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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.034

マレーシアごはんを味わえば、多民族国家の魅力が見えてくる

マレーシアの魅力を知るライターの古川さんは、「マレーシアごはんの会」を立ち上げ、私たちを食文化からマレーシアにいざなう。より深くマレーシアを知ってもらい、人と人をつなげる活動を広げているその理由とは

「マレーシア」ガイド 古川 音

文/むなかたようこ 写真/平林直己

ブルーの民族衣装に身を包み、ロングヘアーをさらりとたらし、古川さんはマレーシアレストランの奥まった席で、少し緊張した面持ちで待っていてくれた。
レストランの雰囲気にしっとり溶け込んでいて、食事を楽しむ人たちを見ながら「おいしいって。よかったね」「広まっているんだ。うれしいね」とマレーシア人のシェフと語っている様子はマレーシア愛にあふれ、まるでオーナーのよう。マレーシアの魅力について語る話は尽きないが、決して押し付けがましくなく聞いていると耳に心地よい。いつの間にか筆者もマレーシアの魅力にとりつかれてしまった。

古川さんが持つ民族衣装

マレー系の方が着るおしゃれ着のジェバ。マレーシアで購入した。古川さんはイベントには民族衣装を着る。

帰国後、マレーシアの魅力を実感

古川さんが、初めてマレーシアに渡ったのは2005年のこと。夫が海外赴任となったためだった。
当時フリーでライターをしていた古川さんは、マレーシアに住むことをきっかけに、現地でライターの仕事を探すことに。ほどなく在住の日本人向けのフリーペーパーを制作している会社を見つけ、現地採用枠で就職。最終的にフルタイムで勤務し、2009年に帰国した。駐在前は不安がなかったわけではないが、思いもかけず楽しい4年間を過ごすことができたという。

マレーシアの一番の特色は多民族国家であることだ。マレー系、中国系、インド系といる中では、同じマレーシア人であっても顔も違えば宗教も違う。正月もそれぞれ異なれば食べられるものも異なる。そんな中で生きてきた知恵は「みんなちがってみんないい」。価値観を押し付けず言いたいことをいい、違うことを認めながらも大きくつながる。それがマレーシアという多民族国家の魅力だという。

ただそんなマレーシアの良さをはっきりと感じたのは、実は日本に帰ってきてからだとか。マレーシアなら楽しくできたことが、日本だと息苦しくなったり行き詰まったりということにしばしば遭遇した。「個」より「皆同じ」を尊重する日本の価値観に違和感を感じることも。
古川さんは改めてマレーシアとはおもしろい国だったと振り返り、あまり知られていないマレーシアという国の魅力をもっと日本に伝えたいと考えるようになった。

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