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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.014

建築士と建築家には違いがある
つなげていく、記憶されるデザインをつくり続けたい

佐川さんにとって“建築士”と“建築家”には大きな違いがある。建築家は哲学や思想を必要とし、技術や経済的なことだけでなく、意匠性も高くなくてはならない。建築家、佐川旭の原点とは。

「家を建てる」ガイド 佐川 旭

文/山本初美 写真/金田邦男

力の伝わりが素直にでる筆ペンを愛用。自身で削って20cmにした定規は、30年以上使い続けている。

力の伝わりが素直にでる筆ペンを愛用。自身で削って20cmにした定規は、30年以上使い続けている。

きっかけは高校の卒業設計

現在、東京・西麻布にオフィスを構える佐川さんだが、生まれは福島県南の山間部にある小さな田舎町。中学の担任の先生の薦めで工業高校へと進んだものの、自分がこの道に合っているのかさえわからないまま3年の秋を迎える。

「卒業設計にとりかかる際、いわき市の図書館をデザインしたんです。いわき市の地形や風土をイメージしてかたちにしていく。そんな中で、はじめてデザインのおもしろさに目覚めました」

この卒業設計が県の工業高校生対象のコンクールで6位に入賞。大学に進んで建築を学びたいと進路が見えたものの、クラスで大学に進学するのはわずか2人か3人、ましてや受験勉強もしていない。

しかし佐川さんは諦めず、高校卒業後は上京し、働きながら夜間の予備校に通ってお金を貯めた。そして2年遅れて大学に進学。

卒業後に就職したのは有名なデザイン建築事務所。ここで衝撃的な住宅建築を目にする。

「前衛的な作家が手掛けた住宅は、家中が階段だらけで、まるで寝るところもないようなデザインでした。それが模型から実際にできあがるのを見て、衝撃的でもあり、住宅建築がこんなにもデザインできるんだとはじめて知りました」

これがきっかけとなり、佐川さんは住宅建築に魅了されていく。

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