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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.020

マーケティングは売る仕組みではない
顧客との関係づくりそのものだ

銀行を辞めて渡米し、努力の末に念願のMBAを取得したものの、仕事が見つからない。絶望の淵で「自分の価値」は何かを模索し、マーケティングのプロとして起業の道を選択。チャンスをひとつひとつ確実に生かしてきた安部さんの原点。

「マーケティング」ガイド 安部 徹也

文/三田村蕗子 写真/金田邦男

自分で事業を起こすしか道がなかった

マーケティングから経営戦略、銀行融資関連まで、経営全般をテーマにセミナーや講演を手がけ、話題のビジネス書を次々に上梓し、ビジネスプロデューサーとして活躍する安部徹也さんは、9.11のテロが発生した2001年、どん底の気分を味わっていた。

バブル時代の只中に都市銀行に就職。7年後にMBA取得を目指して銀行を退職し、渡米してThunderbird(アメリカ国際経営大学院)でGlobal MBAを取得した安部さんだったが、日本に戻ってみると思うような仕事が見つからない。先行きが見えず途方に暮れた。

「景気が最悪でしたからね。自分で事業を起こすしか道がなかった。かといって、最初からうまくいくわけがありません。暗いトンネルの中でもがいた末に出した結論が、自分の価値を発見し、人に伝えていくことでした」

勤めていた都市銀行を辞めた安部さんは私費で米国に渡り、2001年にThunderbird(アメリカ国際経営大学院)にて念願のGlobal MBAを取得した。現在のキャリアのベースである。

勤めていた都市銀行を辞めた安部さんは私費で米国に渡り、2001年にThunderbird(アメリカ国際経営大学院)にて念願のGlobal MBAを取得した。現在のキャリアのベースである。

トンネルから抜け出すためのメルマガ発行

自分の価値とは何か。MBAを取得したことだ。だったら、そこで学んだことを必要とする人たちにわかりやすく伝えよう。自分の価値を棚卸しした結果、そう決意した安部さんは、ひとつの手段として2003年からメールマガジンを発行した。

「いまならフェイスブックやツイッターがありますが、当時はメールマガジンしかなかった。私にとってはトンネルを抜け出すために目の前に降りてきた1本の蜘蛛の糸でした」

メルマガを発行するうえで安部さんが心がけたのは、読者との関係づくりだ。会社の宣伝色は排し、「こういうテーマを読みたいに違いない」と読者の顔を思い浮かべながら、1本のメルマガ作成に丸1日もの時間を費やし、マーケティングをわかりやすく解説した。

メーカーがプリンタを赤字で販売しても利益があげられるのはなぜか。
プロバイダはなぜお金を払ってまで会員を集めるのか。

身近な事例をもとに、マーケティングのメカニズムと醍醐味を解きほぐしていく安部さんのメルマガは人気を集め、気がつけば読者は2万4000人弱に達していた。

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