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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.009

通勤途中に模索した手法がスピード料理へ
OJTのような日々から切り開いた、プロへの道

どうすれば美味しくできるか、こうすれば時間を短縮できるはず……。「忙しくても料理のある生活」をおくるために工夫したことが、フードコーディネーター、料理研究家という仕事に繋がっていった野口英世の原点。

「簡単スピード料理」ガイド 野口 英世

文/山本初美 写真/平林直己

スピード料理には、素材の切り方や組合せ方も大切だという

スピード料理には、素材の切り方や組合せ方も大切だという

きっかけは、2時間の通勤時間

「今でも、なぜ料理を仕事にしているかわからないんです」と語る野口さん。そもそも料理を仕事にしようとは全く思っていなかった。

とはいえ、昔からモノを作ることは好きだった。学生の頃に“お料理大百科”を購入し、すべてのレシピを作ったこともあった。けれど、それは決して料理の道に進むためではなく、“集中して作る工程が楽しい”、ただそれだけだった。

20代で結婚し、横浜の自宅から都内の渉外事務所まで毎日往復2時間かけて通勤することになった。

「その頃の私は、料理はちゃんと作るものだと思っていたんでしょうね(笑)。でも、帰宅時間も遅いから、手間暇かけて料理を作る時間がない。だから通勤途中に“どうすれば早く料理が作れるのか”を考えるようになったんです」

どの工程を省いても美味しくできるか、こうすれば時間を短縮できるはず…そんなことを頭の中でシミュレーションし、帰宅後、その料理を作る。次第にこれが生活の一部となり、後の野口さんの料理スタイルにつながっていった。

レシピの概念を知るきっかけとなった、なりきりおいなりさん。

レシピの概念を知るきっかけとなった、なりきりおいなりさん。

レシピという概念を知った、おいなりさん

ある時、キッチンツールについて知りたいことがあり、会員制料理サイトを利用した。それがきっかけで、掲載してある料理を作って感想を述べたり、会員同士でやりとりをするようになった。けれど、レシピを作るという発想は全くなく、むしろ、レシピは誰かが考えるものとさえ思っていた。

「たまたま、おいなりさんの作り方で、私は油揚げで包むのではなく、ごはんに油揚げを混ぜ込んで作っていると紹介したんです。すると会員の方から簡単で美味しいレシピをありがとう、と。この時、はじめてレシピという概念に気付きました」

この発想がレシピだとわかってからは、考案した料理を作っては撮影し、レシピを掲載した。また、はじめて手にしたデジカメで、自分なりにスタイリングを工夫して料理を撮影するのも、思いのほか楽しかったという。とうとう蓄積しているレシピが200を超えたこともあり、単なるレシピの保管場所としてホームページを立ち上げた。

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