへと旅行に出る。アメリカ人でもあまり乗らないような鉄道に乗り、大陸のスケールの大きさに圧倒された。その後は毎年夏の休暇を利用しては主にヨーロッパを旅する。雑誌の中にだけあった美しい風景や列車は、目の前にあった。

列車に乗って行けるところまで行き、その日の宿を決める、その日暮らしの気ままな旅は、鉄道の魅力や、文化交流など野田さんの人生にとても豊かなものを与えてくれた。最初の著書「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」から数えて本の執筆もすでに17冊、「タモリ倶楽部」や「世界の車窓から」などメディア出演・協力なども増え、今や押しも押されもせぬカリスマ「乗り鉄」である野田さんだが、その原点は若い頃の気ままな鉄道旅行にあるといっていい。

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