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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.013

塩ヨーグルトに日本の伝統食を組み合わせたい
そんな思いから塩ヨーグルトの漬け床は生まれました

大ヒットとなった塩麹に続き、今、最も注目を浴びている万能調味料が、ヨーグルトに塩分を加える「塩ヨーグルト」。じつは、エスニック料理のガイド 佐藤わか子さんの著書『塩ヨーグルトをはじめよう』が、ブームの火付け役になっている。エスニック料理ガイド 佐藤わか子さんの原点。

「エスニック料理」ガイド 佐藤 わか子

文/山口初美 写真/金田邦男

佐藤わか子さんの著書『塩ヨーグルトをはじめよう』

佐藤わか子さんの著書『塩ヨーグルトをはじめよう』

トルコ料理店で万能調味料としてのヨーグルトの魅力に出会う

佐藤さんが、ヨーグルトに塩を加えるという調理法に出会ったのは15年以上も前のこと。トルコ料理店で食べた料理が初めてだった。

「それまで“ヨーグルト=甘くして食べるもの”だと思っていたので、焼いたお肉や野菜にヨーグルトがかかったものがでてきた時は衝撃的でした。口にしてみると、私の食味に合っていましたし、ヨーグルトと合わせることで素材の旨みがより引き立っていることに驚きました」

また、ヨーグルトを加えることでさっぱりとした味になる点にも共感を覚えたという。これをきっかけに、各国のヨーグルトの調理法をとことん調べた。すると、中近東ではヨーグルトは塩やオリーブオイル、レモンの絞り汁などを加えて使う、まさに日本の醤油と同じ万能調味料だということがわかったと話す。

塩ヨーグルト

塩ヨーグルトのレシピの数々「料理の幅が広がる! 塩ヨーグルト特集

甘いだけじゃない、万能調味料としてのヨーグルト

最初は各国の塩ヨーグルト術をそのまま再現して作り食していたが、次第に自分なりにアレンジをして家庭料理に取り入れるようになった。

また各国へ出向き、いろいろなヨーグルト料理も食べ歩いた。なかでもブルガリアでは「ヨーグルトの旅」と題し、農家などにホームステイし、乳搾りやヨーグルト作りも体験。海外に行けば行くほどヨーグルト料理のおいしさに気付き、その多様性を見た。

日本でもこれだけヨーグルトが普及しているのに甘いだけの使い方一辺倒ではもったいない。そんな思いが募り、塩ヨーグルトを一番好きな和食に活かすことはできないだろうかと考えはじめたという。

人のぬくもりが伝わるアイテムが好きだという佐藤さんの自宅キッチンには、現地で購入した手づくりの臼やお母様手づくりの木のかごが並ぶ。

人のぬくもりが伝わるアイテムが好きだという佐藤さんの自宅キッチンには、現地で購入した手づくりの臼やお母様手づくりの木のかごが並ぶ。

「私は昔から梅干しを漬けたり、お味噌を作っているのですが、中近東などで古来より受け継がれている塩ヨーグルトにも長年魅せられていました。あるとき、このふたつの伝統食を組み合わせたらどうなるだろうか、ヨーグルトの多様性が広がるのでは? と思ったんです。そう考えたときに、すぐに頭に浮かんだのが “漬けもの文化”でした」

塩ヨーグルト床を作って野菜を漬けてみると、ぬか漬けよりも簡単で、かつ短期間で野菜の旨みを引き出してくれることがわかったという。学生の頃から実験が好きだったことも高じて、ヨーグルトに加える塩分量や素材、漬ける日数などを変えて何度も試作をしてマトリックスを書いた。そして、ようやく納得のいく塩ヨーグルトの漬け床が完成した。

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