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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.012

幼い時に目にした、進駐軍の住宅のキッチン
憧れでもあり、豊かさの象徴だった

2001年 All Aboutのサイトオープン時からガイドを務める黒田秀雄さんと黒田民子さん。実は、ご夫婦でもある。システムキッチンの第一人者である秀雄さんは、なぜキッチンに興味を持ったのか? 主婦であった民子さんが、ガイドを続けていくなかで抱いた家庭料理への想いとは?

「キッチン、ホームメイドクッキング」ガイド 黒田 秀雄、黒田 民子

文/山本初美 写真/金田邦男

「キッチン」ガイド黒田秀雄さんと、「ホームメイドクッキング」ガイド 黒田民子さん。All About開設当初から、ご夫婦でガイドを務められている。

「キッチン」ガイド黒田秀雄さんと、「ホームメイドクッキング」ガイド 黒田民子さん。All About開設当初から、ご夫婦でガイドを務められている。

はじめて見た、真っ白なキッチン

黒田さんが生まれたのは戦中の神戸、六甲山の麓。戦後、幼少期の頃になると近隣に進駐軍の住宅ができた。フェンスで囲われたその住宅に日本人が入れるはずもなかったが、子どもは別。進駐軍の子どもたちと仲間になって一緒に遊んだり、時には自宅に招待された。

「自分が暮らしている家と彼らの住まい、あまりの違いに驚きました。なかでも衝撃的だったのが真っ白なキッチン。真ん中に大きなアイランドキッチンがあって、シルバーのボウルには山盛りのバナナやお菓子が入っていて…。生まれてはじめてみる光景に圧倒されました」

黒田さんにとって豊かさの象徴に映ったキッチン。憧れと同時に「日本の生活をもっと豊かなにしなければいけない」、幼心にもそんな気持ちが芽生えたという。

学生時代から「キッチンは暮らしにとって重要な場所」と捉えていたと語る。

学生時代から「キッチンは暮らしにとって重要な場所」と捉えていたと語る。

大学卒業後、メーカーへ

京都美大(現、京都芸大)に入学し、専攻したのは工業デザイン。“口紅から機関車まで”といわれるほど幅広いジャンルの中でも、迷わずキッチンデザインを選んだ。そこには子どもの頃の体験と、暮らしに結びつくものを手掛けたいという思いがあったと語る。

「当時の台所は家の北側にあって、お母さんが料理をしている場所くらいの存在。けれど僕は、暮らしに一番密接な空間がキッチンであり、もっともっと重要な場所になると思っていました」

大学卒業後は日立化成に入社し、キッチンをはじめとする住宅設備機器の開発デザインを担当。3年後、松下電器(現、パナソニック)に転職し、インハウスデザイナーとして数々のヒット商品を手掛けた。なかでも「ナショナルキッチンセットK型ライン」は、後のシステムキッチンの原形になったといえる。

しかし、ひとつの商品が何十万台と量産化される中「オーダーメイドでキッチンをつくりたいというユーザーもいるのではないか」という思いが募り、息詰まりを感じはじめていたと話す。

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